所有しがたき貧者の施し
掲載日:2017/02/03
螺旋だなんて軽薄だわ
天を突く塔だなんて軟派だわ
夢で旅したお洒落な街で小さなブーケを買ったのだって!
なんて軽率、なんたる無思慮か
夢で握った小さな鍵を、あなたは今でも大切に
首から提げているのですって!
見よ、名前に塔を冠する者、その成れの果て
なにも持たずに与え続ける貧者
夢で恋したあの英雄に絶えずあたしは愛を注ぐわ!
なんて無意味、なんたる不毛か
夢で交わした言葉こそ、それこそ真の世界だと
信じきっているのだわ!
聞け、文字を信じぬ愚かな女、その行く先を
所有を知らずに求め続ける富者
まだわからないのか君よ
盲目も純な魂も信頼あるいは無知さえも
無自覚に与える貧者
無意識にすがる物語(又は世界)
どれもそこにある
まだわからないのか
なにもかも取り返しがつかないことに




