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結婚したら、夫に愛人がいました。  作者: 仲村 嘉高
蛇足(ざまぁのその後)

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さいごに




 暖かな陽射しの中。王城の庭園では仲良し母子が敷物を敷いて、そこでお弁当を食べていた。

 庭園と言ってもここは王族と許可された者しか入れない、特別な場所である。

 母と呼ばれる者が三人。子供は合計で九人もいる。


 父親達は、それぞれの執務を行っている事だろう。

 現に父親の一人ガストンは、この場に居合わせているのに、護衛任務中なので参加する事が出来ずに見守っている。


「父上、参加出来ずに残念ですね」

 七歳の息子に言われ、ガストンは心の中で肩を落とす。さすがに行動に起こす愚行は我慢した。

 賑やかな集団から少し離れ、ガストンは周りを警戒しながら見守りをしているのだ。

「父は仕事中だから、母と弟を頼むぞ」

 ガストンが言うと、コクリと頷いた息子が皆の所へ走って行った。


 長男ジュリアンは、母アンの影響かレベッカとその子供達の事が大好き過ぎるくらいだった。今もガストンの所へ来たのは、きちんと仕事をしているかの監視だったのだろう。



 ユゲットが使用人を買収し、レベッカの子供達に嫌がらせをしていたと判明したのは約一年前だった。

 アンの暗躍でユゲットは下賜され、当然紐付きになっていた使用人は全て解雇された。


 最近流れているユゲットは魂の無い人型を産んだらしい、との噂に、ガストンはアンならそれくらいやるかもしれないと密かに思っている。

 何せアンは、レベッカとその子供達大好きな元魔導師団長だ。


 ユゲットを追い出したいが、不幸な子供を作りたくない、苦肉の策だったのか、単にユゲットとその実家を苦しめたかったのか……。

 八割は後者だろう。




 レベッカは仲良く遊んでいる子供達を幸せな気分で眺めていた。

 長男のレオナールは当時八歳だったせいでまだ後遺症(トラウマ)があるのか、他人を恐れる行動が偶(たま)に見られるが、ディオンがそれくらいの方が王になるには良いだろう、と言っていた。

 信頼出来る側近さえいれば、臆病なくらいの方が王には向いている、らしい。


 これはディオンも王妃も言っていたので、そうなのだろう。

 それならばディオンは王に向いていないのでは? と、レベッカは思ったのだが、後日ブレソールが「賢王には二種類いて、周りに支えられる王と周りに恐れられる王です」と言っていた。



 レベッカの第二子リオネルと、義姉テレーズの第一子フェルナン、そしてアンとガストンの第一子ジュリアンは同い年で仲が良い。

 この三人は、集まると何やら悪巧みをしている印象が強い。


 リオネルが一番ディオンに似ているとレベッカは思っていた。

 三人共レオナールが大好きなので、皆の言う『信頼出来る側近』になり、将来王になるレオナールを支えてくれるだろう。



 第一王女ブランシュは、今年六歳なのにテレーズのところの第二子ベランジェを子分のように引き連れて騎士の真似事をしている。


「ベラン! 私に負けるなど情けないぞ! それでも騎士か!」

 騎士では無い。

「うるせぇ! 次は絶対負けないからな!」

 負けん気の強いべランジュだからこそ、ブランシュの相手が出来るのだろう。

 ある意味、仲が良いとも言える。


「ブランシュ。ベランの方が一つ下なのだから、当り前だろう」

 こういう集まりで二人を面倒見るのは、主にレオナールの役目である。



 末娘シャルロットは、アン達の第二子パトリスと同い年で、本人達曰(いわ)く既に結婚の約束をしているとの事。因みにまだ四歳である。


 まさかこのままの関係を保ち、魔法師団長になったパトリスにシャルロットが嫁ぐ事になるとは、この時誰も予想していなかった。

 喜んだアンにより、前代未聞の魔法でキラキラの結婚式になったのは、言うまでもない。



「あらあら、アネット。駄目よ」

 テレーズのところの末っ子は、まだ二歳なので母親達と一緒にいた。

 今はレベッカの膝に登ろうとしてテレーズに止められたのだ。

「あら、良いわよ。いらっしゃい」

 レベッカは笑顔で姪っ子を膝に乗せる。


「きっともうすぐ貴女のお父様が来るわよ」

 レベッカはアネットの髪を手櫛で梳きながら笑う。

 娘は格別に可愛いらしく、クロヴィスは今から結婚相手の心配をしているらしい。

 レベッカの結婚がまだ尾を引いているのかもしれない。


 それでも、とレベッカは前を向く。

 王宮の方向から、二人の人影が歩いてくるのが見える。

 王族と、王族に許可された者しか入れないこの場所に、今入って来るのは限られている。


 銀の髪が光を反射してキラキラと光っている。

 半歩後ろを歩くのは、金の髪。

 まだ遠いので二人の表情は見えないが、自分と同じで幸せな笑顔だろうとレベッカは思った。




 終

今度は本当に終わりです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


アルファポリスの恋愛小説大賞で7位をキープしていたのですが、参加取り消しにされました。

その後、参加資格取消無効(ややこしいw)になったのですが、一度取り消したものは戻せないと言われ……

そんないわく付きの作品ですwww


誤字報告ありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
四歳で婚約………………(゜_゜ ) どっかで聞いたようなww
夫に最初から愛人がいる話しだけど、正妻が最初からザマァしていて面白かったです。すっきりした笑 最後まで すっきり楽しく読めました。(^ν^)
面白かったです。 ディオンやレベッカの家族が、何故あんな愚物のジョエルとの結婚を許したのか、もしジョエルが普通に初夜を行う気だったらどうするつもりだったのかと不思議だったのですが、ざまぁの前の最終話で…
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