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攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
四章:初めての戦争
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91:仔たぬきの兄弟喧嘩(園児)

本日投稿 話目

「避けるなんて卑怯だぞ!ちゃんと当たれ」

むちゃを言うなよ、純粋な子供の拳くらいなら受けてもやるがいきなり火球飛ばしてこられて当たってやれるわけねえだろ!


エパール語会話の実践訓練として工場見学をエパール語でフェデンのおっさん相手にしていたらアーミンが叫びながら火球を投げつけ突っ込んできた…


お前たちは産まれた時からエルフに力を与えて貰ってて魔法も強いんだからな、当たったらこっちは軽い火傷じゃ済まん


それにしてもこの怒り様、きっとシュナと俺の子関係だろうな


アーミンとは逆に俺に懐いてくれているルディがこないだ教えてくれたがシュナのことが好き、母親としてではなく異性としてって意味である


初恋拗らせてヤンデレショタ化までは二次元ならまだ許せるが、リアルのやンデレショタ人殺せるレベルの魔法で攻撃は容認できん


「ぶっ飛ばしてやる!」

木っ端微塵の間違いでは?感情の赴くままのお前は良いだろうが怪我人出させない、工場にも被害出さないって無理ゲーぞ!


「アーミンだめ!」

まずい!ルディが俺とアーミンの間に


遠慮なく火球をぶっ放すアーミン、駄目だ間に合わない眼の前でルディが火球に飲み込まれ


無かった、あっという間に火球が消えアーミンも戸惑っている、そのまま冷静に戻ってくれると嬉しいんだけどな、うん駄目でした


普段気の弱いルディに魔法を止められたのが気に入らなかったのか、より怒りのボルテージが上がってるのだけどルディは火球を何もなかったかの様に打ち消し続ける、ガ◯ラの火球を打ち消す親レ◯オンみたいでかっけえな…じゃなかった止めねぇと


「なんなんだよコンチクショウ!」

異様な光景だ、見た目の派手さは魔法使い同士の大バトルなんだけど、それをやっているのは見た目四・五歳の小さな子供という脳がバグりそうな景色


最初は遥か後方から俺の名前を呼んで突っ込んでくるアーミンに一緒に居たフェデンのおっさんも子供の癇癪位に思っていたのに今じゃ周りに被害が出ないように防御の結界?を張っているのだから、ガチでヤバイやつじゃん


シュナとメーベもやってきた、大事になってるやんか…あぁ工場長まで来た、助けて工場長パパ


「アーミン止めなさい!」

一瞬ピクリと動きを止めるアーミンだったが

「なんで僕だけ…ルディだって!」

いやだってルディは火球を消しているだけで攻撃らしい攻撃してねぇし、あと一人称戻ってるぞ

シュナの叫びも火に油だった様だ


「工場長危ないですって!」

品管主任のホシノさんの静止も振り切って工場長がつかつかとこっちに来る、助けてって言ったけど不味いですって!


工場長の大きな手が振りかぶりアーミンがビクッと固まってしまう


その手はふわりとアーミンの頭に降りてくしゃくしゃっとする、殴られると思っていたアーミンは放心

「お前も男の子、譲りたくない物が有って当たり前だ、男なら拳で叩きのめせ」


えええええええええええええ!止めてくれるんじゃないんかい!


「うぇ…うぇ~~~~~~~ん!だって!だって拳じゃ勝てないじゃん!あいつ…でっかいゔぉん!」

子供理論…は直感的、あながち間違ってはいないけどさ…


工場長の煽りのせいで素手の殴り合いになるかと覚悟もしたけどそうはならなかった、アーミンが工場長の脚にぎゅっとしがみついたまま泣き続けたから


「全く、この国はどうなっておるのだ!魔力の要らない武器を作っているかと思えば、尋常ではない魔力を持った子供…保育園でも会ったが、その子の種族も見たことも無い、何処まで私の常識を壊せば気が済むのかね」


やれやれといった感じで結界を切ったフェデンのおっさん、流石に申し訳ないと素直に頭を下げた

「それにしてもその子らの才能は我が国なら十年いや五十年に一度居るかどうかの逸材ぞ」

落ち着いていたルディはそう言われて照れっ照れである


「あっそうだ」

何かを思い出したルディが泣いているアーミンのところへと歩いていく、お?仲直りか


バチン!

「うわぁぁぁ~ん」

ルディが思いっきりアーミンをビンタした、更に大声で泣くアーミンこれには工場長(パパ)もびっくり

「何をするんだルディ!」

慌ててルディの手を掴んだ

「だってパパ譲れないものが有るんなら拳でって言ったもん、クレイ兄ちゃんに意地悪するアーミンなんか嫌いだもん!クレイ兄ちゃんはアーミンなんかに譲らないもん!」

ぷんぷんと怒るルディ、解るようで解らない理論だ…でも助けてくれてありがとうな


ゴチン

アーミンがルディを殴った

「う、うぅう~!」

バチン

取っ組み合いぽかぽかというぬるい音では片付かない殴り合いの喧嘩になっちゃった


「や、止めなさい!」

工場長に先程までの威厳はもう無い

「やめろって!」

俺も止めに入り二人を引き剥がす、フー、フー、と荒い獣の息遣いで互いに睨みつけて威嚇している

たぬきが獰猛という話は聞いたことは無いが元が野生生物だったことをひっさしぶりに思い出したよ


シュナは腰をかがめてアーミンを抱きしめて耳元で何かを呟いた

警戒心でピンっと立っていた獣耳はへにゃりと垂れ怒っていた目もみるみる内に涙目に


続いてこっちに来てルディも同じ様に抱きしめた

ルディの耳からも警戒心が消えていくのが解るがこっちは泣かなかった、いつものおとなしいルディに戻った感じだ


それにしてもアーミンもルディもこんなに強いとは思わなかった、特に普段おとなしいルディが殴り合いの前までは冷静に魔法を使って火球を捌いている姿は大人の魔法使いでも勝てなかったんじゃないかと思うほど


最後はちゃんと?子供の喧嘩に落ち着いたが、仔たぬきズには魔力封じの腕輪の応用品で魔法を(年相応まで)弱める腕輪を着けることになった


俺としてはちゃんと話し合いの場をアーミンと持ちたがったが、シュナは大丈夫と言って話し合いの場は設けられなかった、一体シュナはあの時アーミンに何を言ったのやら


気にはなるがシュナが大丈夫と言ったことをわざわざ掘り返してまで知ろうとは思わない


あと工場長はその場しのぎの適当なこと言わないで下さい、あなた国王なんですから…

ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので


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