ごめんなさい・・・
「サブレ君ー 私、今日神社にサブレ君が元の姿に戻れるよう、お参りしてきたよ。お守りも買うてきた。」
あれから私でも読めそうなおまじないの本に書いてある呪いの解き方をいくつか試してみたが、どれも効果がなかった。
なので家の近くの有名な神社に行ってきた。
「で、どうすればいいのですか。」
「祈ればいいんじゃない。」
サブレ君の体にお守りをかけた。
「ん・・・これをかけるとなんか思い出します。」
サブレ君は一分ほど動かなかった。
「ん・・・・。私はあの出来事の数日前、友達の鳩の餌を横取りしました。」
私は呆れた。
「横取りって・・・そんなことしちゃだめだよ。その子は今どうしてるの?」
「元気だと思いますよ。でももしかしたら生霊となって私を呪っているのかもしれません。」
「謝ろうよ」
「わかっています。でも・・・こんな姿見せられません。だから今ここで懺悔します。」
サブレ君はなにやら小さい声でぶつぶつ言い始めた。
耳をそばだてて聞いてみるとこんなことを言っていた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんな」
おいおい、そんなにごめんなさいを連発してもと思いながらサブレ君を見ていた。
サブレ君の口から、なにやら青い煙が出てきた。
どきどきしながら見守っているとその煙は天井まで登っていてやがて鳩の形になった。
「こちらこそ・・・ひどいこといってごめんなさい」
煙の鳩がつぶやいた。
煙は消えていった。
「許してもらえたみたいだね。」
私は煙があったところを見つめながら言った。
「え・・・ええ・・・。」
サブレ君の返答が何か苦しそうだったので不思議に思いサブレ君の顔を見た。
「キャーーーーーーーーー!!!!!!!!」
私は悲鳴を上げた。
サブレ君の胴体の部分はさっきと変わらないのに頭だけ白い鳩の頭になっていたのだ。
コメディのつもりがホラーになってしまいました・・・。