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攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
二章 コンクリートと魔法
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閑話:ユカリ先生の一日

「「「おはよーございます!」」」


「はい、おはよございます」

子供たちの元気な挨拶は私まで元気にしてくれる

開園当初は20人程だった園児も評判から今は30人を超える、これで春からまた増えるのだから大変だ


「ユカリ先生、私達はどうすれば?」

今日からやって来たオークとドワーフの見習い先生達は戸惑っている、そりゃそうだこちらの世界には保育園など無いのだから


「まずは園児たちの顔と名前を覚えるところからですかね、なので仕事というより仲良くする事を中心に考えて行動してもらっていいですよ、必要なことは追々覚えてもらいますから」


ドワーフの里改めコンクルザディアでは今就職ラッシュ、新年度に向けてどこもが人材を求めてる


お給料も良い…のだけどお金の価値がイマイチ浸透してないのよね…


実質食事は量が少ないとは言え配給制みたいなものだし諭吉コピーも食券くらいの感覚でしかないんだろうな、私も向こうの世界のように『買う』物も場所もないから貯まる一方だし


ドワーフさん達が育ててる麦も買ったところで自力でパンにできるような技術もないし、一からパン作りとかそんな暇もない


あれ?これ体験学習にできそうじゃない?それにそれを子供たちが販売すればお金の勉強にも

「せんせー、カール君がエージュちゃんに意地悪するー」

「意地悪じゃねぇもん、俺が先に見つけたのにそっちが取ろうとするからだろ!」

おっと考えるのは後々、子供たちの仲裁に行かないと


やっとお昼寝の時間、一息着ける時間だ

「ねぇ、ちょっといいかしら」

「なにか間違えました?」

お仕事初日で緊張しっぱなしなのだろう

「いえそうじゃなくてね」


さっき考えたパン作りのことをドワーフの見習い先生に聞いてみる


「パン作りですか?」

「ええそうなの、子供たちは作り方を覚えられるしご飯のありがたみもわかると思うのよ」


「なるほど」

「それにお金の使い道や商売の勉強にもなると思うの」


「それなら私も覚えたいです、森の中ではここで食べてるような物がなかったから料理覚えたいです」

オークの見習い先生も乗り気で助かる


「ちょっと族長にも相談してみましょう、パン自体は作れますが麦はドワーフ全員のものなので」

なるほど、人口が増えてからは配給様に提供してもらってたけどドワーフさん達もかつかつなのかもしれないし根回しは大切、良かれと思ってで顰蹙は買いたくないもの


軽くお茶にして今日の感想を見習いさんたちに聞いてみる


「私はこの里の生まれで小さい子たちの面倒は今までも見てましたから苦でもないですけど、気になるのは他種族の子供たちも同じ様に面倒見ても良いのかってとこですかね」

ふむふむ


「私達オークは基本家族単位で暮らしていたのでここに来て初めて家族以外の方たちと一緒になったから色々不安で…」


なるほどね~


「一日二日でどうにかなるものでもないから基本的なお仕事内容以外は子供たちをよく見る事くらいかしらね、そうしていくうちに段々とコツが掴めてくるわ、それと今みたいに不安なことは相談し合いましょ、私も今まで一人だったから一緒に仕事が出来るのはとても嬉しいの、これからよろしくね」


「「はい」」

良い感じに緊張も解けたみたい


「こんにちわ~」

宮司さんじゃなかった…いや宮司さんであり園長先生だった

「園長先生おつかれさまです」

「「園長先生?」」


ああそうか、彼女たちは大将さんの二号店の起工式の宮司さん姿しか見てないのか、説明してあげればなるほどと判ってもらえた


「ちょっと時間が有ったので作ってみたんですけどね」

そう言って持ってきたのは大福、園長先生こういったところの気配りが出来る人なのよね

「ありがとうございます、お二人もいいですか?」

「もちろんですよ」

お断りを入れたけど、きっちり一人二つずつある


時間が有ったからと言ったのも気を遣わせない方便できっと二人を歓迎するために作ったんだろうな

「おいしぃ~」

労働の後の甘味は格別だものね、ドワーフ見習い先生のほっぺが落ちそうといった感じで自分が作ったわけでもないのに誇らしい気持ちになる、オーク見習い先生は…どうしたんだろう?


「あのこれアギの実ですか?」

「あぎ?」

「ええこれこんなに甘くないから同じか自信ないんですけどとても似た実を森で見たことがあるんです」

え!小豆があるの?生産できるなら、おはぎでしょ、おこわに赤飯…


「それって場所わかります?」

「だいたいでしたらわかりますよ」

これはノウミさん達に採ってきて貰おう、食材は増えるに越したことはない、この際だ色々と森の中の食材について教えてもらおう


ドワーフと違い森が生活圏のオークさん達は食べられる森の食材に詳しかった、これは図鑑とかにしたいな子供たちが毒草や毒きのこを食べないためにも良いんじゃないかしら


暇な時にでいいからと言ってオークとドワーフの見習い先生に食べられるもの食べられないものの絵を書いてもらうことにした、クレイさんに言ってエルフの食べ物も絵にしてもらおう


園長先生からの許可も貰えたし農園のガルシアさんにも教えなくっちゃ、これはやりがいのある仕事になりそうね


先生も増えやる気に燃えるユカリ先生なのであった

ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので


『ページの下にある☆マークでの評価』


よろしくお願いします!

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