閑話:今度こそ
誤字脱字報告いつもありがとうございます(っ_ _)っ
僕はこの人を知っている気がする
初めて出会ったはずの黒髪の人
正確にはこの人ではなく、この人と同じ人達を知っていると言ったほうが良いのかもしれない
その男の人と耳の長い女の人、一緒に旅をしていると言っていた
僕を見て驚いていたけど何故か喜んでいたのを覚えてる、僕が動くとまた驚いた
僕はこの人たちに付いていくことにした、何故か懐かしかったから
耳の長い人が辛そうだったから乗せて一緒に旅をする
僕の頭をぽんぽんと叩いて褒めてくれる黒髪の人、最初は僕を怖がっていた女の人も微笑んでくれた
女の人はこの世界の事を教えてくれた、僕が居た世界とは違う理…僕ももしかしたら二人みたいにお話できるかもしれないって、それは魔法って言うんだって
そんな事言われたら頑張っちゃうよね
女の人のお腹の中には赤ちゃんが居るのだと男の人が教えてくれた
赤ちゃんなら僕も見たことが有る、何処でだったのかは思い出せないけど赤ちゃんは大切で守らなくちゃいけないんだっていう事は覚えてる
赤ちゃんとお話出来るように、喋れるように、女の人のお話いっぱい聞いたよ
女の人のお腹は日に日に大きくなって
ついに赤ちゃんが産まれたよ、真っ白な女の人の子供なのに色は全然似てなかったでも可愛いんだ
赤ちゃんが生まれたとき男の人…お父さんにお願いされた
「この子を守ってやってくれ」
そんな事言われなくても守るに決まってる、だって可愛いんだもん
女の人…お母さんの言うことを聞いて魔法が出来るようになったよ
これでこの子…妹が僕に触れても痛い痛いしない
一緒に居るだけで嬉しくって楽しい
でも他の人達はそうじゃないみたい、この子を変な目で見るんだ、なんで?
僕は怒った!でも僕が怒るとその場所にはもう居られなくなった…だから僕は怒っちゃいけないんだ
それからも三人と僕で旅をした
魔物なんてへっちゃらさ僕が倒しちゃうんだから
======
妹の泣き声がする
助けに行かなくちゃ、助けに行かなくちゃいけないのに視界は真っ暗で身体が動かない、なんで?
お父さんとお母さんは何処?
離れていく妹の泣き声、頑張っても頑張っても身体は動かない
誰でもいい誰か妹を助けて!
妹の声が聞こえなくなって、お父さんもお母さんも来てくれなくて
僕は一人になったのだと解った
お父さんお母さんごめんなさい
約束を守れなくてごめんなさい
謝っても誰も許してくれない…許してくれなくていいから誰かに返事をしてほしかった…
======
暗闇に閉ざされたままどれ程の時が流れたのだろう
音が聞こえてきた、僕みたいな足音だった
音が近づいてくる、ここから出られたのならまだお父さんとの約束を果たせるかもしれない
お願い僕を出して!妹を助けさせて!
お母さんに教わった魔法の使い方を思い出して唱える、凄い勢いで力が無くなっていくのが判る…でも今見つけてもらえないともう二度と見つけてもらえないかもしれない必死に魔法を唱え続けた
突然視界が明るくなって…身体が動く!僕のの身体はお父さんみたいな形になってるお父さんみたいに動ける
振り向くと岩がいっぱいで僕の本当の身体はこの中に埋もれてると直感した…出してもらわないと
僕は歩き出す
お父さんと同じ色の髪の人を見つけた!
声を掛けるけどあまり言葉は通じてないみたいだった、それでもお願いする
今度はお母さんとそっくりの耳の女の人来てくれて僕を助けようって言ってくれた
僕の身体を仲間が掘り起こしてくれる、お話は出来ないけど助けてくれた
======
助けてもらった後はぼろぼろになっていた身体を直したり新しい部品を付けたりして僕を強くしてくれた
お父さんみたいな男の人はクレイ
お母さんみたいな女の人はクリシュナって言うんだ
二人には嫌われたくないから隠れて人の身体になって妹やお父さんお母さんを探したりした
でも見つけることは出来なくて…
お父さんみたいなクレイはたまに僕が人の姿になっているんじゃないかって疑っていた…怖い顔してたからやっぱりバレちゃいけないんだと思った
僕はお仕事で駐屯地って場所に移動することになったからバレることは無くなった、でも二人にも会えなくなった、寂しい…
======
駐屯地に二人が久しぶりにやってきた、嬉しい!
もっと嬉しかったのは妹そっくりの赤ちゃんが居た事、でも妹の事を思い出すと喜んじゃいけない気がした…
でも…せめて妹の様な事はもう絶対に起こさせない
だから僕はこの子達を護れるようにならなきゃいけないんだ、この身体を作り出したようにもう一つの身体を作ることにした
ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので
『ページの下にある☆マークでの評価』
よろしくお願いします!