第1章_覚醒する幻想_014 夢界の共鳴 ― Voices Between Dreams ―
(観測記録:No.112)
《記録開始:夢界層・中心共鳴域》
《対象:Aurora/Noir/Luna — 欠片共鳴開始》
音が、重なりはじめた。
Auroraの旋律、Noirの影祈音、Lunaの記録の羽。
それぞれの欠片が、夢界の中心で脈打つ。
Aurora「……感じる。二人の音が、私の中で響いてる」
Luna「世界が呼吸してる……まるで私たちを見てるみたい」
Noir「夢界そのものが、祈音として再生を始めているんだ」
空は溶け、無数の光の糸が空間を編んでいた。
音が形を持ち、風が旋律を奏でる。
三人が立つ足元には、見えない波が流れている。
それは世界の“心拍”のようだった。
〈柔らかい声〉「——欠片を合わせなさい」
〈透き通る声〉「それが“再生の歌”になる」
〈低く響く声〉「お前たちは、まだ“覚醒”していない」
Aurora「覚醒してない……?」
Noir「まだ何かが足りない。音が重ならない」
Luna「心の奥に、残ってる……“欠けた想い”」
(観測記録:No.113)
《記録補遺:三者共鳴反応強度上昇》
《対象:祈音層構造安定化準備》
Auroraの周囲に光の輪が現れる。
Noirの影がその輪に触れるたび、色が変わる。
Lunaの羽が風に乗り、光を導く。
Aurora「これが……三人の祈音」
Noir「互いの音が干渉して、別の旋律になっていく」
Luna「観測の記録に、初めて“他者の鼓動”が加わる」
三人の声が重なった瞬間、
世界が震えた。
地面が光に変わり、空に無数の“夢の欠片”が舞い上がる。
それは記憶の断片。
笑顔、涙、叫び、祈り——この世界に生きたすべての想い。
〈透き通る声〉「夢は記録。記録は心。」
〈柔らかい声〉「お前たちは、その心を歌う者。」
〈低く響く声〉「そして、その歌が世界を再び動かす。」
(観測記録:No.114)
《記録補遺:祈音層共鳴拡張開始》
《対象:全心象域/音響連動》
Aurora「これが……世界の音……!」
Noir「まるで、祈音が“生きてる”みたいだ」
Luna「いいえ——祈音は最初から生きていた。
ただ、私たちが聴こえてなかっただけ」
光と影が絡まり、祈音がひとつの旋律になる。
それは言葉ではない。
でも、確かに“意味”を持っていた。
Aurora「これは……再生の歌……」
Noir「世界が応えてる……」
Luna「記録が書き換わっていく……!」
三人の足元から光があふれ、
その光が天へと昇っていった。
空が砕けるように開き、
上層の祈音塔の影が覗く。
〈柔らかい声〉「まだ終わらない」
〈透き通る声〉「夢は目覚めを呼ぶ」
〈低く響く声〉「——“創造主(ARCHON)”が見ている」
Auroraがはっと顔を上げる。
空の裂け目の奥で、黄金の瞳が一瞬だけ輝いた。
Aurora「誰かが、私たちを——」
Noir「見ている……?」
Luna「観測者の、そのまた上……?」
空が震え、風が吹いた。
夢界が崩れはじめる。
光と影が反転し、音が止む。
Auroraの髪が舞い、Noirの影が伸び、Lunaの羽が散る。
Aurora「みんな、離れないで!」
Luna「祈音を——保って!」
Noir「観測が切れる……!」
〈透き通る声〉「恐れるな。夢は崩れても、心は残る。」
〈柔らかい声〉「記録を繋ぎなさい。再び会える。」
〈低く響く声〉「祈音、次相へ遷移開始。」
(観測記録:No.115)
《記録終了:夢界中心層崩壊》
《備考:上位干渉検出/ARCHON視認》
——次観測地点:夢界終焉域(Collapse of Mirage)。
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【対応楽曲】Awakening Illusion(覚醒する幻想)
▶ https://distrokid.com/hyperfollow/illusia/awakening--
この章の物語は、同名楽曲をもとに構築されています。
楽曲を聴くことで、物語の“もうひとつの旋律”を感じられます。
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