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攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
四章:初めての戦争
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89:可愛いSPさん

本日投稿一話目

「おいし」

昨日買ってきてくれたパンプキンパイを食べる、眼の前のクレイさんはそんな私の様子を見てる、見てるんだけどその何ていうか幸せいっぱいとはこんな顔だという見本の様に微笑んでる


ずっとそんな感じでこっちを見てる…その、ちょっと恥ずかしい


でもその幸せオーラのお陰で昨日の様な不安は湧いてこない、にへらと益々笑顔のクレイさん、なんだっけこういうの破顔一笑って言うんだっけ


「シュナ、今日は仕事どうする?休む?」

どうしよう、まだ若干だるいけど休むほどでも無いような気がする


「その、俺今日は仕事午後からでも大丈夫だから大将の所行かない?」

「え、お昼は営業してないじゃないですか」


「ごめんごめん、そうじゃなくて大将の奥さんも今お腹に二人目の子が居るからシュナの妊娠報告と先輩夫婦にアドバイスを貰いに行こうかと思ったんだけど、まだ気持ちが落ち着かないなら後日でもいいし」


そうだった、大将さんの奥さんカナさんが妊娠したって聞いてたのに、自分のことばかりですっぽりと抜け落ちてた


「みんなへの報告は落ち着いてからでも良いと思ったんだけどお向かいさんだし相談に乗ってもらえるかなって、それにシュナとしても気持ちの分かる人が近くに居ると思えば少しは安心するかなと」


優しいなぁ…この人と結婚したのは間違いじゃなかったって思える

「うん、私もカナさんに色々聞いてみたい」

「じゃあ、シュナもとりあえず午後出にして、その後は体調次第って事で」

私は頷き事務所勤めのツァーミに念話で事情を伝える、まだ公には子供のことは安心できるまで報告するつもりはないんだけどエルフ同士だと判っちゃうみたいだからツァーミには伝えておく、昨日もメーベが途中から気づいたみたいだったし隠してもいても仕方がない、ただし報告は私の口からするからエルフ以外には言わないでと言っておいた


「こんにちは~」

「は~い、あらシュナちゃん聞いたわよ、体調はもう良いの?あれ…もしかしておめでた?」


「え?なんで」

すごい!見ただけで解るの?人の妊婦さんには他人の妊娠に気付ける力が…違った

隣に立つクレイさんのせいだった


「だって、クレイさんのこんなに幸せオーラ全開の笑顔見たこと無いもの、ちょっと待ってねお店の入口開けるから、あなた~」

お店に入ると大将さんが仕込みを始めるところだった


「なになになに?どーしたの、まだ朝だよ」

あれ?カナさん大将さんには話してないみたい


「こういう事は自分達の口から言いたいかなって」

にこにこと笑いながら、さあどうぞとカナさんが背中を推してくれる


「あの、私達子供が出来たみたいで」

「えっ!おめでたなの?お祝いしないと!あっでも体調は?大丈夫なの?」

おぉぉ~と大将さんの感嘆が出れば今度はリサちゃんが出てきて

「なになになに~?あ、シュナおねぇちゃん、おはようございますどうしたの?」

お父さんに話し方がそっくり

「リサちゃん、あのね私ママになるの」

お腹を擦って見せれば、わぁっと両手を口に持っていってびっくりしている


「シュナおねぇちゃんおめでとーございます」

ペコリと頭を下げるリサちゃんに私もありがとうと言って頭を下げる、もう日本人の習慣が身にしみちゃって情景反射になってる


「クレイさんもパパなんだぁ~、もう呑んだくれやっちゃ駄目なんだからね!」

「これは手痛い、もうちょっとお手柔らかに頼むよ」


「駄目だもん!パパはママをないがしろにしちゃいけないんだよ」

「な、ないがしろになんかしないよ!難しい言葉知ってるなぁ~」

クリシュナママ護衛隊(今結成)リーダーのリサちゃんも入れて五人、いや私とカナさんのお腹の中の子を入れれば七人ね


カナさんの体験談に耳を傾け、リサちゃんも自分が生まれる時の話を興味津々に聞いている

「そうだ、本が有るんだけど読む?」

「「いいんですか?」」

私とクレイさんの声がハモった


「私は二人目だし、もうある程度は知識も有るからあげるわよ」

「ありがとうございます!ちょっと心細いというか心配だったから嬉しいです」


「あ、リサのお下がりで良ければ何着かベビー服も要る?」

「え、でもお腹の中の子の分はどうするんです」

流石に悪いと思って聞いてみた

「うん、これから先あまり動けなくなるから裁縫で二人目の分は自作しようかなと思ってるのよ」

赤ちゃんの服を自分で…

「素敵です!あの私もやってみたいんですけど、作るのって難しいですか?」


「ミシンの使い方とか覚えたほうが良いけど、今はね型紙が有るからそんなに失敗しないと思うわ」

そう言って奥からベビー服用の型紙を何セットかカナさんが持ってきてくれる


「ネットで買ったんだけど、リサの時は大変で結局作れずじまいだったから今度は頑張ろうかなって、向こうと違ってもう簡単には買えないからね」


「はい!リサも二人の服作りたい!」

ビシッと手を上げて立候補してくれるリサちゃん、大将さんの家族には頭が上がらなくなるかもね、だって昨日みたいな気持ちがどんどんかき消されて包まれる様な優しさを感じるんだもの


結局、私は午後も休んで大将さん夫婦にレクチャーを受けた、クレイさんも残ろうとしたけどカナさんに「大黒柱はおたおたしてないで働いて来い」と男前な言葉で仕事に行かされた


まあ、確かに今は身体的にはそこまででもないのだから働いて貰ったほうが良いかな


でもクレイさんは昨日の私を見てるから心配だったんだと思う

ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので


『ページの下にある☆マークでの評価』


よろしくお願いします!

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