表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
二章 コンクリートと魔法
33/166

31:先を見据えて

一度付いた習性とは中々消えないものらしい


15tトラックが木々を積んで工場に戻ってくるのだが


「これってもっと積めそうですけど…」


「あ~これね、別にこの世界には高さ制限ないんだけどもう体に染み付いちまってんだ」

別に理由があってではなくそういうものだからという3.8メートルという向こうでの法律のせいらしい、まあ積みすぎてとっぷへびーという状態になるよりマシだべとはドライバーのよっしーさんの言、確かに事故を起こすほど積まなくたって何台もトラックは居るのだ、工場の壁に大きく書かれた安全第一の通りで行こう


それにしても、よっしーさんが嬉しそう普段はコンクリートの城壁の上で警備任務をしているのだけど、やはりドライバーさんの方が向いてるんだろう、こういうのを水を得た魚というらしい


現地である程度枝葉を落とされた木は工場内に運ばれて、これまた本来はコンクリート杭を持ち上げるクレーンによってオートクレーブ釜の前まで運ばれる釜の前にはレール、レールの上には台車がありその上に木々が乗せられワイヤーによって木々が台車に固定されガタンゴトンと窯の中へと入っていく


中の温度は200℃まで調整できるそうで蒸気はできる限り抑え高温高圧で数時間掛けて蒸し焼きにするのだそうだが木の蒸し焼きというのが私には想像できない


蒸し焼きにされてでてくるまでまだ時間が有るので新規造成されているエリアの様子でも見に行ってみることにした


ここはオークの居住エリアの隣に作られた大将さんのアイデアで作られた養殖エリア、卵を生む鳥達を育てる小屋が並び隣にはヤンゲ…山羊を飼えそうな囲い、その向かいにはコンクリートで出来た水槽と呼ばれる池、まだ水は張られていないのは池は城壁の外の排水路に一番近い位置にあり城壁の下に通すダクトを使って水の入れ替えができるようにするからなのだそうだ、工事が大変そう


大将さんが居るけどなんだかソワソワしている隣にはオークのオルドアさんこちらはいつも通りどーんと構えている、何か有ったのかな?


「こんにちわ~、何か有ったんですか?」

「やあクリシュナさん、結婚おめでとう」

もう大将さんにまで伝わっているのか

「ありがとうございます、まだ婚約中ですけどね」


どうやらレシーバーで養殖できそうな動物を生け捕りに出来た連絡が来たそうで、ここに連れられてくるのを待っているんだそうだ、なるほどそれで大将さんは興奮しているのか


一台の社用車が近づいてくるあれかな?


「おまたせ~」

まっちゃんさんとクレイさんだ、本当にドライバーさん達は車に乗ってるときが楽しそうだ、まあ一年以上まともにドライバーとしての仕事がなかったのだから仕方がないのかもしれない

「確かにこれは鶏だな攻撃的だけど」

まっちゃんさんがトランクの前に立ちちょっと嫌そうにトランクに手をかける


コケーーーー


トランクを開けた途端に逃げ出そうとする二羽のゲラ鳥の首をオルドアさんがむんずと掴んで小屋に押し込んだ


「ありがとうございます助かりました」

まあ初めてゲラ鳥の凶暴性見たらそうなるかもしれない、これでも魔物の類と比べれば何でもないレベルなんだけどね


「いえいえ、それよりどうです?飼えそうですか?」

「ちょっと怖いですが殺されるような怖さではないので大丈夫かな?あとは卵を生んでくれるかどうかですね」


「これくらいなら親父の軍鶏で慣れてますから最初のうちは手伝いますよ」

そうだったクレイさんはお父さんが軍鶏を飼っていた影響でゲラ鳥を見ても全然動じてない


「助かります」

内心怖かったんだろうなと大将さんの態度で察してしまう


「あと大将これなんだけど」

そう言ってビニール袋から取り出したのはトルテの実、向こうの世界で言うと何になるのかな?


トルテの実を手にとって四方八方から眺める大将さん

「ん~、専門家じゃないから違うかもしれないけどトマトの原種とかがこんな感じだったのを何かで見た気がする」


「クリシュナさん、オルドアさんこれって毒とか有ったりしますか?」

一応食べてみたことは有るけど美味しくはない毒はないので私もオルドアさんも首を横に振って毒がないことを伝える


あまり似てなかったのでトマトが想像できなかった本当にトマトなのかしら?


でも他の種族も含めて食べる事は少ないからこそゴブリン達の妨害を受けなかったのだから食べれるようになるのなら嬉しい


「トマトもそうだけど人の手が加わって食べるのに適した野菜になっているものが多いからね、育ててみてもいいかもね、何世代掛かるかわからないけどガルシアさんに言って植えといてもらうね、それに調理法次第で食べられるかもしれないし」


そう言ってトルテの実をかじる大将さん、いかにも不味いといった顔をした後に


「見つけたら調理用に持ってきてくれると嬉しいかな」


食に関しての情熱が凄い、あんなに不味そうにしたのにまだ持って来いとは…


苦笑いしながらも先を見据えているんだろう、大将さんはじっとかじったトルテの実を見つめていた


そうこうしているうちに時間が経ちもうすぐ窯を開く時間、クレイさんと一緒に第一陣となる窯出しを見に行く


窯が開き、台車にウインチを引っ掛けて窯から木々が引き出される、品管さんとクレイさんが木々の様子を見るが


「う~ん、乾燥してるって感じじゃないですね」

「なんか微妙だね…」


今回はうまく行かなかったようだけど何事も試行錯誤、大将さんの食材と一緒!トライアンドエラーで頑張っていこー!


木々はもう一度窯の中へと戻されていったのだった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ