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攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
三章:コンクリートの国
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65:煉瓦(遺構狂いのクレイさん)

本日投稿二話目!先に一話上げてますのでご注意を

ホビット向けの装備一式、コンパウンドボウ、ナイフ、コンバットシャツ、ボディーアーマー、コンバットグローブ、ブーツが揃い従来の他の種族の物も刷新、オーク用の物も作られコンクルザディア軍装備品正式採用となった、チハ君も形式上装備品扱い


先遣隊はコンクルザディアにおける軍隊兼警察組織として再編、各種属からも募集を募り総勢50名の組織になったこの中からコンクリートの城壁での警備任務、偵察、護衛、国内のパトロールに振り分けられる


陸軍の遺構は駐屯地になり訓練等もそこで行われるが現在は使えるように整備中土砂は取り除かれたけど建物内部はまだ手つかずのままだ、施設を守る外壁部分を優先して作ったので外からの侵入は困難、そして以前私が作った半透明のコンクリートも研究が進み今は限りなく透明に近い所まで来ている外壁にこの透明コンクリートを使うため視界も確保出来ている


駐屯地内に残っている幾つもの独立した建物についてはクレイさんが検証中、確かにそれぞれ役割が有ったはずだものね


「無いなぁ~」

「何探してるんです?」

煉瓦レンガの壁を舐めるように見ているクレイさんに声を掛けた


「いや、この手の煉瓦って刻印が有る筈なんだよ、何処のメーカーの煉瓦を使っているかでどの辺に有った施設か判んないかなと思ってね」


そんな事まで煉瓦から判るの?というか刻印見ただけでメーカーが判るクレイさんって…


煉瓦に付いた苔を剥がしてまで刻印がないか調べてるし

「これそうかも知れない」

スマホを取り出して写真を撮るクレイさん、そう言えば私もスマホ貰ったんだよねクレイさんのお下がり


「お下がりでごめんね画素数とレンズはそこそこだから綺麗な写真は撮れるはず」

お下がりだろうがなんだろうが嬉しくて飛び跳ねちゃった、もちろん通話は出来ないけれど写真以外にも音楽も聞けるし計算もメモも出来る、ここが地球じゃないから合ってるかわからないけど標高と方位も判るフィットネスを開けば移動距離だって測れる本当に凄いわスマホ


すごい勢いで写真が増えていって逆にどれがいつ撮ったのか解んなくなっちゃって困るのだけどパソコンに取り込めばフォルダ分けを勝手にしてくれるので助かる


私も探してみますか、写真に残せばクレイさんが後で調べてくれるだろうし、役に立てればいいなくらいの軽い気持ちで探し始める


クレイさんが当たり前のようにやってるから気にしなかったけど…これって傍から見れば壁をひたすら見てるって変な人なのではないだろうか…いやいやこれも必要な作業なのだと自分に言い聞かせて探してみる


あ!有った

ちょっと他の煉瓦と比べて大きい気がするけどアルファベットでSHINAGAWAと書いて有って色は白っぽい


「クレイさーん!」

「どした~」

「有った!有りましたよ!」


それなりに離れてたと思うんだけど息を切らせてすぐにやって来た、どんだけ好きなんですか


「これですこれ!SHINAGAWAって書いてあるでしょ」

「お~!凄いよシュナ!」

本当に嬉しそうだ

「シュナ!これは耐火煉瓦だよ、炉を作るのに使えそうだ工場で調べてもらおう」


耐火煉瓦、その名の通り熱に強い煉瓦

「耐火煉瓦が組まれてるということはこの建物跡は何かの焼却に使われてた建物だろうね」

煙突などは既に無く焼却炉の面影はない、それでも組まれている煉瓦で見当がつくのだから知識って重要なんだなと改めて思う

「それに結構大きなサイズの焼却炉だったみたいだからもしかしたら…シュナ建物の内部も見ていこう」

「もう良いんですか?」

「煉瓦は後からじっくり見るよ、それよりも確認したいことが出来たんだ」


弾薬庫や火薬庫だった場合危険だからという理由で残っている建物内部の確認は後回しだったのに急にどうしたんだろう

「もしかしたら、今の僕らに足りないものが有るかもしれないんだ」

どうやらとても重要な物が有るのかもしれないようだ


土砂で埋まっていたというのにドアの中には土砂は入り込んでいない、至って普通のドアなのにだこれも私達の住む丘と同じ様に不思議な力が働いているおかげだろうか、それになんだろうこの匂いは嗅いだことのない匂い


クレイさんはしきりに棚の中を確認している、あまり好きになれない匂いなんだけど私も棚を見てみる、この棚には本がぎっしり入っていて漢字も難しくて私には読めない物ばかり


次の部屋に入ってみるとベッドが並んでいて結構広い部屋だ清潔感も有っていつも使っていたという感じがしない


クレイさんも入ってきた

「やっぱりそうだ…シュナ棚か倉庫に液体か粉とかが入ってる瓶が有ると思うんだ手分けして探そう」

「はい、見つけたら呼びますね」

「うんそうしてくれると嬉しい、くれぐれも瓶の中身に触れたりしないでね」

「もちろん触りませんよ、それでその瓶って何なんですか?」

「おそらくだけどここは病院か検疫所のような場所だと思うんだ、もし薬が見つかればもっと安心して暮らせる」


薬、私達は薬草とかしか使ったことがないし治癒魔法が有るけど、彼らの歴史ではウイルスや病原菌による伝染病に苦しめられそのたびに薬やワクチンというもので乗り越えてきたと書物には書いてあった、そう考えるとクレイさんが興奮するのも判る、此処には病院など無かったし薬も置き薬と言われる物しか無かった、本格的な薬を手に入れるチャンスなのだ


やはりクレイさんの言う通り病院だったのだろうか、次に入った部屋には大量の瓶

「クレイさん!有りましたよ!」

私も事の重大さを判って大量の瓶に興奮してしまう

今度は二人で瓶のラベルを見てどんな薬品が有るのか確認だ、私はあまり漢字が読めないからそのたびにクレイさんに聞く、もっと感じ勉強しないと駄目ね


「有った…碧素へきそだ!」

へきそ?

「抗生物質っていうんだ、そしてこの碧素はペニシリン、色んな感染症に使えるんだ…」

嬉しそうだったのに今度は急に暗い顔

「問題は…どうやって使うかが解らない…」


駄目じゃないですか!


「でも使い方に付いて絶対何処かにマニュアルが有るはずなんだ…、でもペニシリンが有るってことはこの建物は戦後まで有った可能性が高い、日本に初めてペニシリンが開発されたのは1944年頃の大戦末期なんだ翌年には戦争は終結している事を考えると…」


「少なくとも1944年より後に転移してきたと」

「そう!そうなんだ!」

感情の浮き沈みが激しいよクレイさん


こうしてペニシリンというこの世界での世紀での大発見をした私達は今度はマニュアル探しに奔走するのだった

ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので


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よろしくお願いします!

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