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気持ち表現の勉強と4月の雪


 前章の林原さんに導かれるように、次に見たのが「魔法のプリンセス ミンキーモモ」(1991年~。1982年に第1期・通称『空モモ』があるためこの時は第2期でありこちらは『海モモ』と呼ばれます)。


 総監督は湯山邦彦さん、原案・構成は首藤剛志さんの「コミック原作がない」作品ですが、名前だけからすると、いわゆる女の子向けの「魔女っ娘アニメ」です(実際にメインターゲットはそちらです)。ところが、どうもそれだけじゃない。大人になったから今だから気づく隠されていた意図に唸ることもいまだにあります。


 さて、この『海モモ』放送全62話では、合わせて4曲のOP/EDがありました。また、湯山さん首藤さんの試みで、30分をキャラソンで埋めるミュージカルのように構成された回もあり、もうOP/EDだけでなく、キャラソンまで受け入れていた自分の中に、なにか触れるものを感じたのです……。


 あれ……? なにか一貫しているものがある?


 林原さんと同じく、この時期に小森まなみさんのラジオと歌の世界に頭の上まで浸かっていた私(当時高校生)。お二人のCDブックレットで『海モモ』に関する曲のページを開いたとき……。作詞または作曲、バックコーラスが4曲とも同じ方であると気づきました。



 岡崎律子さん、実はご自分のCDはその当時はまだ出していらっしゃいませんでした。



 岡崎さん自らの初声色とご対面したのは、この『海モモ』のドラマCD「雪がやんだら…」の中に収録されていた「4月の雪」「Ma Mémoire~さよならはまだ言えない~」という2曲。これを聞いたときに衝撃を受けたのです。


 どちらかと言ってみれば元気や勇気を表面に押し出した力強い曲、同時にプラスチッキーな曲も多い中で、なんなのだろう、この鍵盤楽器を中心としたアコーステックなメロディをアニメの世界に被せてこられた新しい感覚。

 なんと表現したらいいのかわからなかったのを覚えています。ユーロ圏の音楽のような…、ジャズのような音色使い。これはもう「アニソン」というものではない……。


(いろいろ調べていくと、1991年に発売された「1月にはChristmas」というOVA(TV放送用ではなく、パッケージ発売用のアニメ作品)の中で、主題歌「冬のないカレンダー」を歌われていた岡崎さんの事を林原さんが「こういう歌をもっと増やそう!」と当時のディレクターさんに持ちかけたということを当時の放送で話しています)


 その後、ご自身のアルバムも発売され、また前述した林原さん、小森さんへの多数の楽曲を提供していました。


 特に、作詞:小森まなみさん・作曲&コーラス:岡崎律子さんというタッグは、「君に逢えてボクはボクになる」「Holy Eyes 君の夢はぼくの夢」など、ご本人がライブで歌唱中に泣き出してしまうほどの名曲を生んでいます。


 この「雪がやんだら…」は10歳と18歳(ストーリー上、大人に変身した)モモの恋物語であり、よく、いわゆる「魔法少女アニメ」のCDドラマのテーマとして選択したなと思いました。(首藤さんが「実験作だった」と後に書いておられています)


 また提供曲だけでなくご自身の曲の中にも、……誰かを愛することの素敵さ/現実の中で夢を見てもいいこと/生きていく意味と大切さ/時には立ち止まって悩んでもいいんだよ……こんなメッセージが非常に生々しく・繊細に表現されていたのです。


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