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攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
三章:コンクリートの国
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53:おもてなし

なかなか体調が戻らず更新遅れてすいません当分は2~3日に一回の更新になりそうです

「なんだこれ」

賢狼族の女、ウルーダはピックアップトラックに驚き舗装された道路に驚き真っ白なコンクリートの壁に驚く、どの種族でもこの世界においても見たことのないものだらけなのだある意味普通の反応とも言える


あの小僧は他のエルフに連れられてお説教らしい

「さ、メーベ様のところに行きますよ」

「やだ~!」

エルフの足に抱きついて抵抗しているがそのまま引きずられていった、あの生意気なガキがあんだけ怖がるのだから相当怖いのだろう


「これなんの素材だ?」

通された宿は工場の社員寮の空き部屋だというがそれが何なのかは知らない、木でも石でもない素材の壁…ウルーダの感覚でいえば充分に広々とした部屋、トイレと風呂まで有る、あまりの高待遇に後で取って食われるんじゃないかと疑いたくもなる


荷物を置き鍵を渡され里と言うには整理されすぎた街を案内される


「まずはこちらでおくつろぎ下さい、お食事もご用意いたします」

ミュレッタというエルフに言われて温泉とやらに連れてこられた


周りを見れば色んな種族が扉の向こうに入っていくここはどの種族の里なのだ?

扉を開ければ皆裸…何をする場所かも分からなかったが奥の扉の向こうからは湯気

「おねえさん見ない顔だね」

ドワーフから声を掛けられこれ幸いと何をする場所なのか聞いてみれば巨大な風呂のようなものだと教えてくれた、風呂?これが?


手取り足取りマナーとやらを教えてくれるドワーフ、ドワーフはもっと偏屈な種族だったはずだがずいぶんと丸いと言うか親切だ


洗剤という物で体を洗えば、これが自分の毛かと思うほど柔らかく手ぐしも通るどんな魔法だよ


湯船にはオークにエルフにドワーフ、一体どうなってんだこりゃ!どいつもこいつも幸せそうに和んでやがる…そんなに気持ちがいいのか?


ふぅぁぁぁぁ


気づけば声が出ていた

「気持ちいいけど長湯するとのぼせるから気をつけなよ」

さっきのドワーフだ、この世にこんな楽園が有ったなんて…


それにこの露天風呂は良い、この開放感まだ少し肌寒いのと温泉の暖かさのバランスがちょうど良い塩梅、いやもっと寒い冬の方が良いかもしれないな


温泉を出ると座敷には長机、グツグツと煮える鍋

「ささ、どうぞどうぞ、熱いのでお気をつけくださいね」

変わった服装のオークの女性に言われて席につく


うぉぉぉぉぉ何が入ってるのかわかんねぇけどいい匂い!これは美味いだろう


一口スープを含んだだけで芳醇な味わい、あぁ…幸せぇ~、それにこの肉プルプルであっという間に溶けていく


夢中で口に放り込む


「お気に召したようで何より」

気がつけばドワーフ、オーク、エルフそして人と呼ばれる今日初めて見た種族達が一緒の席に座っているじゃないか


ここのリーダーか?恰幅の良いオークの男が声を掛けてくる

「どうぞ食べながら聞いて下さい、ここはコンクルザディアという他種族共生国家です、この都度は我が国の子供が迷惑をかけたようで申し訳有りません」


あのガキには腹は立つがガキンチョの盗み食いのお陰でこんな高待遇が受けられているのだと思えば溜飲は下がる


「いえ、飯に困っていたので助かりました、かたじけない」

双方謝罪と謝意を伝えて場を収めウルーダはさっさと飯に戻ろうとするのだが話は未だあるようで


「旅をなさっているとの事でしたが、ここに来るまではどちらに居たのか差し支えなければ教えていただきたいのですよ、我々は今後里や国と交易をしたいと思っておりまして」


なるほどね情報が欲しいということか、旅をしていれば他所の事を聞かれることはそれなりにある今回もその類だ


「報酬は?」

こういった情報というのはペラペラと喋るもんじゃない自分の価値が低くなるからな、これは旅をする中でウルーダが経験で学んだことだった


酷い時は情報を売ったせいで逆恨みで命を狙われるなんてことも有るのだ、慎重になるに越したことはない


「望みが有れば検討しますがなにかお有りかな?」


望みか…なりたくてなった旅人でもないここらで腰を落ち着けてもいいのかもしれない


「ここに住まわせてもらうというのは可能か?」


「そんな事で良いのか?まあ情報次第といったところだな」

よっしゃ!勘通りだ、他種族共生ならあたい一人くらい増えても大丈夫だと睨んでいた


「で、どんな情報がほしいんだい?」

なにも全部教えてやる必要はない、聞かれたことだけ答えて残りは取っておく


「さっきも言ったがお前さんが今までに通ったり世話になった里を教えてくれればそれでいい、位置がわかるのならなおさら良い」


本当にそれだけでここに居ていいのか、夢みたいな話だ


眼の前にドンと置かれる紙の束、なんだコレ

「これがこの国での通貨、紙幣と呼ばれるものだ100万有る、普通にここで暮らすのなら一年は働かずに行きていけるだろう」

硬貨じゃなくてこんな紙っぺらが通貨かよ、確かに紙は貴重だけどよ…それにこの紙すっげえ薄っいな


てか今なんつった?一年働かなくていいとか…

「今なんて?」

聞き間違いかと思って聞き直す


「だから普通に暮らすのなら一年は働かずに行きていけると」

なんなんだよここは!


「ただし…」

ほらなやっぱりそんなうまい話が有るわけねえ


「今年の作物の収穫までは食料に関しては我慢してもらうだろう、もちろん最低限の食事は食べられる」


「最低限ってどのくらい?」


「今の時点では一日二食が上限で酷い場合は一食になることは覚悟していて欲しい」

こちとら今朝まで三日食べれてなかったんだぞ、一日一食どころか二食だと!そんな覚悟ならいつでもするわ!

「構わない」

内心は高待遇すぎて心臓バクバクだが表には見せずに冷静を装った


「では今日明日はゆっくりしていただいて明後日から情報を教えていただこう」

他の種族もそれでいいんだろう頷いてから席を立ち始めた、私に最初に声を掛けたミュレッタとか言うエルフだけが残り簡単なここでの決まり事を教えてもらった


部屋に戻るとどっと疲れが出た思っていたよりも興奮していたみたいだ、なんの材質で出来ているのかかわからないがふかふかのベッドに包まれ自分の幸運を噛み締めて眠るウルーダであった

ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので


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