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攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
四章:初めての戦争
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81:お馬さん

接待は好感触、大将の占める割合も大きかったと思う


本当の交渉は本国(サンダン王国)から来る使者と交渉するが猿人族の情報を得るためには良い下準備になった、『彼を知り己を知れば百戦殆からず』って言うしね


酒の席で距離が少しは縮まったような気もしたが気がしただけ、俺との相性はやっぱり悪いまま、別に俺が全部相手にしなきゃいけない訳でもないしあまり近寄らんとこ


それと先に返した捕虜たちだが、徒歩だとサンダン王国まで一月から一月半掛かると言う返答を怪しんだノウミさんがドローンで追跡戦闘をした場所から離れた場所に馬を隠していた


考えてみれば二十人そこらといっても食料を常に自給自足な訳がない、食料はインスタント食品を馬車にたんまり積ませて荷馬車用と伝令用を残してお馬さんは没収


ついでに世話の出来るリザードマン一人にも残ってもらった、自分たちで徒歩でと言ったのだから徒歩で帰ってもらおうじゃないか、食料を積んだ馬車を残してあげただけ俺達って優しい温情!温情!


お馬さんたちは括り付けられていて近くの草を食べてしのいでいたようだが水も禄に取れなかった所為で弱っていた


ひとまず回復するまでは駐屯地で養生してもらう、馬小屋なんてと思うかもしれないがなんと駐屯地最初から馬小屋が有るんだよね~


ますます元は検疫所だったっんじゃないかと考えている、ちゃんと調べたわけじゃないが検疫所には大陸から帰ってきた人たちの検疫だけでなく、馬たちの検疫施設が有ったと読んだ事がある


武器の代わりに大量の医薬品、これだけなら病院の可能性もあるが病院にしては広い敷地と一頭二頭ではない数十頭は受け入れが出来る厩舎


軍の人員も手伝ってくれるように頼んでは有るが厩舎が全部が埋まるようならとてもじゃないが今の人口だと世話できない気がする…


「お待たせしました」

シュナも見たことがないというお馬さんを見に行こうという話になったんだ、当然…


「「見たい!」」

「「お馬さん怖くない?」」

仔たぬき達も行きたいという事になるわけで、本当言うとあまり仔たぬき達だけを優遇するのは良くないとも思ってるんだよな、他の子供達より何でも優先はいらんトラブルになりそうで


かといって温泉を見つけたりと他の子達には出来ない功績も上げているから難しい


子供っていうのは大人は正しいみたいな単純さと言うか純粋さが有るから言われた通りにしたのに報われないとヘイトのたまり方は大人の比じゃないんだよ…子供の頃にされたことって意外と根に持つというかずっと覚えてるというか


しょうがないので保育園バスを使って二回に分けて全員が見学に行くことになった、本当に見るだけなんだけどなぁどうしてこうなった


馬たちの体調や機嫌が悪ければ見れなくても子供たちを返すし消毒なんかの決まり事も絶対に守らせる、見るのだって近くまでは行かないのだそれでも完全連帯責任、一人でも守れなければ即撤収、馬の健康が第一で考えてる


厩務員と呼べるのはリザードマン一人しかいなくて後は全員無知なのだから



今日の運転は運送部社員寮の主ことデンさん、もうかなりの高齢なんだけど現役大型トラックドライバーである


もっとも仕事が無いので寮の掃除して縁側で日向ぼっこの日常を過ごしてもらってんだけどね、保育園もそこまで遠くないけど今後は園児の送迎でもしてもらおうかとも思ってる、運転が好きだからねデンさん


駐屯地には着いたが駐屯地の施設と厩舎の間は結構離れてる、人間と馬で感染する病気については詳しくないけどこの距離を考えると建てた人たちには考えがあったのかもしれないし、単に土地の収用上そうなったのか幾つかの推測は出来る


厩舎に向けて更に保育園バスが進んでいると

「クレイさん!クレイさん!」

はしゃぐシュナの視線の先には柵の向こうでゆったりと四本脚で歩くお馬さん、一気にバス内のボルテージが上がるが


「みんな~!お約束は覚えてますね~!」

ユカリ先生の声に子供たちはシーっと人差し指を口に当てて我慢…静かだけど目の輝きがどれだけ興奮しているのか物語っている


最初にはしゃいでしまったシュナが恥ずかしそうに縮こまっている…かわいいな俺の嫁さん


多少距離があるがバスを止めて通訳のシェリルを連れて厩務員のリザードマンに確認を取りに行く、名前はコータローというらしいのだが日本人っぽい名前に昔転移してきた人の影響かなとも思った、あとで由来も聞いてみたい


シェリルが確認を取ると

柵の中の馬は比較的回復が速くストレスにならないように散歩させているそうだ、気性も今いる馬の中では穏やかな方だから近くに寄るだけなら良いらしい


バスに戻ってきてユカリ先生に伝える

「今日はお馬さんの近くまで行ける事になりました、でも約束は覚えてますね?」


「「「はーい」」」

返事は元気だがトーンを落としている辺り子供たちはちゃんと約束を守ろうとしてくれているみたいだった


ぞろぞろと降りてユカリ先生に付いてお馬さんに近づく子供たち


ヒヒーン


お馬さんのいななきにビクリとする子供たちは好奇心とちょっぴり緊張しているのが判る


「大きいね」

「ちょっと怖い?かも」

小声で思ったことを言い合っている


「肉食じゃないんですよね?」

シュナまで少し緊張してるみたい、本や映画で馬は見てるはずなんだけど実際に初めて見るとそういう気持ちになるのかもしれない

「ああ、こっちの馬は俺も初めて見たけど事前に確認取ってるから怒らせたりしなければ優しい動物だってさ」


馬の方はもっと緊張するかと思ったけど園児たち二十人が近づいてきても穏やかな感じでこっちを見ているだけだった

ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので


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