モテる男
ボケ「俺、自分から女子に告白したこと無いんだよね」
ツッコミ「何で? 好きな子いるなら自分から告白すればいいじゃん。小心者なの?」
ボケ「違うよ。モテるからだよ。俺は常に女子から告白される側なの。この間も二人立て続けに告白されたんだよね」
ツッコミ「で、二股ばれて告発されたの?」
ボケ「二股しないし、告発もされてない。ただ告白されるだけ! でも駄目なのは知ってるけど、二股とか三股とか猫又とか、男のロマンだよね」
ツッコミ「ん? 物の怪混じったぞ」
ボケ「俺、自分で言うのもなんだけど、いけてるメンズじゃん? 優しい言葉かけるとすぐ女子達しっぽ振って喜ぶからさ」
ツッコミ「しっぽ振るのは猫又だ。神社行こう。祓ってもらおう。で、いけてるメンズはスルーしよう」
ボケ「神社でデートか、悪くないな。清らかなる巫女さんの格好……足首がちらっと見える感じがいいよね」
ツッコミ「罰当たりな妄想やめとけって。連れてる女子見ずに巫女さん見てどうする! マジ物の怪に食われるから。お狐さんにも一緒の女子にも怒られるから」
ボケ「お前さっきから何言ってんの? 幻覚か? 頭大丈夫か?」
ツッコミ「えっ!? 何で俺、心配されてんの? 俺がおかしいの?」
ボケ「いや、だってお前。さっきから猫又だとか、物の怪だとか、お狐さんだとか……取り憑かれたみたいなことばっかり言ってるからさぁ。あっ、俺ちょうどいいの持ってるんだ。ちょっと待てよ……あった! ほれ」
ツッコミ「は? 絆創膏? どこも怪我してねぇーよ……ってなんだこれ? なんか文字書いてあるし……悪、霊、退、……散?」
ボケ「これ、今、特許申請中の、お札兼絆創膏。俺が考えて作ったんだ。凄いだろ? このお札、絆創膏の粘着力でちゃんと肌にくっつくし、しかも傷口からの細菌と体に悪いものの侵入を防ぐんだ。お札貼るためのご飯粒も持ち歩かなくて済むんだぜ」
ツッコミ「おぉ。ツッコミたいことわんさか有るけど、ツッコミしきれるかな……」
ボケ「だろ? こんな利点だらけの商品、なかなか無いよな! 俺、これ使い始めてから、体重三キロ落ちたんだ。きっと体に悪いものが出て行って、その分の重さが減ったんだよ」
ツッコミ「取り憑かれてたの? 何に? そいつ体重三キロもあるの? いやいや、普通はむしろ逆だろ? 取り憑かれたらやつれて体重落ちるんだって」
ボケ「あぁー、早く特許おりないかなぁー」
ツッコミ「どう考えても無理だろ。特許庁の職員の仕事を無駄に増やすなよ。今のご時世、残業に世間の目は厳しいんだぞ」
ボケ「きっと特許庁の中ではこの商品で話題騒然だろうなぁ……。問い合わせの電話びしばしかかってきたら、俺、どうしよう?」
ツッコミ「かかってこねぇーよ。安心しろ。ってか、そもそもよくそのふざけた商品、申請受け付けてもらえたよな?」
ボケ「あぁ。こないだ俺に告白した子、特許庁職員の娘だったから」
ツッコミ「親のコネ! しかも女子の!」
ボケ「俺とその子、二人は出会ってしまう運命だったのかもしれない。このお札兼絆創膏を世に広めるために」
ツッコミ「はいはい、運命な。そういうことにしとこう。で、ご飯粒、持ち歩いてたことあんのかよ?」
ボケ「え? 普通持ち歩くだろ、ご飯粒」
ツッコミ「何のために?」
ボケ「接着剤にもなれば非常食にもなる。たとえポイ捨てしても、自然由来だから環境破壊には繋がらない」
ツッコミ「だんだんスケールでかくなってきたな」
ボケ「いいか、ご飯粒が世界を救うんだ!」
ツッコミ「そっかー。お前はご飯粒に救われてんのな」
ボケ「ご飯粒を馬鹿にしちゃいけないぞ。ご飯粒の一粒一粒には婆ちゃんが宿ってるんだ」
ツッコミ「神様じゃなくて? 何で婆ちゃん。お前の婆ちゃんなら去年死んだろ?」
ボケ「そうだよ。俺の婆ちゃん、俺のこと大好きだったからさ。毎朝話し掛けるとご飯粒持ってけって言って、ご飯粒を俺にくれるんだ」
ツッコミ「仏壇のお供えのご飯だな」
ボケ「毎日新しいご飯来るからって、婆ちゃんいつも俺にご飯粒をくれるんだぜ」
ツッコミ「前日のご飯じゃん。しかも常温の。非常食にしたら腹下すだろ。しかもなんでご飯粒? どうせ貰うならご飯まるごと貰っとけ」
ボケ「婆ちゃんが百八粒だけって煩いんだ」
ツッコミ「そりゃ煩悩だ。お前が巫女さんをやらしい目で見ようとするからだろ」
ボケ「婆ちゃんは凄いんだぞ。前に便秘でお腹苦しかった時も、婆ちゃんのくれたご飯粒で治ったんだ」
ツッコミ「ただ腹が下ったんだよ。だからさ、古いご飯粒を食べるのはよくないし、お札兼絆創膏があればご飯粒要らないんだろ?」
ボケ「でも、婆ちゃんがご飯粒持ってけって……。ちゃんと言うこと聞かないと婆ちゃんが祟るって……」
ツッコミ「やっぱ取り憑かれてんじゃねーか」
ボケ「だからこれ!(←お札兼絆創膏)」
ツッコミ「効果無いじゃん」
ボケ「だから神社行こう?」
ツッコミ「結局行くんかい! もーえーわー」
二人「有り難うございました」