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攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
二章 コンクリートと魔法
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40:冬の日々 その1

本日投稿二話目、午前中に一話更新してありますのでまだの方はそちらからどうぞ

雪が降り始めた、冬が始まる


大口の取引も存在しない工場は休業状態、向こうの世界では路面が凍結しようが製品に雪が積もっていても交通機関が麻痺でもしない限り運送部も工場もお休みなど有り得なかったそうで向こうの世界も良いことばかりじゃないと知る


ちなみに温泉床暖房が通せない保育園も長期休暇、冬休みになっている


運送部もお仕事は休み、仕事をしているのは胃袋を管理する大将さん達と特に寒い職場である警備部くらい…凍える職場では燃えるコンクリートが役に立っている様でなにより


勝手のわからなかった去年の冬に比べると格段に生活は向上…ただし食糧事情も逼迫


普通は不満やイライラが募る場面なのだけど、温泉の熱を利用した大浴場隣接の床暖房付きのレクリエーションルームで開催される会議用のプロジェクターを使った映画上映会や量は少なくとも毎日提供される大将さんのモツ鍋、腐るコンクリートで発酵させたヤンゲの乳で作ったチーズやヨーグルト、ビニールハウスで作られる野菜と、ストレス解消も出来て最低限のバランスの取れた食事のお陰で栄養失調にまでなることは避けられていた


「いや~これならば餓死者も出さずに済みそうです、改めてお礼を」

レクリエーションルームは宴会場と化し大将さんのモツ鍋をつつきながらオークのリーダー、オルドアが工場長さんに礼を言う


「いえいえ、皆さんが頑張っているからですよ、工事関係では重機並の働きのお陰で間に合ってますからな」


「本当に大勢の餓死者を覚悟していたのです、工場長が決断してくれていたかったら今はない」

信頼されている工場長さんだがとりわけこういった事情でオークからは特に信頼が高くて英雄レベルで尊敬されていたりする


「まあまあそれは言いっこなしで、来年はもっと沢山の食べ物が有るでしょうしもっと良くなりますよ、ところで温泉はどうですか我々人族はとても好きなので気に入っていただけたのなら嬉しいのですがね」


「驚きましたぞ、最初は匂いが…その独特で少し抵抗があったのですが今では温泉のない生活には戻れませんなあれはホカホカと体の芯から温まる、これからの季節にピッタリですな」

うんうんと工場長

「風呂や温泉には他にも良いところがありまして、体を洗い清潔に保つことで病気を防ぐ効果もあるのですよ」

ご機嫌で温泉について語る工場長さん

「なんとそんな効果まで有るとはいやはや温泉様々、たぬきの子供たちにも感謝せねばいけませぬな」

子供たちを誉められたパパのテンションは天元突破、そうでしょうそうでしょうと糸目がとろけきっている


「それとクリシュナ殿が作られたあの燃えるコンクリートも助かっていますよ、あの温度ならば凍死することもないでしょう、ここにたどり着けたという意味だけで言えばゴブリン達に感謝しても良いと思えるくらいです」


捕らえられたゴブリン達だが、せわしなく温泉で働いている、帰ったところで殺されると必至に願いこんでここに居る、裏切ったときは


『お前ボールな』の刑が待っている(脅し文句なだけで本当に待っているわけじゃない)ので素直に働いている、それ以外では特に罰や刑が課されても居ないし里の中も普通に往来が許されている


ビニールハウスの方はビニールの上から養生シートを被せ日が昇っている時間帯だけシートをめくる、栽培のスピードは落ちたけどコツコツと栽培できているから夜の間、養生シートを掛けるのは間違っていないと思う


宴会会場から御暇させてもらって温泉に入る


簡易的な洗い場で体を洗ってから温泉に浸かる、若干熱めの湯が冬の寒さにちょうど良い、パラパラと雪も降っているけどこれも風情


はぁぁぁ~、気持ちよさから声がでる


温泉は火山性の硫黄泉で酸性、PH値は2でクレイさんの働いていた温泉街とほぼ同じでお肌がツルツルになると女性陣からは特に好評でそれを見る男性陣からも好評、気をつけなきゃいけないのは肌の弱い人は効きすぎるのでしっかりと洗い流さないといけないと教えてもらった


それにしても色んな仕事したと言っていたけど本当に多彩、温泉街では売店で働いていたと言ってたツアー客という団体さんが来ると


「どうぞどうぞ」


と試食品としてせんべいを配り、予め温泉まんじゅうの香りをフロアに漂う様にうちわで煽っておいたりと色々と大変だったらしいけど、売り込みをするクレイさんか…ちょっと見てみたかったかも


湯船には種族問わず各々がまったりとした時間を過ごしていてあちらこちらから


ふぅぅぅ~、はぁぁぁ~


と言った息が漏れ聴こえてくる


「あら、クリシュナ様こんばんわ」

そう言って声を掛けてきたのはオークのママさん、隣には娘さんもいる


「こんばんわ、いい湯ですねぇ」

「ええ、温かい湯に浸かるのがこんなに気持ちいいなんて知らなかったわ」


「同意です、こんなに心が癒やされるなんて不思議ですよね」

「そうなのよ!ちょっと嫌なことが有っても湯に浸かると無駄な力も抜けてスッキリするのよ~」

「それにこうやってのんびりとお話も出来ますしね」

「肌もツルツルになるし良い事ずくめよね、あ!そうそう聞いたわよ、結婚するんですってねおめでとうございます」

「おめでと~ございます」

隣の娘さんからもお祝いしてもらっちゃった

「ありがとうございます」

自分の結婚をこうやって他の種族からも祝ってもらえるなんて思ってもいなかったなぁ


延び延びになっている私達の結婚と結婚式、お互いやることが多すぎて仕方がないけど春頃までには出来たら良いなぁなんて温泉のお陰かのんびりと考えることが出来た私だった

ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので


『ページの下にある☆マークでの評価』


よろしくお願いします!

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