友達だよ・・・
サブレ君の見た目は頭が鳩、体がサブレというなんとも奇妙なものになってしまった。
そしてあれから数日間、サブレ君は袋に閉じこもってしまった。
私は何度も謝ったが、サブレ君は「ほっといてください」
と言うだけで全く袋から出ようとしなかった。
「ごめんなさい、私がおかしなおまじない勧めたから・・・」
サブレ君は返事をしてくれない。
悲しい。
悔しい。
涙が出てきた。
「・・・うっ・・うっ・・・」
「・・・何故泣くのですか。」
今まで黙っていたサブレ君が口を開いた。
「だって悲しいから・・・。サブレ君を元の姿にしてあげようとした・・・けれどうまくいかなくて・・・」
「どうして私の為に泣くのですか。・・・それにずっとわからなかったのですがどうしてあなたはそこまで私の為に尽くしてくれるのですか」
「それは」
私はサブレ君の顔をしっかり見ながら言った。
「サブレ君が・・私の大切な友達だからだよ」
サブレ君が袋の中でとても驚いた顔をしたような気がした。
「友達?」
私は怒鳴るようにいった。
「そう、友達だよ・・・駄目かな?」
「いいえ・・・すごく嬉しいです」
サブレ君は袋から出た。涙を流していた。
・・ってやばい!サブレ君がしける!
私はドライヤーをサブレ君に吹きかけた。
その後サブレ君はまたパサパサになってしまい、そしてまたしばらく袋の中に引きこもったのは言うまでもない。
更新遅くなりました。夏ばてとか、修学旅行とかいろいろあって・・・