変わりゆくことは失うことじゃない
前章で触れた、新しい世界を紡ぎ出すきっかけを無くした頃、私の執筆活動も一度止まりかけました。
一度ほぼ確立した手法をまた1から考えていくと同時に、キャラクターとのシンクロ(気持ちの同化)のツールとして楽曲を使うこと、自分の好きな音であるという条件が全て揃うか?
ここまでサブカルチャーの話題を書いてきて意外に思われるかもしれませんが、中学生時代から中島みゆきさんの大ファンでもある私。
歌詞も曲も大好き。ただ、うちのヒロインたちに当てはめるには、少し大人びてしまうか?(当時、ムーンライトに投稿していた作品の中には中島さんの曲をイメージしたものもありました。大人の恋愛話ですからね)
いろいろなアーティストさんの曲を試してみましたが、この人の曲なら安心して預けられる……というものがなかなか見つかりませんでした。
この頃には、アニメーションといっても、最近のような深夜番組が多くなり、いろいろなものを録画しては……の繰り返しをしていたと思います。
そんなとき、「D.C.S.S. 〜ダ・カーポ セカンドシーズン〜」(2005年)のED「暁に咲く詩」を聞いたときに、久しぶりに「これだっ」というインスピレーションが動きました。
それが、今も続いているCooRieのrinoさんとの出会いでした。
岡崎さんと同じように、シンガーソングライターとしていろいろな方に曲を提供しながら、ご自分名義でも歌い手として活動している。そして、決め手は恋愛がらみの曲が多いこととアコースティックの楽曲が多いことでした。
とにかく、その当時に手に入る曲を片っ端から集めて聞いてみると、この曲たちならまたやれる。それどころか、新しい世界観も作れるというイメージが湧き始めたんです。
rinoさんのアコースティックライブも年に一度定期的に行われていたことから、そちらにも数年間連続で通い、ライブの時間でストーリーを思いついて一気に書き上げた作品すらあったほど、効果は特効薬のようでした。(以前に活動報告でも取り上げたアコースティックライブというのはこちらです)