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攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
四章:初めての戦争
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74:襲来

本日投稿二話目、午前中に一話目を投稿してますのでまだの方はそちらからどうぞ

そしてこの回から第四章開幕です

それは突然だった数は判らない、コンクルザディアの全国民の何十倍か…


救いはドローンで発見できた事で準備が出来たことだ、ドローンの映像からして駐屯地から北に8~10km程の距離まで迫ってきている


魔物の軍勢は数は多いが隊列などは確認できず、ぞろぞろと進軍するのみで統率が取れているとは思えなかった


魔物の中にはゴブリンだけでなく低空だが飛行する小型のドラゴン、狼のような四本脚の魔物、オークよりも更に一回り大きな巨躯に牛の頭ミノタウロスと呼ばれる魔物に近い姿の者も確認できた


「さて、こちらの戦力は前線に立てるものが軍人30人、中戦車のチハ、義勇兵は多く見積もって80人、対して相手の魔物は1000~2000は居ると思われます」

集まった各種族のトップに軍のトップであるノウミさんが状況説明を始める


「武器と弾薬はどうかね」

工場長さんが気になる点を問う


「幸いハーバー・ボッシュのプラントの完成のお陰で潤沢にありますが弾薬の補給においては工場からこちらまで往復で運んでもらう必要があります」


「装甲板を張ったトラックで搬送する必要がありそうですか?」

「敵に別働隊が居なければ前線は駐屯地より北ですので普通のトラックでも可能です」


「チハに積まれていた九七式車載重機関銃はチハの分とは別に5丁まで生産出来ました重量は12.5kg弾倉一つで20発ですがオークの兵士ならば生身でも使えるように改造済みです」


「射手と弾薬を運ぶ二人でワンセット…ツーマンセルで動いてもらった方が効率が良さそうですね」

クレイさんからの助言が入る

「実包は7.7mm、貫通力も有りますから20発で20人と言わず密集している相手なら効果は高いと思います」


「工場から出来る支援は何がありますか?」

工場では各種金型が揃っている必要なコンクリート製品を即応するつもりのようだ


「盾として透明コンクリートのバリケードを出来るだけ欲しいですね、それとトリモチコンクリートも、あとは発破用のダイナマイトもありったけ」


「判った」

工場長は私に念話をお願いする、工場に待機しているツァーミに指示を送る


「進軍速度は遅いですがその分数が増えていると思われ会敵を駐屯地から北に1キロほどの平原と仮定すればこのまま行けば3日後、その頃には更に魔物が増えて3000以上になるかもしれません」


魔物たちがどうやって集まっているのか判らないが、進軍が遅いのはどうやら数が増えるまで待っているのではないかというのがノウミさんの考察だった


「平原は第一防衛ラインと考えて、その後ろにトリモチコンクリートなどのトラップを置いた第二防衛ライン、最終防衛ラインはこの駐屯地という事でいいですか?」


クレイさんの問いに声は出さずにノウミさんは頷いた


話を聞いていたそれぞれの種族のトップからの伝言を念話でコンクルザディアへ送り私達が戻る頃には街は慌ただしく準備を始めていた


クレイさんは他のドライバーさんたちとトレーラー部分を切り離しトラクタヘッドに装甲板を溶接し始める


聞いた所によるとトラクタヘッドの馬力は400~450馬力も有るそうで重しとなる荷台のトレーラーを切り離すとそれだけでモンスターマシンなのだという


ショートトレーラーを引っ張るトラクタのキャビンの上には何やら台が設置されているが不思議な形で何をするためのものなのか判らないが武器になることは違いないだろう


そして第一防衛ラインで縦横無尽に暴れまわてもらうために別のトレーラーは積載量ギリギリまで鉄板を積み込んで平原へと出発、鉄板を敷くための重機達も低床トレーラーに載せられ前線へと送られていった


会敵ギリギリまで平原に鉄板を敷きシャーシ部分に刃渡り3mのブレードを左右に取り付けた重武装のトラクタヘッドで魔物を切り刻むつもりなのだ


第一防衛ラインで全面に出るのは武装トラクタヘッドとチハと武装重機のみ、あとは三八式歩兵銃やコンパウンドボウなどのアウトレンジ攻撃で徹底的に距離を取って戦う


会敵が予想される三日目、魔物たちはさぞ驚いた事だろう、平原だったはずの場所には敷き詰められた鉄板に異様な風貌の巨大なトラクタヘッドに重機、何もかもが見たことのないもので視界が埋まった別世界が広がっていたのだから


それでも膨れ上がった魔物の大群はなにかに突き動かされているのか歩みを止めなかった


「まだだ、もっと引き付けろ!小銃の有効射程は460m、旗よりこっちが狩り場だ焦るなよ」

レシーバーを通してノウミさんの指示が飛ぶ、相手との距離を測るために所々に立つ旗を見つめる兵士たち


重武装トラクタヘッドも準備万端、魔物の唸り声よりも大きな咆哮を上げ今か今かとその時を待っていた


間合いが近くなるに連れ徐々に走り始める魔物たち、やがて地響きを轟かせ形容しがたい唸り声と共に狂ったように突っ込んでくる


ウガァァァァァ


戦術も戦略もない、純然たる狂気に兵士たちにも緊張が走る


ドローンから状況を見ていたノウミさんから

「今だ撃って撃って撃ちまくれ!」


凄まじい轟音が一斉に響き渡る、開戦の火蓋が切って落とされた

ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので


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