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どうして
序章
AM7時10分 3月1日
青年の名前は大地大和 高校3年生 。
今日は彼の通っている高校の卒業式。
卒業式が待ち遠しいのか、少し早く目が覚めてしまったので早めに家を出た。
通学路をしばらく歩いている最中ふと後ろを振り返り足を止めると、今流行りの音楽を大音量で流している車が70〜80kmぐらいのスピードでこちらに向かってきていた。
近所迷惑だな〜と思いながら道の端に寄って再び歩きはじめたその時、物凄い激痛が全身に駆け巡りながら彼の身体は軽く宙に浮いていた。
(こんなところで…俺は…死んでしまうのかよ)
車に跳ねられ意識が消えかけている最中、運転手が座席から降りてきた。
「あっちゃ〜、マジか〜、どうしよ〜、また課長に怒られるよ〜」
全く反省の色がなく携帯をいじりはじめる運転手。
「一応連絡しとくか〜、でもまぁ無力な人間1人死んだところで大したことないか〜」
(絶対にゆるさねぇ)
そう思い、誓いながら大地大和のこの世界での命は消えてしまった。