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夢の中で……
暗い、果てしない闇が広がっている。否。黒だけがあった。すべてが黒に染まっていた。他の色など、何もない。黒だけ。すべての色が混じった、黒だけ。その真っ黒に塗りつぶされた紙の上を、その紙と同じように真っ黒な長い髪を揺らし、彼女が歩いていた。彼女？ 俺は彼女を知っている……。
「やめろっ！！ そんなことをしてどうなるというのだ！」
彼女は叫ぶ。
「そんな無茶な願いはするな！！ 何を代償にしても、叶わぬ願いだっ」
彼女は切に願う。だが、その願いは届かない。
「悪魔に負ければ、魔王になってしまうかもしれないのだぞ！！」
彼女の制止を振り切って、俺は……、俺は……
