第1話〜1985年〜
自分は今、御巣鷹の尾根に向かおうとしていた。彼の名前は小野佳佑、自分はもう50を過ぎ、もうすぐで55だ。歳の老いも感じていたが、そう言っておらず準備を整え、家を出て車に乗ろうとした時だった。隣に妹の咲良がいた。しかし、妹がいるはずもない。だって、妹は34年前の夏に…
〜1985年8月11日朝〜
咲良「もうお兄ちゃん、ちゃんとトイレの水流してよー」
佳佑「あぁ、悪い、最近水の流れが悪いのかな」
咲良「知らないわよ、あっそうだ」
咲良は、両親の仏壇の前に座った。両親は2年前に交通事故で他界しており、佳佑が男でひとつで育てたものだ。咲良は仏壇に手を合わせ
咲良「明日から大阪のおばあちゃんの家に行ってきます」
佳佑は笑顔で様子を見ていた。咲良が振り向き
咲良「お、お兄ちゃん、なに?」
佳佑「ううん、ちゃんとチケットを持ったか?」
咲良「あっ、忘れてたー」
急いで2階に駆け上がる咲良、佳佑は心の底で(ドジだな)そう思っていた。佳佑は2階に向かって、大きな声で
佳佑「おーい咲良、8時半過ぎてるぞー」
階段を叩き降りる音が響く
咲良「嘘でしょ!行かなきゃ行かなきゃ」
佳佑「塾は何時までだ?」
咲良「えっと確かね、昼の11時まで、そのあと佳純ちゃんと映画見たり、泊まったりして、カバン取りに帰る、そしたらそのまま直行」
佳佑「そうか、気をつけろよ」
咲良「はーい!」
咲良は、慌てて家を出ていった。自分はいつもは証券会社に勤務しており、今日と明日は有給を取っていて休みだった。日頃の疲れもあり、その間はぐっすりと寝ていた。その頃咲良は、塾に熱心だった。それもそうだ、東京大学の受験を控えていたからだ。東京大学には絶対に入りたいその一心で今受けている。
教師「いいか、この方程式4番の問題。XとYの規模的は方程式そして、4×Xをしてどうしてこのような問題になるのかを今回の宿題兼レポートにし、提出すること、数学は以上だ」
丁度、塾のチャイムが鳴った。部屋を出ると、すぐに園山佳純が近づいてきて
園山「ねぇね?、今日の問題どうだった?」
咲良「うーん、まぁまぁかな、あんまり難しくなかったけど?」
園山「こっちの先生は酷すぎる」
咲良「佳純確か、国語だっけ?」
園山「そうなの、でもね、何故だか歴史の話になっちゃってさ、私歴史苦手なのよね」
咲良「そうなの?、私は得意だけどな」
園山「ねぇ咲良、お願い!歴史教えて!実はね、レポートに歴史が出てさ」
咲良「国語の授業でなんで歴史が?」
園山「だって、紫式部と清少納言の人物及び、魅力を5種類を上げなさいってさ」
咲良「何それひどすぎない?」
園山「しょうがないでしょ、レポート出ちゃったんだから」
咲良「わかった、映画見る前にカフェ寄ろう?」
園山が大きく頷く、その後2人は映画を見て、園山の家に向かった。