鳩・・・預かって
ある日、私の通う高校の昼休み、私が机につっぷしてうたた寝していると、突然上から声をかけられた。
「リカちゃん・・・。」
「何?どうしたの。」
私は顔を上げた。
「頼みがあるんだけど。」
目の前に立っていた相手はクラスメイトの青木雫だった。小柄でいつもボソボソとした声でしゃべる、目立たない子だった。
「頼み?どんな事なの。」
「リカちゃん、鳩を飼ってるって言ってたよね。」
「・・・・あ・・・うん。」
数日前、クラスで友達数人と「何のペットを飼っているか」という話題になった。
「私、犬を二匹飼ってる!」
「私はハムスター。ちっちゃくてかわいいよ。」
そして「リカは何飼ってるの?」と聞かれたとき、ペットを飼ってなく、一瞬言葉に詰まった私はサブレ君の事を思い出し、とっさに「鳩を飼ってるよ」と答えてしまった。
「へええ。鳩。」
「色白いの?」
みんなが物珍しそうに聞いてきた。
「うん・・・。」
「リカちゃん、鳩飼ってるんだね。」
さっきから黙って話を聞いていた雫が一言話した。
「私も一匹飼ってるんだ。」
「それがどうしたの?」
「あのねえ、もうすぐ冬休みでしょ。私、その間旅行に出かけることになって・・私の鳩を預かってほしいの。」
「鳩?」
本当の鳩は飼ったことが無い。でも・・・。
「うん。分かった。」
テスト勉強で長く更新していませんでした。すみません。ここから新展開です。