医療制度
領主様は優秀な方の様です。
「明日香さんは、吉敷領から来たのか。ご両親は?」
「はい、母は、幼いころ亡くなりましたので、道場を開いている父と二人で住んでいました。」
早速役に立ちましたよ、設定が。
ふと見ると、ナトが冷たい目線をしている。
設定万歳とか思っているのが、ナトにばれている気がするので、
なんとなく目をそらす。(苦笑)
「そうか、御父上は道場主か。」
「はい、さほど大きくはありませんが。」
「明日香さんは、御父上に鍛えられたのか?」
「はい。」
「そうか、ならケガした時などはどうしていた?」
「貼り薬などの、薬を利用しておりました。医者は、その治療費が・・・・。」
「なに、恥ずかしがることはねえよ。
鵲領は、特殊な領の一つだからな。」
和助さんの話によると鵲領の領主が、
医学を含めた教育に力を入れている領主の一人であり、
医者を目指す者には領から援助をし、医学が発達した隣の鴛領に留学し学ぶ
「医学留学」という画期的な制度を作ったとのこと。
この制度を利用した者は、医学留学終了後必ず3年間は、
町や組合など派遣された先で医療を行う。
その期間の衣食住は、派遣された側が面倒を見る決まりになっている。
その結果、薬は有料であるが医者にかかる、という行為自体は無料になるのである。
そして3年過ぎれば、他領に行き開業することも可能になる。
もちろん、組合に改めて雇用してもらうということも可能。
他の領でもこの制度は徐々に取り入れ始めてはいるが、
医学生を受け入れる側も数に限りはあるので、
全国に広まるには時間がかかるだろう、と和助さんが説明してくれた。
日本にあるような制度が取り入れられ行われていることに
さらに驚きを隠せない私だった。
カメの歩み。戦う明日香はいつになる。
そして肝心な女神探し・・・・。