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140:たとえそれが従者でも

今日の執筆はは二転三転遅くなりすいません

「シュナ、シェリティナのこと抱っこしてあげたいだろうけど少しの間だからごめんね」


「大丈夫ですよ、これだってクレイさんの愛の形なんですから」


最近のシュナは堂々と『愛』って言葉を使ってくれる、こないだの一件で自分の中で踏ん切りが付いたのかもしれない…恥ずかしがるシュナも可愛かったけど今のシュナも好きだ


社用車の後部座席に取り付けられた真新しいチャイルドシートにちょこんと座るというか眠っている姿勢のシェリティナは抱っこされていないこの状況にきょとんとしている


チャイルドシートの製作はドワーフが構造や設計、装飾はホビットが担当してくれた上に出産祝いで贈ってくれた物、嬉しいことに回転式だから出発までの間は運転席からでもちょこちょこと手足を動かす娘を見ていられる


ママに抱っこされなくて泣いちゃうかとも思ったが全然大丈夫そう、それよりも何が起きているのかワクワクしているようにすら見えるから我が子は頼もしい


パシャ、取り出したスマホで思わず我が子の初チャイルドシート写真を撮影

「パパはあなたの初めてを沢山写真で撮りたいんだって」


助手席ではなく後部座席でチャイルドシートの


パシャ

「そう言っておきながらも俺のお古のスマホで君だって撮ってるじゃん」

可愛いんだから仕方がないけど


「こほん!」


おっと助手席にはメーベも居るんだった

「お熱いのはとても喜ばしいですが出発したら安全運転でお願いします」


「勿論です、じゃあシュナ、シートを回転させてくれる?」

「座席の向きと逆になるようにするんでしたよね」


「そうそう」

振り向いてチャイルドシートの向きもしっかりと目視に指差呼称

「よし!じゃあ出発しますよ~」


ゆっくりと丘を降りる時の掛かるG(重力加速度)が面白いのか、だぁだぁとはしゃぐシェリティナの様子にふと父の事を思いだして笑ってしまう


「クレイ様どうかしましたか?」

「いやシェリティナは間違いなく俺の子だなぁって」


「当たり前です!姫様は不埒な真似などするわけがない」

どうやらメーベは言葉通りに受け取ってしまった様で慌てて訂正する


「ごめんごめん、そういうことじゃなくて子供の頃の俺も車に乗るとさ、こういう揺れとかGとかが好きで坂道でちょっとしたジャンプを親父にせがんだりしてたことを思い出したんだ、もちろん安全な場所でだぞ、それにシェリティナにもしようとか思ってないからね」


メーベは信じてないのか訝しげな眼で

「それシェリティナ姫がせがんで来たとしてもちゃんと断って下さいね」


「…もちろん!」

「なんですか、今一瞬間が有りましたね、姫様今後の運転は私が致します、さあ車を停めて下さい」


「解りました解りましたぁ!絶対にしないのでそれはやめて」

「解れば良いんです」


「まあまあ、クレイさんは昔話しただけなんだからメーベも程々にね」


シュナがフォローしてくれる…ありがとうママ!と思ったのに…


「姫様!姫様がそんなことではシェリティナ様をどうお守りするのです?ご自身のお子の話をしているのですよもっと自覚を持ってもらわないと困ります!」


「ごめんなさい…」


フォローのはずが予想以上にメーベが怒る…まさか火に油を注ぐ結果に成るとは思ってもいなかった従者としての気持ちは判るけど言いすぎじゃないか?


ぶぇ…びぇ…びゃぁぁ


この空気を感じ取ったのかシェリティナが泣き出してしまい一気に車内の体感温度がぐっと下がる


これは良くない…ほんの少し前までの楽しいドライブがどうしてこうなった…俺は一つ深呼吸をしてから車を止める


「ちょっと落ち着こう、赤ん坊に聞かせる話じゃないから車から降りて話をしようか」


有無を言わせずに二人を降ろしてから俺も外にでる


何なんですかといった感じのメーベに強い口調で伝える

「メーベ、シュナに謝って」


「私が?なぜ?」

「メーベが本気でシュナが我が子を危険にさらすなんて思っているのが許せない、俺の妻に謝れ」


「私はシェリティナ様の安全の為に言っただけの事」

「車内であんな言い方するのが安全の為なの?俺に釘を差すのは構わないがシュナを落ち込ませて、母親を不安にさせて、シェリティナを泣かせるのがあの場の最適解?俺はしないと伝えたよね」


できるだけ感情を抑えて話たが怒っているのはメーベに伝わったのだろう


「申し訳有りませんでした」

謝るメーベだったけど、そうじゃない


「俺じゃなくてシュナに謝ってって言ったよね」


「クレイさん?私はメーベの事理解してるし大丈夫だから…ね」

ずっと一緒に育ってきたシュナにはそうでも俺にとっては違うからここは俺達の関係をはっきりさせる


「駄目だ、これはメーベがシュナの従者としてしたこと、俺は君のパートナーとしてメーベを許す気はないから」


絶対に譲らずにしっかりとシュナに向き直させて謝らせた


「この話はここまで、車内に戻ったらさっきまでのことは無し、もし蒸し返したり似たようなことしたら次は置いていくから」


メーベに対して本気で怒ったのは初めてだと思う、でもこれは相手が誰であれ言う


俺はクリシュナの夫なんだから


車に乗り込み何事もなかったかの様に車を走らせた

ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので


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