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攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
三章:コンクリートの国
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61:小人族の変化

チハの事や不可思議な子供の事も有ったが小人族…ホビット達の里帰り第一陣も無事に終わり、彼らの顔から恐れのような物も幾分か和らいだように見える


不思議なのは言葉を理解できるドワーフの族長ではなく皆なんとなくで理解しちゃう、まっちゃんさんを頼ること、理解してくれることもだけどまっちゃんさんのガハハという豪快な笑い声と笑顔が安心感をくれるのかもしれないわね


これからも希望者が居ればホビット達の里への送迎は継続される


言葉の習得にも前向きになる人が出てきて保育園に行って子供たちと一緒に学び始めたのも良い兆し


それとクレイさんが言ったことで思い出したあの映画、群像劇だけどその中でもメイン主人公がホビットじゃない、だから温泉のレクリエーションルームでは暫くの間、三部作を流しっぱなしにしてみたらどうだろうかと提案してみた


本当にこんな時は映画って便利、まあオークの人たちには事情を伝えて作中のオークの扱いに関しては、あまり本気にならないようお願いをして回る羽目になったけど、あまり気にしていないみたいでそれよりもホビット達が今のままだとこのコンクルザディアでのけ者になる方を心配してくれてた


それからは温泉で

「ここは間違ってる」

「これは良く出来てる」

等々向こうの世界のホビット描写にやいのやいのするホビット達の姿、そもそもフィクションですからねそれ、一番良い影響を受けたのはやっぱり子供たち、自分を投影しているからか言葉を覚えるスピードがグンと上がった、世界を救うホビットに大盛りあがり感化されたのか必要以上に自分たちを下卑することも減っていった


賢狼族のウルーダは本当に一年間は働く気は無いようで日がなぶらぶらとしていて、温泉でその映画を観てもうちの種族居ねぇじゃんか!ぶーぶー言いながらビールを飲む毎日で人生を謳歌しているみたい、今のところ食べ物に比べて酒だけは充実しているからねこの国


食べ物と言えば今年からドワーフ達は麦の二毛作に挑戦中、今は春の収穫時期とあってドワーフ達は大忙し巨体のオークを除いた他の種族も手伝っている、もちろんホビット達もだ、そんな感じなので今日はビニールハウスの視察にクレイさんと二人で来ていた


第一ビニールハウスの余りの土地にはホビット用の農地の準備も進んでいる、煙草の栽培を始めるためだ、日本では年々吸う人が少なくなっているらしくて、ここでもまっちゃんさんを始めとして数えるほどしか吸っている人を見かけない


ホビットのためだけの様に見えるがそうではない、将来の輸出品になる可能性が有るからだと言っていたっけ、第一、第二と両方のビニールハウスの土地も埋まりつつあってそろそろ拡張の話もちらほら出始めている、住人もまた増えたからね食料が多くて助かることは有っても困ることはない


田んぼの方はまだまだで本格的に収穫が出来るようになるのは何年も後だろう、白米は今も食べているけど収穫して食べるお米はもっと美味しいに違いない、基本この丘で数が増えたり元に戻ったりする食料だけどクレイさん達は将来的には頼らなくても生活できるようにする事を目標にしてる


いつこの不思議な力が消えても生きて行くためだ


「やったなぁー!」

「お前が俺の耳を馬鹿にしたからだチビスケ!」

元気が良いことは良いことだけどアーミンがホビットの子供と喧嘩が始まった、これは良くない


「アーミン止めなよぉ」

割って入ろうとするけど止められないルディ、駆け寄ろうとした私をクレイさんが止めて歩いていくと


ゴチンとげんこつが二人に落ちる、説教が割と昭和スタイルなクレイさんそこまで強くは叩いてはいないみたいだけどね


叩かれたことでやっと止まった喧嘩だけどそれ以上は叩いたりする事はなくお互いの話を聞いていた


最近ちょっと気になってはいたのよね、私達の前ではお行儀よく振る舞っているように見せて他種族の子供たちになんていうのかな先輩風を吹かすとでも言えばいいのかな偉そうにしている事がしばしば耳に入って来ていた


こういうのを見てしまうと自分に子供が出来た時にちゃんと叱ってあげられるか少し不安だ、仔たぬきズはメーベが教育指導係的ポジションだけど自分の子供を他人に任せっきりにはしたくないと思うからだ


互いの事情を聞いた後でもふくれっ面で自分は悪くないと叫ぶアーミンと、自分が喧嘩したわけでもないのに泣きそうなルディ、末っ子ルディはルディで少しその気の弱さが心配になってしまう、仔たぬきズの男の子たちは次男のカールは優等生タイプでそつなくこなし、三男のロルフは口が達者(屁理屈を言わせたら誰にも負けないとも言う)


最終的にはお互いにごめんなさいしたけど握手はしなかった


「こういうのってね、無理に握手させても逆にわだかまりが出来たりしちゃうんだよね、自分は間違ってないって思っているからごめんなさいでも不服なのに握手まで行っちゃうとねぇ…」


そういうものか


「じゃあどうやって仲直りするんです」

「するかもしれないししないかもしれない、他人に仲直りを決められたところで納得なんかしないよ、大人としては場は収めてあげるけどあとは本人次第かな」


結構ドライだった


家に帰ってからもご機嫌斜めなアーミンだったのに数日後にはそのホビットの子供と何もなかったかのように遊んでいて子供って凄いわねと思わずにはいられないクリシュナなのであった

ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので


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