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攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
三章:コンクリートの国
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54:四角い石

本日投稿一話目、よろしくお願いします

ウルーダからもたらされた情報を元に北進が継続されることになった


一番近いところで北に10日も行ったところに小人族の里があるということだった、ゴブリン達の事も考えて里がどうなっているのか聞いてみたが平和そのものらしい


ゴブリン達よりも先に小人族達に会い、友好関係を結ぶのが目的だ


できればウルーダに付いて来てもらいたかったが彼女には契約外だと断られてしまった


代わりに鼻が良い仔たぬき達が一人ずつ交代で先遣隊に加わることになったのだもちろん引率付き


先遣隊のみんなとピックアップトラックに乗ってまだ未舗装の道を行く


「今日は大人しくしてろよ」

「わかった!…クリシュナママ」


「こいつ…もう一度メーベに説教してもらうか」

「それはちょっと私の威厳が…」


今日選ばれたのはアーミン、引率は私とクレイさんアーミンが見つけたという四角い石を見てみたい

「アーミン?クレイさんに返事は?」

「…わかったクレイ」

さんを付けてほしい気もするけど、それはそれでよそよそしい気もするし…そうだ


「クレイお兄さんね」

「クレイ兄…」

私もメーベみたいに少し厳しくしたほうが良いのかしら


「まあそれでいいんじゃない」

意地でもさんを付けたくないみたいだけどクレイさんの方が折れてくれてちょっとほっとする


車を降りた後はノウミさん達と別れて石を見に行く


クレイさんと仲の良いオークのスワンザも付いてきてくれている、石を持ち帰るなら力持ちが居たほうが良いというノウミさんの計らい、クレイさん的には持ち帰ったりはするつもりはないみたいだけど念の為


「あっち」

スワンザの肩に乗ったまま前に石を見た場所へと指を指すアーミン、本当に判ってるのかしら?


しばらく歩くと折れてしまっているが確かに不自然な石が在った


「マジかよ…」

漢字だ、習ってない文字だから読めないけど確かに日本語だ…と思う、なんでこんな所に漢字の掘られた石があるのか、クレイさんでなくてもマジかよと言いたくなる


「この石以外にも他にも有るはずなんだ探すの手伝ってもらえる?アミ坊はそのままスワンザと一緒にな」

探す気満々だっただろうに釘を差されたアーミンはちょっとつまんなそう


「一緒に探そうな」

「うん!」

スワンザにそう言われて元気よく答えるアーミン、クレイさんにもそれくらい懐いてくれれば良いのに


クレイさんが言うには四角い石は境界標石という土地の境界線でしかもこれは陸軍と書かれていることから日本の陸軍の土地を示しているのだとか、クレイさんの居た頃の日本には陸軍は自衛隊という組織になっていて陸軍と銘打っている物は戦争後には無い物


だからここに在るのは戦争中までの100年近く前の物ということになる、そこから導かれる一つの仮定


此処がクレイさん達の丘と同じ様に転移してきた場所で在るならば丘と同じ原理が働いているかもしれないということ


「在った」

「あったー!」

スワンザとアーミンが早速石を見つけた


近寄ったクレイさんが文字を見て水を掛ける、こうすると文字が見えやすいんだとか確かに濡れたことで石に掘られた文字の陰影が少しはっきりとする、漢数字で三十と書いてあるように見える


「三十、さっきの標石が二十九だったから」


標石は等間隔に置かれていることが有るのだそう、その辺のことはクレイさんにお任せ


二十九と三十を直線で結ぶとその先に次の標石が有る事が多い、そこが敷地の端ならもちろん曲がっているけど、標石を辿っていけば敷地全体の規模と形が判るとクレイさんは目を輝かせている


「一度車まで戻ろう」

あんなに目を輝かせていたのに先を探さないの?と思ったけどロープで標石と標石を結びたいということだった、スワンザはその場で待機して木を切っていてもらう、アーミンは危ないので一緒に車まで戻るのだけど明らかに嫌そうである、多分チェンソーで木を切るところを見たかったんだろうな


戻って来るまでの間にスワンザは目印になるように綺麗に標石と標石の間を伐採してくれていた、怪力のオークとチェンソーの組み合わせは相性バッチリだ、そこまで太くない木でも1本で100kg超えなんてざらだからね


「アミ坊出番だ出来るだけ直線になるようにな」

ロープを標石に結ぶお仕事を任され退屈から開放されたアーミンは動物形態になってロープを口に咥えてスルスルと木々の間を抜けていく


「う~ん、ロープが足りない」


ほんの少し、三十三まで見つけたところでもうロープが無い、これは大量のロープが必要になりそう…



======

「で、何がそこに有るのかはまだ判らないと」

工場のある丘に戻ると鼻息荒いクレイさんが冷静な工場長さんに報告


「先にその辺りに何が有るか探すのでは駄目なのかね?」

「闇雲に探すより標石で範囲を絞ってからの方が無駄がないですね」

自信満々だ


「しかしだね、先遣隊に道路の延伸部隊、最低限の工場の人員にいつ現れるとも判らないゴブリンに対処する部隊、これ以上は食料を持って外に出せる要員は…」


そうなのだ、人数は居てもそのための料理要員は今時点でフル稼働でこれ以上は倒れてしまう、デリアも一日中食料の運搬で体調を崩したばかり、いくら食料は底をつかないと言っても限度がある


「それでもこのエリアをゴブリン達に抑えられると厄介ですよ、もし戦車でもあったらどうします?砲弾でも有って、ここ()と同じ様に使っても使っても減らなかったら?」


確かに問題だ…ここよりももっと強い兵器を抑えられるわけにはいかない、兵器以外にも有用な技術や物資も有るかもしれない


こうして新たな発見と頭痛の種が増えたのだった

ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので


『ページの下にある☆マークでの評価』


よろしくお願いします!

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