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攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
六章 コンクルザディアの大改革
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132:国教とか為替とかオリーブ漬け

「国教ですか」

フェデン、ストラゼのサンダン王国組も同席した大会議、『新生物に関する取り決め』の為のものだがそれ以外の項目についての意見交換が行われていた


その中での一コマで国教についての進言がフェデンより有ったのだ


「そうです、これから先我が国以外とのやり取りを行う時がいずれ訪れるでしょう、そうなるとまずどの国もその国の宗教で敵かそれとも付き合っていくべきかを判断すると言っても良い、それが全てではないですがその比重はかなり大きいと考えていただきたい」


進言というよりはレクチャーに近い、政治面はてんでポンコツのコンクルザディア王国ちゃんにこうして異世界で数百年の歴史を持つ大先輩が教えてくれるというとてもありがたいレクチャー


為替についても話を詰めている段階、双方の通貨形態から変動性を取り入れるのは不可能やれたとしても現状誰も得をしないので却下


俺達コンクルザディアの人間がしていた勘違い、通貨が存在するとフェデンから聞いて勝手に金銀銅の通貨だと思い込んだ所為


気がついたのはエピリズがまだ捕虜収容所の頃、だから賠償金をふっかけて金本位制から管理通貨制度になんて計画は最初っから出来やしなかったのだ


金貨・銀貨・銅貨は存在するもののごく少量しか無く、民間の商売では見かけることはまず無い国家間のやり取りで使われる位しかない


鉱物を主要通貨にしていなということは産出量が少ないという事実の裏返しなのではないかとその時点で思ったのだが


主要通貨として使われるのは囲碁の碁を一回り平ぺったくしたような石?が硬貨であり色によって価値が違うのだが素材はサンダン王国の国家機密、秘匿されている


それに伴い現在交易の拠点であるエピリズにやってくる商人に対して取られている対応は


『あらかじめサンダン王国にて予算をこちらが発行した引換券に変えてもらいその券で商いをしてもらいサンダン王国に帰国後に再度引換券をサンダン王国通貨に変換するという方式』


参考にしたのは俺が実家で祖父に見せてもらったB円という沖縄・奄美が米軍占領下で発行された軍券を元にしたもの


ちなみに元金は元金で証書が発行され商人たちはそれを自分の店に預けてから出発する、引換券は都度エピリズでの商談成立後に登録者番号のスタンプが押されるのでスタンプなしは持ってきても証書がなければ元金すら回収できなくしてある


ありがたかったのは彼らの通貨の石の色によって価値が


1・5・10・100・1000・5000・10000と現代日本の紙幣通貨に近い形式を取っていてくれたことだ


これによってこちらも対応する引換券の印刷を削減できたし、何より計算が楽で量としても無駄が少ない


この引換券はサンダン王国商人にも喜ばれているとフェデン殿から報告を受けた、実質証券のようなものであり引き換えにはこちらが作った顔写真付きの登録証がサンダン王国での換金所で必要になる、引換券だけを持っていっても換金できないため防犯対策も出来た上に硬貨という積み荷無しで商いが出来るからだ


利便性を上げるためにエピリズの村には銀行も建設中、銀行では引換券だけでなく通常のコンクルザディア紙幣・硬貨の取り扱いも可能でエピリズの住人の給与等の口座にも携わってもらうつもりだ



======

一通りの議題をこなし昼食も挟んで終わったのは夕方、陽が落ちるのもだいぶ早くなり辺りは暗くなりかけていた


「お疲れだったなクレイ殿、私は今日はこちらに泊まるつもりだが一度学校の寮に寄って息子たちの様子を見て来ようと思う」


「それなら車出しましょうか?」

「いや申し出だけで十分、それにこの新しい馬車がなかなかに楽しくてな、いくら乗っても飽きんのだ」


「気に入ってくれたのなら何より、ドワーフの親方たちも喜ぶでしょう」

王族様とは別に王国の公務用の馬車も卸したのだけど気に入ったようだ


「それでは、また明日」

「はい、お疲れ様でした」

お貴族様は会議慣れしているのか疲れも見せずに馬車で早々と出ていった



「ただいま~」

「おかえりなさ~い」


シュナにただいまのキスをしてお腹に耳を当てる

「体調は大丈夫?」

「うん平気、さっきねこの子がお腹を蹴ったのよ」


「本当!元気いっぱいだ、待ち遠しいね」

「うん、カナさんも大きさ的にはそろそろじゃないかって、メーベが言うエルフの出産期間よりはだいぶ速いみたいだけど人とエルフのハーフだからかもしれないって」

最近のシュナは落ち着いているけどもう何時産まれてもおかしくない様なお腹の大きさになっていてお向かいのカナさんがサトル君を抱っこしたまま様子を見に来てくれている、感謝だ


「それとこれ、大将さんが作ってくれたんだって」

見せてくれたのは各種オリーブ漬け、ラベルにはご丁寧に重曹・塩・苛性ソーダ・日本酒と貼ってあって手入れの仕方まで書いてある


「仕事はっや!」

「速いよね」


最近のシュナはだいぶ言葉も砕けてきてより親密感が感じられてきた


「今日は疲れた…お陰でシュナにいつもの倍癒やされている」

「なんですそれ、まあ旦那さんの癒しになるんなら私も嬉しいですけど」

ふふっと笑う笑顔がたまらん


「それで今日はどんな感じで疲れたんですか?」

「よくぞ聞いてくれました!」

あまり運動にも出かけられなくなってきたシュナのストレス解消に今日の出来事を教えてあげるのだ


「なんか国っぽい!」

「いや国ですよ」


「そうなんだけど、サンダン王国の人がいるとやっぱりちゃんとした会議っぽくなるんだなって」

「それは悲しいけど否定できない」


「あの子達、オリーブ羊ちゃんたちはどうなるんですか?」

「オリーブ羊だけのグループとヤンゲ達の牧場の2グループに分けて様子見かな、他の動物があの実を食べるとなにか変化があるのかも確認したいからね、それと美容液に関してはまずは油が取れるかどうかの検証してそれからになると思う」


大事なお嫁さんのストレス軽減と思いつつ、この可愛い人が俺の嫁さんなんだよなと思うと俺の方が癒やされてることに気付かされる、シュナニウムを過剰摂取して気持ちよく寝るこれが最近のルーティンワーク


今日も確実に気持ちよく寝れますわ、明日もこれで頑張れる!そんな幸せを感じながら俺は眠りに落ちた

ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので


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