俺らの青春はまだ始まってすらいない。
夢を見ていた。
中学二年の頃の懐かしい記憶。
俺よりも身長が頭一つ高い、ボヤけた顔の男子生徒。
彼の手が俺の肩に食い込む。
『立花さんが幼馴染じゃなかったら、お前となんて一緒にいないよな』
当時のクラスメイトだった男子の顔は覚えていないのに、彼が言い放った台詞だけは鮮明に覚えている。
『お前なんかに立花さんは不釣り合いだ』
もう用はないと最後に吐き出すように言い、押すように強く叩かれた背中。
夢の中なのに幻痛として襲ってくる。
しかし、こんなことを面と向かって言われたのは初めてで、小学生の頃から幼馴染のことで茶化されたりなんかしていたけれど、驚きのほうが強かった。
だからこうして夢に見ているのかもしれない。
その男子生徒は野球部に所属していたっけ。
今どうしているか知るよしもないが。
うちの中学では野球部が人権を得ていて、その次にテニス部に所属していればカースト上位になれた。だからクラスでの発言権もあり、誰も彼らに文句の言えない環境が出来ていた。
それは僕らが入学する以前から始まって、卒業した今でもきっとそのままなのだろうと思う。
色に恋をつけはじめる年頃である中学二年。
やれあの子が可愛い、胸が大きい、脚がえろいなんて仲の良かった男子たちは騒ぎ立てる。時には女子に見つかって白い目を向けられたりも。
自分も年頃の男子だったからその一部ではいた。
夢の場面が移り変わる。
あの台詞を言われたその次の週。
クラスの男子達が俺を見る目が変わったのに気づいた。
なんというか遠巻きに見られ、仲の良い友達に挨拶をしても「あぁ……」と困ったように返事をされる。
真実を知ったのはもっと後。
俺に幼馴染の事を聞いた野球部の男子が彼女に告白して、その振られた腹いせに俺を無視するようにと野球部を通じて命令していたと、俺との繋がりを残した友人の一人が言っていた。
俺は当時から少し冷めていた生意気なガキだったのだろう。
まぁ仕方ないよな。
と、同じような扱いをされたくない。もっとひどい目に遭うかもしれないと、友達がただの知り合いに成り下がるのも頷けた。
怒る気にもなれなかった。
それからは学校では幼馴染の円香と距離を取りながらも、放課後は一緒に遊ぶというスタイルに少しずつ変わった。
完全に縁を切れなかったのは兄妹のように育ち、なんなら彼女の親から任されて夕飯まで一緒に食べている仲だったから。
そもそも彼女は何もしてない。
むしろ告白されて断っただけで悪くない。
円香と距離を取るようになったそのおかげか、学年が上がった頃には無視されることもなくなった。
変わったのは俺が狭い友人関係を築き、それ以外はほぼ一人で行動するようになったぐらいだろうか。
「あぁー……。懐かしい夢を見たな……」
汗を拭い。
上半身だけ起き上がる。
中学を卒業した今となってはどうでもいい話だが、心に傷を残したのは間違いなかった。
夢に出てきたのは、来月には高校になり新しい環境になるだろうか。
床で眠っていたせいで軋む身体を解しながら起き上がり、カーテンの締め切った部屋を出て顔を洗い、もう一度部屋へと戻り着替える。
「おい円香。起きろっ」
人のベッドの上で、これまた人のTシャツを寝巻き替わりにし、水色のパンツ丸出しで眠る幼馴染の身体を揺らす。
午前十時。
気温がまだ低い春の遅い朝。
テレビから流れる壮大な音楽。
動かないキャラクターを中心にぐるぐると回る画面。
テーブルにはエナドリの缶が転がっていて、スナック菓子の袋もオマケとして置かれている惨状。休みだからと怠惰に過ごしていたのが伺える。
一緒になって長編RPGゲームをやって寝落ちた者達の末路。
「う゛~」
恨めしそうに目を擦り、脱色された前髪をかき分け耳へと掛ける。
シンプルなピアスが光を受けて反射する。
「いーちゃん、おはよ」
「はいはい、おはよう。ほら、顔洗うぞ」
「んー……、シャワーにする。そっちのが目覚める」
「あいよ。着替え持っていってやるから、さっさと動けー」
円香の腕を握り立ち上がらせる。
「あ~い……」
彼女の背中に手を添え、ふらふらと覚束ない足取りの円香を支えながら部屋から出ていく。
脱衣所の前まで案内すると部屋へと一度戻り、散らかったゴミを軽く片付けてから、衣装棚に手をかけた。
一番下は円香専用。
彼女も一応は女の子。
色鮮やかで豊富な種類の下着が並ぶ。その中から同じ組み合わせの上下を手に取り、どうせ今日も夜までうちの家から出るつもりはないだろうと、諦めにも似た感情を抱きながら俺が着てもぶかぶかTシャツを加えて、脱衣所に戻る。
成長すると思ってワンサイズ上を買ったのに、いっこうにぴったりにならない。
面倒だしいつものことなのでノックもせず、そのまま扉を開けた。
見たら見たで謝ればいいし、ぶーぶー文句を言われるだろうが、円香も本気で怒ることはない。どちらも何度も同じことをやらかしているしお互い様だ。
薄っすらと映る、磨りガラスの人影。
シャワーが地面を跳ねる音。
やや艶めかしい声が漏れ聞こえているものの、身内に対してはなんの感情も湧き上がらない。
そんな円香にガラス越しに声を掛ける。
「置いとくぞ」
「あーい」
「いーちゃん、下着に変なことしてない?」
「するかアホっ」
「ちぇー」
なんだよ、ちぇーって。
子供か。
「いーちゃんはまだまだ子供だね」
子供じゃなくなったとしても、それは駄目な大人だ。
いつもの場所に衣類を置いて退出。
そのままリビングへ通り、キッチンへ向かう。
食パンを適当にトースターに突っ込み、冷蔵庫から卵とベーコン。パック詰めされたカット野菜を取り出す。
朝飯だし、こんな物でいいか。
朝食の準備を終えたあたりでドライヤーの音がリビングまで聞こえる。
円香が間もなく到着する知らせ。
インスタントのスープの粉にお湯を注ぎ、作ったばかりの物をテーブルに並べると、先程渡した衣服に身を包んだ円香が姿を現した。
「朝飯食うだろ?」
「うん」
食卓についた俺らは放置されたままのゲームについて語る。
操作は俺だが、キャラ育成の指針は円香が決める。
一人用のRPGだから、二人で遊ぶ時はこんな具合に役割を決めていた。
今はシナリオについて語っている。
ボスは誰になるのか、あの伏線はいつ回収されるのか。
そんな話をしているとあっという間に食べ終わり、並んで食器を片付ける。
俺が洗って、円香が拭き上げる。
小学生から続いた習慣。
慣れたものだと思う。
「いーちゃんは通学どうする?」
「俺は電車だよ」
自転車でも通える距離。
自身のエネルギーを無駄に使いたくない、省エネを心がけている俺は勿論電車。
出来るなら動きたくないのである。
「じゃあ私も電車にしよっかな」
「起こしに行かないぞ」
「ばれてら」
えへへと笑って誤魔化そうとする幼馴染の尻を叩く。
ひゃんっとわざとらしく驚き、不満を垂れる。
尻を叩いたことではない。
「いいじゃん、私が朝弱いの知ってるのいーちゃんだけだし」
「いい加減自立しろっての」
「えー、やだよー。いーちゃんが居ないと私なにも出来ないし」
「ったく、嫌だ嫌だ」
実際問題、俺が居る時は起こさないといつまでも眠る気概を見せる。
料理をしようものならフライパンまで焦がす。
方向音痴だし、見てないと心配になる。
「でも面倒見てくれるんだよね?」
疑わない眼差しが俺を射抜く。
ため息を一つ溢す。
「おばさんにも円香のこと頼まれてるからな」
「嫌だ嫌だと言いながら、いーちゃんは優しいよねぇ」
「困った妹だからな」
「それは減点」
昔から親同士の仲が良かったわけではない。
たまたま俺と円香が同じ年に生まれて、いつの間にか遊ぶようになった円香と俺。
公園や俺の家、円香の家とそれぞれの親が迎えに来ることになり、それから親同士が交流をし始めた。
幼稚園に通うようになった僕ら。
ただ円香の両親が忙しい人で、うちの家で預かることが増え、毎日のように顔を合わせていた。
本当に兄妹のように育ってきたから、今もこんな関係が続いている。
俺ら両親がどちらもずっと家にいるようなタイプだったら、今頃世の中の幼馴染と一緒で完全な他人に戻っていたかもしれない。
「瞳さんはいつ帰ってくるの?」
「来月の頭だったかな」
「忙しそうだねぇ」
うちの母親も俺が大きくなる頃に再就職して、忙しそうにしている。
どちらの親も俺たちを信用すぎだと思う。
「さてと、いーちゃん」
円香は濡れた手を拭いながら、俺を見つめる。
やや真剣な表情。
「ん?」
「冒険に行きますか」
「あいよ」
二つ返事で円香と一緒に自分の部屋へと戻った。
※
春休みの間はゲームに時間を費やした。
円香もほとんどうちに泊まり、本来の自宅に帰ったのは入学式の二日前。
美容室とか色々用事があるらしい。
そういえば地毛の色の部分が増えていたな。
女の子は大変だなーと他人事のように思う。
と言っても夕飯は毎日一緒だったから顔を会わせない日はなかった。
そして入学式。
どのクラスに配属されるのか校門を潜り、ちょっとした広場に張り出される掲示板を眺める。
円香は母親と来るらしい。
俺も一緒に行かないかと、円香のお母さんに言われたが、ちょっとした理由で学校では他人を貫きたいこともあり別行動を取っている。
AクラスからBクラス。
Cクラスに俺の名前を見つける。
そこそこ珍しい名字だしクラスの最初のほうさえ見ればすぐにわかるから正直助かる。
さっさと目的の教室へ向かうことにした。
一年生は校舎の四階。
学年が上がるごとに下の階となり楽になるというシステム。
階段を登りきる頃には疲れて、帰りたくなっていた。
運動はそこそこ出来る自信はあるが、俺は体力がない。
「立花さんよろしくっ」
と、ガヤガヤとする教室の前。
Cクラスの前には人だかりが出来ていた。
どうやら円香と同じクラスになってしまったらしい。
少し憂鬱。
円香のことは嫌いじゃないし、妹のように可愛がっているが。
彼女のことでとやかく言われるのは嫌だ。
塞がったかさぶたが剥がれて、じくじく痛む。
円香自身、恋愛に興味がないと言っている。
身内の贔屓目で見ても整った容姿のせいで周りに人が群がる。
妬みと嫉みだけの視線だったらいいのだが、それだけで留まらないのは俺は知っている。人間関係が煩わしいと、円香だけじゃなくてその他大勢とも出来るだけ距離を取る。
それはあの日から覚えた教訓の一つ。
人混みを割って入り、廊下側の一番前。
用意された席に座り、買ったばかりで固いカバンをフックに引っ掛ける。
新しい環境の交友関係の構築は、学校で用意された自己紹介の前から始まっていて、朝見た時からずっと円香の周りは人で溢れている。
同じ女子生徒から男子まで。
机に頬杖をつきながら様子を見ていると円香と目が合う。
にへっとだらしない顔で笑う。
ったく、後で注意しよう。
テンプレートそのままの入学式が終わり、担任の挨拶と軽い自己紹介。
「出席番号一番から順番に。出身校と名前、やりたい部活動なんか言ってくれたら良い」
担任が号令を出したので、素直に立ち上がる。
「宗像中学出身、藍浦伊月です。中学からずっと帰宅部をしていました。今回も帰宅部を貫こうとおもいます。どうぞ、よろしくお願いします」
教師が残してくれたテンプレのまま、無難に挨拶を済ませる。
クラスメイトのわ行が終わり、隣と後に座るクラスメイトとはほどほどの関係値を作り上げる。
一人でいたいがクラスで浮きたいわけじゃない。
普通でいることが一番の防衛策。
入学式とホームルームと簡単な初日。
知り合ったばかりのクラスメイトと軽い挨拶を交わして教室を出る。
放課後になっても人が離れていかない円香を尻目に下校した。
入学してから暫く経過。
完全にコミュニティは出来上がっていた。
相変わらず俺はその他大勢の位置にいるし、円香はカーストトップのグループに落ち着いていた。学年でも目立つグループで華やかさが格段に他のグループと一線を画す。
かと言って円香は誰に対しても変わらない対応をしており、クラスだけではなく学年全体に彼女の存在を知らしめた。
裏表のない人格者。
飾らない態度。
容姿端麗で天真爛漫。
成績はそこそこ、運動神経も多分そこそこ。
一ヶ月も経つ事なく円香は一年で一番有名な生徒になった。
学校のアイドルと物語で定番の立ち位置が存在するならば彼女のことかもしれない。言葉に出さないだけでみんなそう思っているのだろう。
入学してからの俺と円香の交流は少しずつ減る。
新しく出来たグループの交流があるらしく、放課後も円香はうちの家に来ることも少なくなっていた。夕飯も外食する連絡があり、準備するのは俺の分だけ。
そんな日が続いたある日。
金曜日の放課後、明日からの休みに浮かれてつつも自宅に帰り、アップデートされたばかりのオンラインゲームに没入していると。
「いーちゃんっ!」
破壊でもする気かという轟音。
思い切り扉が開き、大声で呼ぶ幼馴染に驚いて腰を浮かした。
イヤホンをしていたため、玄関が開く音が一切聞こえなかった。
「なんだよ。静かに入れよ」
いや、まじで心臓止まるかと思った。
「なんだよってなんだよー。夕飯食べに来ただけじゃんかぁ」
「あー……」
床に投げ出していたスマホを見るとランプが点滅していた。
電源ボタンを押して表示されたままになっているポップアップをタッチすると、すぐにアプリが起動し円香から届いているメッセージが映す。
『今日は夕飯そっちで食べるからね、美味しいのよろしく』
毎日のように外食だったから、今日の連絡もそういうことなのだろうと勝手に想像していた。
「あぁ、悪い。見てなかった。お金渡すから外で食べてきて」
「えー、やだよ。今日こそいーちゃんのご飯食べたい」
「今日も同級生と遊びに行ってるもんだと思ってたから、つい」
「んー」
子供のようなふくれっ面。
「つっても、有り合わせでしか作れないぞ」
「やった」
俺が適当に料理をしている間に円香はシャワーを浴びると言い、部屋から着替えを持ち出して出ていく。
簡単な炒めものにするとして。
明日、買い出しに出かける予定だったからほとんど冷蔵庫の中は空。こういう時に便利なのが冷凍食品である。
足りない一品をこれで誤魔化すことにした。
テーブルに並べておけば勝手に食べるだろうと、ゲームの続きをするために部屋へと戻る。
レベル上げにダンジョンに篭っていると、円香が忍び込むようにして部屋に入ってきた。
相変わらず無防備でだらしない姿。
人のTシャツを一枚羽織っただけの格好。
サイズ変わらないしな。
ちょっと悲しい。
寝ていたからパンツを見せても大丈夫というわけではなく、普段から俺に見られてもなんとも思わないのが円香。
いや、まぁ。
今更色気を感じるとかも俺も思わないし、俺も円香の前ならパンイチでいることも平気で、お互いがお互いを意識しない。
どっちも家族みたいなものだという共通認識。
でも、高校になってからこれはどうなんだろうなって思わなくもない。
いつまで幼馴染で居られるのか。
恋愛に興味ないと言っていた円香もこの三年間で変わるかもしれない。
「いーちゃん」
俺の考えを知ってか知らずか、円香は声のトーンを落とす。
「なんだよ」
「正座」
腕を組み、そこそこある胸を押し上げる。
仁王立ちのまま俺を見下ろす。
「態度でかいなこいつ」
「聞こえてるよっ!?」
わざわざ近づいてきて、ぽかぽかと背中を叩いてくる円香を無視しながらレベル上げを続ける。
「いーちゃん。私は怒っています」
「連絡に気づかなかったのは悪かったって」
「違います。というか、私と話してるんだからこっちみろ」
渋々、編成されたパーティーメンバーに謝罪して、ダンジョンから退出してから円香を見る。
膨れっ面で明らかに怒ってますよというアピールを欠かさない。
今日中にカンストさせたかったのに。
「このゲーム一緒にやるって約束したでしょ」
「あぁ、したな」
円香もこのゲームのアップデートを楽しみにしていた。
「……あれ?」
「どうした?」
「一瞬、私がおかしいのかと思ったけれど。違うよね? 約束したのに勝手にプレイしたの?」
「いや、お前いつ来るかわからなかったし」
なんならオンラインゲーム。
家にまで来る必要はない、あっちはあっちでシナリオ進めればいいと思っていた。
それに約束はしたが、いつ来るとはわからない相手のためにずっと待ってられるほど俺はお人好しじゃない。なんなら割と効率厨なので、一緒にプレイしていたスマホのゲームのレベル差がここ数日でかなりついてしまったのでフレンドから消して、新たに同じレベル帯でログイン率の高いフレンドを追加していたりする。
酷い?
そうかもしれない。
「私、楽しみにしてたんだけど」
「あぁ、だから家に帰って進めればいいよ」
「……違うじゃん。そうじゃないじゃん」
「一緒にやりたかったのか?」
「最初からそういう約束っ」
「いやぁ、でもなぁ。俺だって楽しみにしてたんだぞこれ」
「私だって色々あるんだもん。新しい環境で知らない人たちのとの関係値作り上げていた訳だし、ここで放置すると今年一年間どうなるかわかんないもん」
まぁ、俺が切り捨てて、円香が拾い続ける物。
煩わしいからと簡単に切り捨てるには、普通の女の子なら怖いものがあるだろう。
それに学校で見た通り人気がある。
目立つだけで、浮いてしまう。
一人でいるのはいい。でも、一人にされるのは駄目だ。
目立つということは良くも悪くも注目を浴びる。
標的にされやすいのだ。
今までは俺という存在がある種の緩衝材になっていた。
立花円香の幼馴染が邪魔。
俺たちとは付き合えないのに、という理不尽な理由。理不尽でも理由は理由、俺という普通の存在と円香という存在が不釣り合いだからこそ成り立つ理由。
実際に中学一年生までは円香はいーちゃん、いーちゃんと女の子同士で絡むことなく、俺の後ろをついてきていた。
その理不尽に真実味を持たせていた。
交際しているんじゃないかと噂されたりもした。
俺が加害者になることで、円香が被害者にある。
女子たちも被害者には優しくするからこそ、嫉妬は鳴りを潜める形になっていたのは俺は知っている。
共通の敵がいることで、あいつらは一致団結したのだ。
美少女も地に落ちれば可哀想な人。
可哀想な人に優しくする私って素敵。とか、考えていそう。
誰もがヒロインに憧れる。
醜い争いは醜い物同士でやってほしい。
見たくないもの見ないようにするには、近寄らないのが一番。
臭いものに蓋をする。
それが有効。
そんな上辺だけの人間関係に疲れたから、俺は学校で円香とは距離をあけている。一方的に円香を拒絶した。
円香も賢い、そして優しい。
気づいているのに何も言わない。
それに対して俺を責めることもしない。
俺は円香に罪悪感を覚え、また円香も俺に罪悪感を覚えている。
それが今の僕らの関係。
幼馴染モノが書きたくなって書きました。
王道いいよね、王道。
序盤はぐいぐい来るわけでもなく、スローペースで。
タイトルは実際まだ決まってません。
変更する可能性があります。
ゆっくりマイペースに書いていきますので、読んでくださる方がいれば期待せずにお待ち下さい。