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「………これは、どういう?」


突っ込み満載ですよ?

祭司長様⁇


「いいよ。リラックスしてくれて。」


「意味がわかりませんが。」


「フィリィーはかたくなだなぁ。」

ははっと軽く笑われました。


「本当は転位ですぐに移動も出来たんだけどね?」


はい⁉︎?


力を抜いた途端、ぐるりと視界が反転ー


なぜか私は祭司長様に膝枕をされています。


もう突っ込むのも疲れてきましたよ?


優しく額を髪を撫でられます。

私の生粋の混じり気のない黄金きんのストレート。

黄金混じりの蒼い瞳。


派手だ派手だと、王子の取り巻き達に言われておりました。


王子は栗茶の髪です。

王と王妃譲りの白皙の美貌。一見冷たい感じですが

笑うと少年ぽさの残る、子供の様な無邪気な笑顔をしてらしたわね。


好きでも嫌いでもないけど、幼少の出会った頃を思い出し柄にもなく鼻がツンとしてきました。


自尊心が強く横柄で好奇心旺盛で俺様でしたが、

単純で素直で思い込みが激しくて……為政者としては、終わってるんじゃ、ないかしら⁇


そんな事を思いながら、浸っていると祭司長様の

長い指が私の目元を掬います。


「気に入らないな。」


「私以外を思って涙するなんて。」


「⁉︎」


冷たい瞳をされています。

透明度を増した様な紫に、段々と近付くお顔。


目を瞑るなんて事出来ません。

あまりにも濃い、捉えて離さない眼差しなんですもの。

「っ。」

小さく悲鳴をあげる事は許して下さい。


祭司長様に本気で睨まれてしまったら…抗うどころか、絡み取られてしまうでしょう。


冷えた眼差しと、瞬きさえ出来ない私の瞳が

お互いを捉えて


ひやりと冷たい口付けをされました。


甘く、ありませんわ。


私だって経験がないながらもファーストキスは…と

思い描いていましたもの。


「っ。」


本格的に鼻がツンツン致します。


ぽろぽろと粒になった涙が溢れて流れてきますわ。


私を断罪するかの様に馬車の座席に組み敷かれての

有無を言わさない口付け。


王子に婚約破棄された女にしては十分な扱いということでしょうか。


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