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攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
二章 コンクリートと魔法
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44:三八式歩兵銃とレンズ作り

本日投稿一話目、15時に二話目投稿しますのでそちらもよろしくお願いします

エルフの里で見つかった小銃の研究はドワーフ、ノウミさん、クレイさんを中心に研究が進んでいた、散弾銃とは弾の形状が違いライフリングと呼ばれる銃身内に螺旋状の溝が刻まれている


これによって銃弾は回転し命中精度・飛距離共に向上するのだとか、再現するためには溝の形状を知る必要があったのだけどここで役に立ったのがまさかのこんにゃくのようなセメントペースト


固まる前に銃身に流し込み固形化したあとに押し出してライフリングの形状を確認したのだ、最初は柔らかすぎたので何度か魔法陣を弄ってちょうどよい硬さで出てくるように調整


ライフリングは四条右回り、同じ溝が掘れるドリルをドワーフが作り同じねじれを再現できるように機械の回転数の設定値を人族が探し出した


ボルトと呼ばれる機関部の再現はスプリングの製造に時間がかかった、スプリング自体は簡単に作れるけど手動で作るため均一化が大変だったのだとか


そして銃弾そのものの再現、これが最も大変で雨季の終わりから冬真っ只中の今でも安定した量産には至っていない


今の主要武器の散弾銃は一度に二発しか装弾できないけどこのライフルは五発、一度に無数の弾が散らばり広範囲をカバーできるが距離と殺傷力の劣る散弾銃


一度で一つの弾しかでない代わりに距離と殺傷力の高いライフルは外したときのことを考えれば大量の弾丸が欲しい


弾丸の量産は要課題、テストをするだけでも一苦労、動作のスムーズさなんかはダミー弾と言って中身の入っていない弾で確認できるけど、実射耐久テストや精度のテストはまだまだ


弾を発射するための火薬の量の最適値に雷管と呼ばれる部品の均一化と課題だらけ


弾の在庫を考えれば戦闘に持っていけるのは実質一丁だけ、これでは戦力とは言えない


それでも飛距離は出る武器、いつぞやの大将さんのお店でクレイさんが話してくれた『相手が武器の性能を知っていてくれれば』牽制にはなるけど…


「シュナにお願いしたいことが有るんだけど…」

申し訳無さそうだけどその眼はどうしてもやってほしいと物語っていた、他でもないクレイさんからのお願い断る理由なんて何処にもない


頼まれたのはレンズというガラスの研究、精度の高いレンズが複数必要でありそれが有れば狙撃と呼ばれる射撃が出来るのだという


遠くまで飛ぶといっても当たるわけじゃない、双眼鏡と呼ばれるレンズを見せてもらった遠くのものがまるで近くにいるように見える道具、ダイヤルを回せば倍率というものまで変わるのだけど最初はそこまで考えなくてもいいと言われた


これを銃に付けることで遠くまで狙える様になる、責任重大ね


まずは半透明のモルタルで知った、砂を溶かす事でガラスが出来ることを基本にしてセメントを抜いて砂と火の魔法を使って溶かそうとしたけど、火力不足


燃えるコンクリートの上に砂を乗せて火の魔法を使ってもまだ溶けない


来る日も来る日もテストが続く


砂もモルタル用の物だけでなく川からも採取してきて試す、それでも溶けない…半透明のモルタルの時は魔法陣が使えたから解かせたけど砂に魔法陣は書けない、書けたとして一つ一つに書くなんて非現実的


半透明のモルタルの時は魔法陣にばかり気を取られてガラス自体をちゃんと調べていなかった、溶かす…化学反応に必要な温度は1200~1400度、鉄が解ける温度は1538度、火力をどうにかして上げつつ鉄は溶けない温度に調整といけない


それと石灰とソーダ灰が必要、これは工場にある原料で助かった


燃えるコンクリートも適当に置くのではなく熱がこもるようにしつつ熱の逃げ道で一番熱が高くなる最適解を探しだす


私だけでそんな計算はできないので品管主任さんがパソコンでシミュレーションデータを取ってくれている


「おつかれさま」

いつの間にかクレイさんが来ていて缶コーヒーを机に置く

「頼んだやつが言うなって言われちゃうかもしれないけどあまり根詰めすぎないでね」

私の好きな甘いコーヒー

「ありがとう」

「まあ、無限湧きの缶コーヒーじゃ癒やされないかもだけど」

そう自動販売機の飲み物もお金は必要だけど無くなることはない、買うためには事務所でとりあえずで作った硬貨もどきと本物の硬貨を交換しないといけないのが面倒ではあるけどね


「そんなことないですよ、ちょうど一息入れたかったところです、主任さんちょっと一息入れてきていいですか~?」


「いいよ~行っといで~」

ひらひらと手を振る主任さんの好意に甘えて外に出ようとすると自分の上着を掛けてくれるクレイさん


「寒いからね」

お手製のイヤーマフを付けて一緒に歩きながら、ん~と背伸びをする

「だいぶおつかれ?」

「いやそうじゃなくて、これまでもここに来てから研究だったり色んな物を作りましたけど明確にこれを作る!って姿勢で作ったことなかったんでなんていうんですかねすごい集中してるっていうか」


「充実してる?」

「ですね」


素敵な旦那さんが居て仕事も充実してて…それでも頭の片隅にユフィが今何をしているのかこの世界に何が起きているのか…


「守るよ」

「え」

「なにか不安そうに見えたから、妹さんのこと話してなかったよね」

ユフィの事知って…でもそうか捕らえられたときにクレイさんとユフィは会っているのだ、私との関係を知っていても不思議じゃない


あの時何を話したのかクレイさんが語ってくれたけどやっぱり目的までは判らない、どうしてあそこまで私を憎んでいるのかも…


「遅くなったけど、ちゃんと話しておきたかったし…顔は似てても君にしか興味ないって」

そんな事を気にしてたんだ、ちょっと子供っぽい所有るんだなんて思っちゃった


「それと!これ!」

嬉しそうな顔で一枚の紙を見せる

「わっ!申請通ったんですね」

それは私達の新居の土地の権利書、壁の中の限られた土地だから建物を建てる時には申請することになっている、申請が通ることは判っていたけどヤキモキしていたからこれが見れて嬉しさと安堵が一緒にやってきた

「土地だけだけどね、建物…新居に関しては一緒に考えていこう」

どんな部屋がほしいとかそういった想像もだけど、それをクレイさんと一緒に考えるんだって想像の方が先に浮かぶ


紙切れ一枚かもしれないけど、着実に先に進んでいる証のようで気持ちが浮く


建設開始は雪解けを待って春、先に大将さんのお店の二号店を建ててその次になる予定、時間はたっぷり有るどんな新居になるのかクリシュナは今から妄想するのだった

ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので


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よろしくお願いします!

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