表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
四章:初めての戦争
83/166

78:猿人貴族(捕虜)

呉の艦これコラボイベントも終わったので更新再開です

質素では有るが不快ではない部屋


部屋には私ともう一人、低級貴族の小倅と一緒というのは不快だが少しはこの蛮族達には教養が有るようだ、特に気になるのは文献でしか聞いたことのない人族、我々の赤子がそのまま大きくなった様な毛の薄い種族でエルフとは違い耳は短く、ホビットやドワーフよりも大きく未知の知識や技術を用いると書かれていたが伝説上の生き物でしか無いと思っていたのだが…


扉がノックされた、おそらく食事の時間だろう


入ってきたのはオークとエルフ、武力と魔力で対応できる組み合わせ賢い対応だ


食事も二人同時ではなく一人ずつなのも捕虜にしておいて毒はなかろうが自白剤に対するこちらの疑念の払拭のためだと推測できる


別々に取れば後の者は一人が無事な事を確認してから食事を取れて、先に食べた者は後に食べる者の異常に気付ける、中々手の込んだ事をするものだが信頼を得ようとするのならいい手だ


おそらく他の部屋の捕虜も同じ様に対応しているのだろう、そして他の捕虜とは一切接触できない、もう他の誰かが情報を漏らしているだろう…そう考えさせるのだ


尋問もなく数日が過ぎた頃一人の人族とエルフと護衛のためだろうオークがやって来た


「はじめまして私はシェリルと申します、隣りに居るのはクレイ外交武官、今日は事情聴取に参りました、まずお名前をお聞かせ願いますか」

ほう…中々流暢に喋るではないか、エルフの女は我々の言語を問題なく喋った


「これは痛み入る、私はサンダン王国上級貴族フェデン・ダズ・ベルダールと申す」

「ではフェデン様とお呼びしても?」


「私は捕虜なのだ、そちらの好きに呼ばれるがよい」

女は外交武官とやらに通訳し次の言葉を待っている、外交武官とやら外交は判るが武官とは何なのか?ひとまず位の高い者という意味では有るようだが人族がいかなる手を打ってくるのか


「では、単刀直入に何故我が国に対して攻撃をされたのかお教えいただきたい」

「人聞きの悪い、こちらは防衛のために力を行使しただけだ、まるでこちらに非があるような物言いは止めていただきたい」


エルフの通訳は人族に指示を仰ぐ

「ではあの魔物の群れ…大群に関してはどう申し開きされるおつもりですか」

「もちろん討伐対象、あの魔物たちを追って私達は遠征の矢先にそちらと遭遇し戦闘になったのだ」


人族の眉間にシワが寄る

「その結果としてこちらには六名の死者と五名の重軽傷者がでたことについてそちらの国として…」

「こちらも三名の死者が出た、魔法使いは貴族!その責任をどう取られるおつもりか!」

======


攻撃を仕掛けておいて開き直りかよ、しかも貴族殺しでこっちに非があるだと?知らねぇよなめてんのかこいつ


落ち着け、感情に走ったら負け、こいつからは情報をもっと引き出さないとそれに初めて国と呼べる存在…シェリルに次に聞きたいことを通訳してもらう


「コンクルザディア王国とサンダン王国、出会いは予期せぬ突発的な事故で有ったとこちらも認識はしております。失礼ながら我が国はそちらの国家の事を知りません、互いの国について教え合いませんか?もちろん言いたくないことは言わなくて結構、こちらとしても全てを話すわけにはいきませんから」


この話には乗ってくるはずだ、向こうとしても得体のしれない国家の情報は欲しいだろう

「こちらも単刀直入に、そちらの武器について教えていただこう」

いちいち上から目線なのが気に入らないが交渉のセオリーなんだろう、あくまでも自分が上でこちらが下、国の威厳も有るだろうからカッカしたら負け


「では、情報の交換条件としてそちらの国の規模、政治体系、軍隊の規模、主な輸出品、敵対国家を教えていただきましょうか」


「ふざけるな!武器一つでなぜ国を売るような真似をせねばならんのだ!」

「では結構、我が国としては交易を考えておりそちらの交易品について興味があるのですが…」


「ふん!そのような態度で我が国と交易だと蛮族の分際で分をわきまえろ」

「なるほど決裂ということでよろしいですね?蛮族ごときに遅れを取り捕虜にされた上敵国の情報一つ持ち帰られなかったと」


「…」

ようやく自分の立場を理解してもらえたかな?


「なお、あなた方二人以外の捕虜に関しては解放して国に戻っていただきます」

「なッ!なぜ私ではなく身分の低い者共が」

「自分で判ってるじゃないですか、あなたが一番身分が高いからですよ」

端でもう一人の猿人が睨んでいるが俺じゃなくてフェデンとやらを睨んでいる、貧乏くじを引かされた逆恨みか


「帰る彼らには交渉を出来る者を派遣していただくように言伝も頼んでますので、ゆっくりして頂いて結構、失礼が有ってはいけませんからね明日からは我が国の王都にお越し頂いて貰います」


「…」

今後の展開の計算でもしているんだろう、さっきから猿人はこちらに見向きもしない


利用価値が自分には無いとはしごを外された気持ちはどんなもんかね、意趣返しには少し悪趣味だったかな?脅しておいてなんだけど別に普通に過ごしてもらうだけなんだけどな、少なくとも墓には敵国の将として手を合わせてもらうがこいつの反応で俺達の文化レベルがどの位の物か判断させてもらうとするか


「ま、待て」

「はて何でしょう?」

わざとらしく聞き返してやれば猿人の旦那は顔がひきつって…しわが多すぎてわからんがな、まあ焦ってるのは態度からしてわかる

「それではワシの面子が…」

「ご安心を別に殺したりはしませんよ、あれは不幸な事故ですからあなた方はあくまでも我が国への外交官として来賓扱い、後に我が国のことを伝えていただきますので」


「それではスワンザ伍長彼らに魔封じの腕輪を」

「魔封じの腕輪だと!なんたる無礼」


「そもそも貴方がたは捕らえられた捕虜だと言うことをお忘れか?王都では無礼を働かれては困ります、それともあなた方の国では捕虜に何の手枷も付けずに野放しにされるのですか?この腕輪をしていれば我が国でも自由を許すと言っているのです温情に感謝されるべきです」


口ごもるサンダン王国とやらの猿人貴族にそう言い放って取り調べを後にした

ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので


『ページの下にある☆マークでの評価』


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ