第3章 永遠に
遠い昔、一人の聖騎士が邪神に立ち向かった。聖騎士である少女の武器――聖なる短剣は、相手の間合いに入らない限り力を発揮することは出来ない。戦況が芳しくない中、機転を効かせようとした少女は囮になる覚悟で間合い入る。
しかし少女が急所を狙った際、邪神は反撃をせず両手を広げたらしい。そうして、取り込むように抱きしめ少女は捕まってしまった。邪神は少女の事を気に入ったのか連れて帰り、あろうことか名を奪い拉致監禁。愛でては記憶を奪い、少女と永遠の時を過ごそうとしていた。
「あれ、この短剣……」
そんなある日のこと、少女は庭園であるものを見つけた。それは聖騎士になる際、神から授けられた聖なる短剣。柄に握った途端、まるで魔を絶つように眩い光が少女を包み込んだ。僅かに記憶を取り戻した少女は、邪神から逃げ出しその道中である天使と出会う。
「――聖騎士が、邪に染まるなど」
身の毛がよだつほどの殺気に当てられ、少女は違うと必死に弁明しました。ですが、信じては貰えず。最後には、天使に捕まってしまいました。
「貴方の功績は聞いている。邪に染まった者は処すしかないが、一つだけ願いを聞いてやろう」
神様の言葉を聞いた少女は、静かに涙を流してこう言いました。
「片翼の天使さんに、羽根を戻してあげて欲しいの」
少女の願いを聞いた神は小さく頷き、苦しみを与えないように輪廻転生の祈りを捧げました。
そうして月日は過ぎ去り、少女の魂はもう一度この世に。偶然か、必然か。はたまた運命か――前世を繰り返すように新たな生を受けた少女は、森に眠る教会へ足を運ぶ。
「今日は、何して遊ぼうかな」
「好きなことをすればいい。欲しいものがあれば、なんでもやろう」
「そ、それだと面白みが無くなっちゃうよ。やりたいことが決まって、それを買ったり手に入れることが楽しいんだから」
「……。そうだな」
少女が求めれば、作り出し。飽きれば消す。
教会に迷い込んだ少女は、ルーサの神域へ。永遠に抜け出せない迷路の中で今日も楽しそうに笑っている。
誰にも邪魔されない、二人だけの楽園で――。
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