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攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
幕間章 ぱぱまま奮闘記
145/166

134:準備してても予習してても

本日投稿2話目

「「ヴェェァァ」」


「「「「「「ヴェェァァ」」」」」」

鳴き真似をする仔たぬきズに対して更に全頭で鳴き返すオリーブ羊達


その反応にキャッキャと喜ぶ子供達、今日は日曜日久しぶりにエルフママ達も集まってオリーブ羊達を見に来たのだ、カナさんとリサちゃんと大将さんの親子にノウミさんと妊娠中のミュレッタの姿も有る


さっきから面白いのはクレイさんもノウミさんも私達の大きなお腹が気になるからちょっとした事で同じ様な反応をしている事


メーベは一歩下がって様子を見ているけどその手はヒルデの手と繋がっている、なんかこういうの久しぶりな気がする、引っ越したと思ったら私が妊娠してみんなとの時間は減ったからね仕方ないことだけど


「は~い、これから収穫だよ~無理して小さいのまで採らないように~」

「は~い」


収穫向上の力を持つガルシアさんがオリーブ羊達の世話を担当、植物じゃないから効果の程はわからないけどね


皮膚を傷つけないためにゴムを嵌めてある木製のちっちゃな熊手を使ってぽりぽりと彼らの身体を掻く


「ごっそり採れた!シュナこれ快感!」

なんだろうあれクレイさんがすっごい楽しそうで私もやってみたくてうずうずするじゃない


熊手を持って身体を掻く?というか通してみれば


ぷちぷちぷち

なにこれ~気持ちいぃ~


ヴェェぁぁ~

なんかオリーブ羊も声が気持ちよさそう


「おっさんの入浴の時に出る声」

とクレイさんが例えてたぬき温泉の男湯の方から聞こえてくるアレかと妙に納得


実を落とすとその下からは木の根の様な暗くて濃い茶色の体毛?が見えてくる魔物や動物なのに植物っぽくて不思議な生き物


落ちた実は本物の大きな熊手で集めて今度は色毎に分けて集める、色ごとに含まれる魔力量が濃くなるほど量が多くなる


当初言われていた油についても抽出する事が出来た

クレイさん曰く

「名目上は動物性になるはずなんだけど性質的には植物性の特徴が強いんだよね」

とのこと、なんでも動物性はバターみたいに常温で固まりやすく植物性は常温でも液体になり易いんだとか


細かいことは置いといて、今はこの感触を楽しもう


ぷちぷちぷち


う~、やっぱりこれ気持ちいい~、ミュレッタも気持ちよさそう


「ミュレッタも楽しんでる?」

「はい、姫様」


「その…駐屯地の方はどう?」

「問題ないですよ、ノウミさんも優しいし、あっ!最近軍部の方達だけでなくフェデンさんの息子さんたちも移動とか手伝ってくれるんですよ」


良かったミュレッタは軍属なのと旦那さんがノウミさんという事も有ってずっとシンバ駐屯地に居るから私よりも自由が少ない、ストレスも大きいんじゃないかと心配していたのでホッとした


「、、、」

「姫様?」


「息が…」

痛い…息ができない…


止まった呼吸分を取り戻すかのように大きく息を吸う

始まったかも?多分本陣痛じゃない方

カナさんが貸してくれた本の情報だと何だっけ?前駆陣痛、ここから先は…個人差が有るんだっけ?


「ママ?」

「クリシュナママ!」

「クレイ兄ちゃんママが!」


「シュナ?シュナ始まったのか?」

「多分…」


苦しいのは私のはずなのにみんな青ざめてるのが見えて笑おうとしたけど痛みで笑えなかった

「でも陣痛って前駆陣痛から結構時間が有るんですよね」

クレイさんもだいぶ動揺していてあわあわ

「しっかりしなさい!がたがた言わないの、そんなの当人にも判んないんだから私達に判るわけ無いでしょ、準備は速いに越したこと無いのよ」


「は、はい!大将!手伝ってくれ」

事態を察した大将さんが駆け寄って来て

「シュナ!肩を掴める?」

「うん」


「リサ、サトルを頼める?」

「うん大丈夫!臨時休業だってみんなに伝えるもん」

「いい子ね、お父さんとお母さんお手伝いに行って来るわね」


正直経験者の人が一緒に来てくれるのは心強い

「私の時と同じで駐屯地でいいのよね?」

「ええ、お願いしまう」

嚙んだけど気にしてられる場合じゃない


「姫様しっかり!」

「俺達も後から行くから」

メーベやノウミさんが声を掛けてくれる


「あなた、運転はお願いね」

「いや運転は俺が」


「冗談じゃない動揺してる旦那の運転なんかで行けないわよ、ほら嫁の側に居て手でも握ってあげなさい」

相変わらず男前なカナさん格好良い


私達は車に乗り込んで駐屯地へと車を走らせる

「あなた安全運転でお願いね、それと駐屯地への連絡は?」

「今日はエルフ全員こっちに来ちゃってるので…」

「そうだったわね、どうしようかしらってあら?」


後ろからバイクに乗ったノウミさんが追いかけてきて並ぶとサムズ・アップして追い抜いていった

これは連絡は任せとけってことでいいのかな


近さで言ったら王都の中にも産婆さんは居る、でも衛生面では駐屯地が良いらしくてカナさんの時も駐屯地での出産だったからどの部屋とかも判る


本で得た知識にしても場所にしても事前に知っている事がこんなに心の安心になるなんて思っても無かった


何も知らないまま子供を産むとなっていたら辛さと怖さはこんなものじゃなかっただろう


「破水したわ、駐屯地まで後どれくらい?」

感覚がぐちゃぐちゃで自分では気付けなかった、カナさんが心強すぎて涙が出てくる


「後10分位で着くからねシュナ頑張って」

「うん…」


駐屯地に到着するとオークの兵士さんがストレッチャーを持って待っていてくれたノウミさんが指示してくれたんだ


出来るだけ丁寧に揺らさないように私を運ぶ兵士さんでもそれどころじゃなく苦しい


分娩室の手前でクレイさんたちと別れた、此処から先は消毒などを済ませた人たちだけが入ると知っているのに知っている人が居なくなり急に心細くなる


陣痛は間隔が縮まっていくものと習ったけど痛い時間が永遠の様に感じられて落ち着いた時間は一瞬にしか感じなくて間隔が縮まっているのかどうかわかんないよ…


「クリシュナちゃんお待たせ」

現れたのは白い服に髪はネットに入れてマスクに薄いゴム手袋姿のカナさん、もうカナ姉さんって呼んでもいいですか?


分娩室には他にも各種族の出産経験者の女性が居てくれて私に色々と声を掛けてくれた、とにかく呼吸法を守ることだけで精一杯



どれだけ時間が経ったのかわからないけど凄い長く掛かってる気がする、カナさんの時はもっと速くなかった?私がそう感じてるだけで時間経ってない?


しんどい、しんどいけどお母さん頑張るから!

ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので


『ページの下にある☆マークでの評価』


よろしくお願いします!

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