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攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
二章 コンクリートと魔法
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34:魔法と魔法陣

本日二話目の投稿になります

魔法は精霊魔法と大地や風、水といった世界を司る元素から力を借りるマナを使用した通常魔法、それと魔物達が使う魔法、おおよそこの三種類に分かれる魔物たちが使う魔法については判っていないというよりも研究などしてこなかったのが現状


今コンクリートに書き込んでいる魔法陣は通常魔法に分類され基本10片の中にそれぞれの要素のマナを組み合わせて一つの効果をコンクリートが発揮する、これが私の生み出した魔法陣コンクリート


10片の一つ一つを変えてどんなコンクリートが出来上がるのかの検証するのが私の今の仕事、場合によっては一つの魔法陣ではなく二重三重に組み合わせることで更に細かい設定と効果が得られるはずなのでデータ取りは重要だ


今取り組んでいるのはコンクリートではなく鉄筋も組まないセメントに水を足しただけのセメントペーストに水の要素を入れて透明度の有るセメントづくりこれが出来れば窓に嵌めてあるガラスと呼ばれる素材に近く硬い物が作れるのではないかという発想から来たものだ


特に冬を前にしてオーク達の仮設住宅には窓も無く光を取り入れることが出来ず日差しを利用した温度の上昇が見込めない


しかし水の要素だけを足してもいつまでも固まらないセメントペーストが出来るだけで思ったような成果は出せなかった、試しにその状態でオートクレーブに入れて高温高圧に晒しても固まりはしたが薄っすらと表面が透明になっただけで透明度は上がらず固まった泥のようになるだけコンクリートのことは本職の人に聞け、品管主任さんと工場長さんに聞いてみる


二人は魔法は門外漢だけど新しい視点が欲しかった


「ガラスのようなコンクリートですかぁ」

お二人共顔が流石にそれは…と物語っている、この研究は没にするしか無いかなぁ


「とりあえずどんな原理で作ろうとしているのか教えてもらえますかね」

私が水のマナを取り入れてセメントを透明にしようとしていることを説明する


「…」

やっぱり駄目かな?

「専門外なので詳しくは知らないがガラスは砂を高温で溶かして作っていたと思います、だから砂を加えてモルタルにして逆に火の元素を…マナを多めにしてモルタル内の砂を溶かしてみるというのはどうですかね」


「なるほど、火ですか」


「出来るかどうかは分かりませんけどね、なにせ魔法なんて言う向こうには無い物を使うわけですから何が起きるか検討もつきません…くれぐれも怪我や事故だけは起こさないようにお願いしますよ」


知らない人からすれば嫌味に聞こえそうだけど、工場長さんが心配して言ってくれているのだともう経験で私にも判る



火と水のマナは反発し合うので魔法陣の中でも相性が悪いと言うか、加減を間違えると爆発を起こす可能性がある、極力少量でトライアンドエラーを繰り返す


外向きに発動させるのではなく内向き、モルタルの内側に向かって効果を発動させる魔法陣を追加して二重の魔法陣にして…


試作を重ねると透明とまでは行かないが光を通すモルタルが出来上がった、砂が溶けているのでもうモルタルとは言えないか現時点ではこれが精一杯というかこれ以上は組み合わせるのにもっと複雑な魔法陣が必要且つ込める魔力の量の精度を上げなければいけない、こすぱというやつが悪いのだ下手すれば爆発するし…安定という意味では今はこの状態がベスト、これ以上は追々極めて行けばいいでしょう


現時点でのベストなものを持って工場事務所に行く


「これは…また奇想天外なものを…」

工場長さんの口が開きっぱなし、品管主任さんは


「向こうの世界で作れたら…いや魔法がないか…」

喜んでくれているけど複雑な気持ちみたい


斯くして仮設住宅から移行されるオーク居住区の新しい家にはこの半透明モルタルが採用される見通しになった


オーク達の新しい家も仮、冬に備えて仮の仮住居、雨季に冬と慌ただしく仮設住宅を建て替えるのだ、確かに養生シートで覆っただけの仮設住宅では冬の寒さはしのげないから仕方がないのだけど本当に慌ただしい


今度の家に使われる壁材は湾曲したセグメントと呼ばれるトンネルに使う壁材を利用して壁と屋根を兼ねるそうで設計図を見たクレイさんが


「掩体壕みたい」

と、えんたいごうが私には解らないけど大将さんのお店で出てくるかまぼこみたいだと言えば

「たしかにかまぼこだね」

と相づちを打ってくれた


セグメントには窓枠はないので型枠を一つドワーフ達が改造する作業でてんやわんやしている


窓枠付き以外のセグメントは既に完成していて仮設住宅の隣に新しいセグメント製仮設住宅の建設が進んでいた


25tラフターで釣り上げられたコンクリートのセグメントを宙に浮かべたまま器用に接続していくクレイさん…クレイさん事務仕事の人のはずなんだけどこういった作業をよくしている、前に一度


「工場の事務所の人はいつも事務所の中にいるのになんでクレイさんは外で作業するんですか?」


と聞いてみたのだけど


「ブラックで人手がなかったからね」

ブラックとはホワイトの逆であまり良くない仕事環境のことを差すらしい


でも今はクレイさんもホワイトだと言っていたのだから外に出なくてもいいと思うんだけど…


結局外で仕事をするのが好きなんだろうな楽しそうだし、事務職もたまたま仕事初日に事務所の人が蒸発…居なくなったからなし崩し的に事務所勤務になったって教えてくれたしね


楽しそうだけど、この後は魔法のお勉強が待ってますよクレイさん


クレイさんの拉致事件を機に人族も含めた魔法の勉強をすることになったのだ


ドワーフもオークも魔力は有るけど魔法は得意ではない、今まではそれぞれ交友ややり取りがなく教えるといったこともなかったが、どうせ人族に教えるのならということでドワーフやオークからも若い者が集められた


その前にお昼ご飯ね、最近作り始めたお弁当を手に私はクレイさんに声を掛けたのだった

ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので


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をよろしくお願いします!つまらないと思えば低評価でも構いませんので是非お願いします。

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