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ドッチボール事件

残暑が残る9月の中ごろ。

まばゆい太陽が地を照らし気温もこの日34℃を記録していた。

「今日も暑いよー。」

「次体育だけど日焼け絶対やばいよねー。」

「私日焼け止め持ってきたかなぁ?」

女の子たちが教室で話をしている横で、

「今日の体育ドッジボールだよなー。」

「早くいこうぜー。」

男の子たちが教室から勢いよく走り去ってゆく。

真輔もほかの男の子といっしょに走って行った。

真輔が通っている小学校は全校生徒700人、1学年30人4クラスの大所帯である。

にもかかわらずグラウンドがとても狭くいつも休み時間は場所の取り合いになるほどの狭さである。

そして体育の授業。

5-2のみんなで体操をしたあと真輔の担任理恵先生が、

「今日はみんなでドッジボールをしましょう。みんな散らばってー。」

みんなが散らばりドッジボールが始まるとみんなが楽しそうにやっている。

授業が始まり30分後・・・

"ドーン"

誰かが当たった音が・・・そのとき

「おいーなに本気で当てに行ってるんだよー。」

「女子に本気はないわー。」

真輔が雄世に投げたはずのボールがなんと抜けてしまって美和にあたってしまった。

「うわっごめん大丈夫?。」

「う・・・うん・・・。」

とはいうものの美和はかなり痛そうな顔を浮かべた。

そして真輔に対して冷たい視線が飛んでゆく。

体育の授業が終わり休み時間になると真輔に対して

「なんで女子に本気で投げてんの?」

「馬鹿じゃないの?」

「空気読めよ」

みんなからのバッシングが真輔に一気に降りかかった。

真輔はそのバッシングに耐えきれず、

「うるせぇんだよ!別に狙ったわけじゃねぇし、避けることできただろ?」

真輔の逆ギレに和哉が、

「お前逆ギレはないだろ?当てたことは事実なんやし。」

「わかっとるわ!そやけど避けることぐらいやれよ。」

その一言に智司がキレた。

「お前が当てたんだろ!いちいち文句言うなよ!別に怒ることねぇだろ!お前マジでうぜぇんだよ。」

「てめぇ誰に向かってうぜぇとか言ってんだー!!!!!」

と叫びながら真輔が智司に殴り掛かった。

そこから二人の喧嘩が始まり和哉たちが

「おいおいやめろ二人とも。」

「うるせぇー!てめぇは黙ってろ!」

もう収集がつかなくなったところに理恵先生が飛び込んできた。

「ちょっとあなたたちなにやってんの!!やめなさい!」

ようやく収まった時にはなぜか智司だけ顔が腫れあがっているのに真輔は無傷。

そう智司は1発も殴らずに一方的に真輔が殴っていただけだった。

そんなことは気にもせず理恵先生が二人を会議室へ呼び出し事情聴取が行われた。

「あんたたちはどうしていつもこうやって喧嘩ばかりするの?」

「だって・・・。」

「だって・・・。」

会議室が沈黙のなかチャイムが鳴り響く。

「もう今度から喧嘩したらお母さんかお父さんに来てもらって話してもらいますからね。」

「はぁ~い。」

「・・・。」

そんなこんなで"ドッジボール事件"は終わりを迎えた。

と思われていたのだが真輔が学校から帰るとみゆきが玄関で仁王立ちしている。

「あんた智司君殴ったらしいなぁ。智司君のお母さんから聞いたで?」

「あいつが全部悪いんだよ。」

「あんたが殴ったんやからあんたが悪いの。わかる?」

その一言にまた真輔が

「お前も俺の敵か?あぁ?親のくせに子供の味方もできねえのか?!」

と叫びながら"パチーン"母さんに対してビンタを浴びせ部屋へと逃げて行った。

みゆきはその場に崩れ落ち

「何でこんな子に・・・。」

と涙をこぼしながらゆっくりキッチンへと戻って行った。

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