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攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
二章 コンクリートと魔法
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閑話:大将の二号店OPEN

基礎工事も終わりしっかりとした土台の上に今度はドワーフの建設が始まる


「ハイブリット…」

「大将なんだいそりゃあ?」

「人の作った素材とドワーフの技術の融合ってところですかね」

「はいぶりっとか良いねぇ響きが良い!」

ガハハと建築のリーダー、ドワーフのゲンさんの豪快な笑いが轟く、本格的な建築はこれが初めてだから不安もあるけど楽しみの方が大きいかな


とんとんカンカンという音に混じってギュイィィィィとインパクトドライバーの音も聴こえてくる、事前に打ち合わせして建物の見た目はドワーフ風だけど中身には工場で作られた素材も沢山使われることになっている


工場にとっても経験値を貯めるいい案件だと言ってもらえた


「いよいよですね!」

声を掛けてきたのはオークのママさん達の中心的人物で今は鉄板焼の中心人物でも有るメルナさん、子育ての真っ最中にゴブリン達の被害にあってここまで来たが施しを受けるだけでは申し訳ないと一番最初に鉄板焼の仕事をしたいと申し込んできたエネルギッシュママさんだ、うちの家内とも仲が良い


「保育園のお陰で手持ち無沙汰だったからねぇ仕事を任せてもらえて嬉しかったよ」

「こっちもこっちで助かりましたからね」

店を休業しているとはいっても、毎日鉄板焼きのランチはしんどかったので正直助かった


新店舗の店長さんもメルナさんにお任せ、基本的なメニューはこちらで用意するけど新メニューが思い浮かんだら試していいよと言ってある、もちろんまだ食材が少ないのでチェックはさせてもらう


二号店の踏ん切りがついたのはクリシュナさんのお陰でも有る、あの燃えるコンクリートで火種の問題が解決、鉄板の下に均一に置くのではなく本店の炭火と同じ様に火種を偏らせて同じ鉄板の上でも焼くエリアと保温エリアに分けられるし本当にあのコンクリートは使い勝手が良くて助かる


クリシュナさんの魔法の授業のおかげで自分たちでも魔力を込められるようにもなったのも大きいな


「しっかりと作物が収穫できるようになれば…」

メルナママさんのつぶやきにそう願わずにはいられない、恩恵に預かって入るけどこの生活はやはり正常とはいい難い


「種はだいぶ取れましたからね、来年は比べられないほど食べ物が増えますよ」

ママさんに言っているようで自分に言い聞かせている言葉


「うちの子もビニールハウスの仕事を手伝い始めてから自然の恵みに感謝するようになったのよ、今年は種撒きから張り切っててね」


「うちもですよ、特にうちの子は今までちゃんと実がなっているのも見たこと有りませんでしたからいい勉強にもなっています」

まだ小さいことも有るがスーパーで並んでいるところしか見たことのなかった娘が作物が育っていく様子を見れたのは良い経験になっただろう


この世界にやって来て一番最初に心配したのはリサのこと、周りには同年代の人間はおらずドワーフの子供とはあまりそりも合っていなかった、変わり始めたのはやはりエルフ、クリシュナさんに会ってからだろう、そのタイミングでたぬきの子達が生まれてからは外へ出る回数も増え今では保育園でお姉さんとして仲良くやれている


そう考えると、エルフが来ていなかったらと思うとぞっとする、娘のこともだが明らかにその状態でオークが来ていれば今のような空気じゃないだろう、下手すりゃ戦闘になっていたかも


「おとーさーん」

考えていれば当の娘がやってきた、今日はうちで働いてくれているデリアちゃんが保育園のお出迎えをしてくれたみたいだ


「いつもありがとうね、うちの子我儘言ったりしてないですか?」

「いえいえ、今日もしっかり者のお姉ちゃんでみんなから大人気でしたよ」

そうなのだ、嫌われ者より人気者の方が良いに決まっているのだがうちの娘に手を出すやつは…


「どうかしました?」

「お父さん変だよ?」

おっといけない、いけない


「なんでもないよデリアちゃんも今年の収穫が終われば落ち着くだろうからよろしくね」

「私は忙しいままでも構わないんですが…」

スピード狂に目覚めてしまった…


「くれぐれも事故だけはしないようにね…」

「もちろんですよ!」

「あはは」

娘よ笑い事ではないのだよ


それから毎日のように現場を見てはスマホのカメラで撮影長かったようであっという間に建てられていく二号店、今の店に愛着は有るが居抜きだったことも有って少し二号店で働くメルナさん達オークさんが羨ましくもあるけど誇らしくもある


無事店は建ち、内装に厨房、鉄板もセットされ試作だという冷蔵庫の具合も問題ないのだけど気がつけばチェックを繰り返してしまうな、嫌味な小姑みたいになってなければいいけど…


このお店は汚水桝もしっかり付けられ今後建てられる家も同じ様になる、排水が何処に消えているのかわからない一号店と違いのだから洗剤も環境に配慮して自然由来の物に変わる、その洗剤はドワーフが元々使っていた物で日本の洗剤よりは汚れが落ちないが仕方がない、子供の頃に学校で昭和の汚染について学んでいるからね、壊すのは一瞬戻るのには数十年



いよいよプレオープン当日、お店の名前はシンプルに『鉄板亭』グランドオープンは今年の作物の収穫後だから長いけどお店の練習期間だ、お客さんはオークが優先これからはお昼もここで取ってもらうことになる


時刻は昼前の11時、リーダーのオルドアさんを先頭に続々とオークの皆さんが入ってくる


「いらっしゃいませ!」

「「「いらっしゃいませ!」」」

俺とメルナさんに店番の奥さんたちの掛け声が響き渡り二号店がオープンした


ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので


『ページの下にある☆マークでの評価』


よろしくお願いします!

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