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攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
一章  コンクリートの町とエルフ
25/166

25:遺物(前半ノウミ視点後半クレイ視点)

爆風で屋根が跳ね上がり吹き飛んだ


「マジかよ」

降ってきた屋根にゴブリン達が巻き込まれノウミ達はとっさに反応したスワンザによって部屋に押し込まれた事で間一髪免れたが残骸で外に出れない、ミュレッタは朦朧としたままただの棒にしか見えない鍵を持って何かを呟いている


「スワンザ!生きてるか」

返事が帰ってこない、クソっ


振り返ればミュレッタはうずくまったまま気を失っている

「しっかりしろ」

だめか、それにしてもこの部屋…かまぼこの様な半円球状の天井、何処かで見たことが有るような気がする何処だったか


入って正面には大きな扉、しかしそこは強引にこじ開けられ中にはめちゃくちゃだ、ミュレッタが鍵で開けたのはたのはそこじゃない


何の変哲も無い壁に向かって鍵を握って呪文のようなものを呟いただけ


壁の一部が消えて奥へと続いている、鍵と呪文で現れる隠し部屋か道理で鍵と言っても俺達の知る形をしていないわけだ


何を持ってくれば良いのか聞いていないが今のミュレッタを起こすのは気が引ける


気を失っているミュレッタを横に寝かせ奥へと一人で進む


中には暗がりで薄っすらと光を放つ宝玉とでも言えば良いのか野球ボール程の玉がある手で触れても大丈夫だろうか…


少しためらったがあまり時間が有るわけではない


手に持つと光が強まった…


なんだコレ、ノウミの頭に見知らぬ光景が駆け巡る、いや見たことはないが知っている光景


脳裏に記憶が焼き付いていき一層宝玉は光り輝き部屋を照らした


「これは遺品か?」


外からはばらばらがらがらと何かが崩れている音、もう時間がない


片っ端から入れられるだけの物をかき集めザックに突っ込みミュレッタを起こす

「くっ、私…」


「喋らなくていい、探してたのはこいつで良いんだろ」

宝玉を見せるとホッとした表情を見せるミュレッタ


「ノウミ達大丈夫か?返事しろ」

外からはヤノットの声が聴こえてきた


「俺は大丈夫だミュレッタが肩を撃たれたそれにスワンザが崩落に巻き込まれた」

「俺なら問題ない待ってろ今助ける」

バキバキと音を立ててあっという間に扉が壊されスワンザの巨体が現れる、スワンザだけでなく他のオークも手伝ってくれている、オークスゲーな頑丈さといいパワーと言いちょっとした重機レベルじゃねえか

「まだ色々と落ちてくる気をつけろよ」

「判った先にミュレッタを頼む」

「ん?」


無意識なんだろうが袖を掴まれていて離さない、仕方ない所謂お姫様抱っこで飛び出した



======


「ぷはっ!」

もう無理という所まで止めていた呼吸、肺が酸素を求めて大きく空気を吸い込んだ、助かった!


球体を保っていた水は物理法則に従ってバシャンと形を失い俺達も床に倒れる


「クリシュナさん?」

頬を軽く叩くが反応がない、水を飲んでしまったか酸欠か詳しくは判らないがこういう時は


「げほっ、かはっ」

意識が戻った、良かった


「助かった?」

屋根がなくなったことで雨が入り込み急速に鎮火しつつ有るが部屋はまだ燃えている

「うん、上手くいったよ…賭けだったけど」

本当に賭けだった、何処かで読んだか見たか水の密度は空気に比べて800倍ほど、銃弾ですら水の中では1メートルも進めないというもの、魔法をまともに使えない俺でもその魔力を彼女に渡せば水球で体を包めるんじゃないかという、もう一度同じことをしても成功する確証もない思いつき


彼女の言う獄炎がどんな魔法か見たことはないし魔法が物理法則に従ってくれるかも解らないがそれしか無かった、キャビンの中身を全部出して倒し二人で中に入って上にはベッド


意味があるかどうかは解らなかったけどやっぱ少しでも確率を上げたかった、結果はご覧の通りなわけだけど


「みんなは?」

下を覗き込んで見ればオーク達が何かやってる

「あのオーク達は何をしてるんだ?」

敵か味方かわからない俺にクリシュナさんが事情を話してくれた


よく見えないが瓦礫をどかしているのか


「下に降りましょう」

「…うんそうだね」

「どうかしました?」

言えない高すぎるなんて、そりゃあ工場で積み込みの手伝いで積み重なった製品の上に乗ったり天井クレーンを運転したことは有るけどさどんなに高くても10メーターかそこら、ゲームなんかでエルフの里が木の上にあるとか見たことは有っても現実で体験したいことじゃないや軽く20メーター以上は有る、杭打機の上くらいは有る、高すぎる場所だと保険は入れないんだっけ?橋のメンテの人とか…いやどうでもいい事だ、それよりもクリシュナさんにバレないようにしないと


この男ムッツリでカッコつけなのである


「行きましょうか」

「声震えてますけど、高いところ苦手なんですか?」

「そんな事無いですよ」


彼女の手を握る、汗ばんでなければいいけど…


やっと落ちても死ななそうな所まで来た、だが油断してはいけないトラック協会の資料では1メートルでの死傷事故が一番多いと言っていたじゃないかプラス雨だ踏み外してなんてまっぴらごめん、真面目に安全講習に出て知ってるんだ、


地面、愛しの地面!転けても死なない地面打ちどころ悪けりゃ死ぬけどそんな事が起きるのは死を定められたホラー映画くらい普通は死なない


バレてないよね横を見ればニッコリと微笑む彼女…彼女だってうぬぼれてよかですか?


「クレイちゃん、無事だったか」

ノウミさんも怪我をして無いようで良かった


「何がどうなったんだ?」

ドワーフが声を掛けてきたえっと誰だっけ…たしか族長の息子のヤノットだ


「詳しいことは後で、それよりも此処はいつ敵が戻ってくるか分かりませんドワーフの里に戻りながら説明しますから」

クリシュナさんがテキパキと場を仕切る、なんか前とイメージ変わった?


オーク達も沢山居るが…


移動しながら説明を受ける、俺の捜索のために各種族から選抜隊が組織され俺には覚えがないのだが暴れた時に偶然ダークエルフの腕輪を落としたのが切っ掛けでここまで来たと

「これ私が預かってましたお返ししますね」

クリシュナさんがそう言って見せたのは軍港町のお土産品、なんかすごい大切そうに見せてくれてお気に入りだったけど更に付加価値が付いた気がした

「ありがとうクリシュナさん」

「…」

?なんだろうこの間は

「行きましょうか」

何事もなかったかのようにクリシュナさんは歩き出す、なんか怒ってる?


大人のオークに子供のオーク、ひー、ふー、みー…


俺の救出に向かったら住人が増えましたとか工場長切れないよね?不可抗力だもん俺のせいじゃない

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