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雪掻き…
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のり子はわざと、狭いスペースに、野ざらしになったままの師匠の自動車の雪掻きをしなかった。
師匠が、タンポポの綿毛のように、どこかへ飛んで行かないようにでもするかのように、その雪は次第に寒さで岩のようになり、自動車を固定した。
のり子は思う…。
安部公房の作品に『砂の女』という砂場に閉じ込められた主人公が、死ぬまで砂掻きをする小説があるが、あれは『雪の女』でも当てはまる気がする…と。
『ここから出たい』『だけど、出ることを許されない』
出るためには、雪掻きをしなければならない。しかし、掻いても掻いても、雪は降り積もり続けるのだ…。




