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攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
三章:コンクリートの国
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64:お披露目

本日投稿一話目!15時に二話目を投稿しますのでよろしくお願いします

毎日テストの続くチハ君だったけどいよいよお披露目式


無事の祈願に宮司さんも来てお祓いをしてくれる、コンクルザディアの住人も見守りちょっとしたショーみたいになっている


乗員はクレイさんとノウミさん、そしてホビットの青年ジェイルとケイルの兄弟の四人、兄弟はホビットの中では大柄な方で狭い戦車にジャストサイズだった、外の様子はモニターで見ることが出来るので身長が低くても問題ない


寧ろ体が小さいホビットの方が特に狭い運転席に向いていたのだ


勝手に動けるチハ君だけど基本はこちら側で制御する。他の戦車が見つかった時に操縦できる人が居ないと困るからという理由、確かに見つけた戦車がいつもチハ君みたいに意思を持って動けるとは限らないものね


ただ…あれは必要なのかしら


チハ君の前面に取り付けられた赤く光るネオン管、右に左にと赤いライトが行き来してる


「会話できたら最高なんだけどな~、クレイちゃん色も黒くしない?」

「やあ、クレイとか名前呼んでくれたら完全再現、黒って意外と目立つんですよ迷彩に黒って見ないでしょ」

ノウミサンと二人でそんなこと言っていたしきっとあれは趣味・・


色に関してはモスグリーン一色で統一、流石にそこは実用性が趣味に勝ったみたい


現代の技術を用いているからか静音性もここに運ばれて来た時とは雲泥の差、ここに来て彼らがアスファルトの厚みを日本の頃と比べて厚めに作った事も活きてくる


バタタタタとアスファルトの上を走りそのまま荒れ地に突っ込むけど問題なく走行し止まる、500m先にある的目掛けての主砲発射がメインイベント、ここからだとかなり小さい的だ


腹に響く炸裂音と煙、的から数メートル左に土煙が上がる、二発目は右に外れたけど一発目よりは近くて惜しい感じ、三発目は見事に的に命中して後ろに土煙が上がった


歓声を上げる人も居れば耳を塞いでその炸裂音で泣き出す子供まで、反応は様々


チハ君はこっちに向き直ると砲塔を左に回した状態で砲身を下げる、お辞儀をしつつも砲身を向けないのは、怖がらせないように配慮してるみたい


兵器としてのお披露目も無事に終わったチハ君だけど、当分の間は悪路での資材搬入が主なお仕事になる、この子が本業をすること無く時が過ぎてくれる事を願うばかり


護衛としてはこれ以上無いくらい心強い、外での作業も安心して出来るしね


チハ君自体その仕事でいいみたい、戦闘狂じゃなくて良かった


もう一つチハ君に任された仕事がほったらかしの鉱石採掘場で撃ちまくる事、戦車の車内では丘と同じ様な力が働いているお陰で弾は尽きないのを利用して採掘してもらっている


鉄なんて丘の力でいくらでも湧くのに手間のかかる採掘をとごねるドワーフ達に

「ここの力が無くなった時、誰も採掘から鉄を作る方法を知らなかったらどうします?今後はそちらに降ろす鉄板は枚数制限します」

という一言で工場長さんが国王権限で黙らせた


常日頃からクレイさんが口を酸っぱくして言っている

「技術の伝承は一度途切れると取り戻すのは難しい」

という言葉の持つ重みはクレイさんが向こうの世界でやっていた慰霊祭という戦争で亡くなった人を弔う儀式から来ていると教えてもらった


慰霊祭が一度途切れてしまうともう次に行おうとしても取り仕切って居た人が亡くなっていたりして執り行えなくなったり、全く別のものになってしまったという実体験から細々とでも続けることが大切なのだという


もちろん質としてはいくらでも増える工場の鉄板や鉄筋の方が上だけど、自分たちで作れればここを離れたりしても作れる技術は持っていける


溶鉱炉も工場の資材と知識それに私達エルフの魔法陣の力で徐々にだけど進化向上してきているのだけど、これはドワーフの性質なのか作りたい気持ちが強くて直接鉄を使いたがっちゃう、手っ取り早いからね、そういう事もあってドワーフに提供される自由に使っていい鉄板は枚数制限が掛けられることにになっちゃたのよね


でも族長も自由に使えるようになってから失敗しても気にしない職人が増えた事を懸念してたから

「これで、少しは物のありがたみが判るじゃろうて」

と枚数制限には賛同していた


ホビット達も仕事を求め始め何が得意なのか聞いたところ女性も男性も裁縫が得意、言われてみると服も私達と比べて繊細な作りをしている、コンクルザディアでも綿花の栽培はしているけど彼らほど上手くは作れない


意外と盲点だったけど、私達も日本の服を貰って着たりと不自由していないから気づいてなかった

女性は普通の裁縫、男性は防具などの裁縫に就職、糸作りに用いるスピンドルというコマのようなものに繊維を巻き付けて垂らし回転させることで糸を作っていく紡錘という作業をしていたのだけど


うちの旦那が糸車を作ろうと言い出した


自信満々にドワーフを集めて作り始めたのだけど、記憶は不確かだったようで苦戦している、ドワーフ達もどんな物が作りたいのかは想像できているみたいだからそこまで時間はかからないかな


男性ホビットの方は鎖帷子の編み方に変化が現れ始めた、それまで一番簡単な4in1という編み方だけだったものに3in1など他の編み方が加わりより立体的で体にフィットする鎖帷子が生まれた


肩当てなどのプレート類やコンバットシャツの出来も良くなった、なんだろうね、ドワーフの作るものが悪いわけじゃなくて体も手も小さいホビット達は普通にやっても細かい作業になるのが良い方向に作用しているって感じかしら


こうしてホビット達の仕事も出来、雨季を目前にコンクルザディアは落ち着きを取り戻せたのだった

ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので


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よろしくお願いします!

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