124:開校コンクルザディア王立シンバ学院
今日は1話だけの投稿になるかもです
シンバ駐屯地内の余った施設を改造して作られたシンバ学院
諸問題のせいで春開校のはずが秋開校になってしまったがなんとか開校にこぎ着けた
教科書は社長の息子の部屋に有った物をコピー、制服は間に合わず全員バラバラ出来上がり次第随時支給、生徒の数は三十三人、クラスはたったの一組での船出だ
先生は保育園からユカリ先生が学院に鞍替え、保育園の方はオークとドワーフ先生が引き継いだ
来年以降の事も考えて副担任は四人居て、入れ替わりでユカリ先生の授業に参加して経験を積んでもらう事になっている
たっての願いということでサンダン王国から留学生でフェデンのおっさんの息子さんが二人入学、駐屯地の一角を学生寮として使ってもらう
講堂に集まった生徒と子供達の親を前に国王様からの開校の祝と新入生たちへの祝辞が行われている
「…みなさんは種族も性別も様々、種族に関係なく嫌いな学友も出来るかもしれません、ですがお隣のサンダン王国では種族の違いを越えてエピール族、リザード族が手を取り合い三百年以上の歴史を誇る国を継続しています…」
子どもの入学の付き添いと来賓で訪れていたフェデンのおっさんは自国の事が取り上げられたからだろうとても誇らしげだ
「切磋琢磨、時に競い合い時に助け合い自身と学友の成長を認め合える学生になっていただきたい、長くなってしまいましたが、これにて挨拶を終わろうと思います、最後に改めてご入学おめでとう御座います、コンクルザディア国王兼初代学長より」
サンダン王国でのスピーチに比べると周りが知っているものばかりだからだろうか?それとも入学した仔たぬきズの前でカッコ悪いところを見せたくないからか堂々としたスピーチの国王さま
来賓代表としてサンダン王国宰相代理フェデンの挨拶も終わり
新入生たちは記念撮影の後教室に向かうために講堂から退場を始め、ユカリ先生の後についていく
あはは、ルディのやつ手と足が一緒にでてる、アーミンは蝶ネクタイが恥ずかしいのか外そうとしてるカールとロルフは普通、女の子組のアネットとヒルデはエピリズの村で買ってきたお気に入りの服を着てご機嫌なようだ
教室に向かう途中
「クレイ殿、後でで構わんのだが息子達の寮を見せて頂きたいのだが」
「良いですよ、フェデンさんもっと砕けた口調でも良いんですけど」
前と口調しては変わっていないんだが、なんか硬いのだ、前にここに居た時はもっと無遠慮?という感じだったのに
「いや、ここは公務であるからな後で息子たちの部屋を見る時はそうさせてもらおう」
そんなもんか、俺の方ももうちょっと気を使ったほうが良いかな
教室に着くと中は改修されていて誰もが知っている日本の教室そのものだ
父親としての国王様とクリシュナママが妊娠中という事もあり代理の俺を含めた親たちは後ろに並び子供達は名前順で席に着いていく
それにしても血は繋がっていないとはいえ国王がパパ、エルフ(姫を含む)がママ達って字面がスゲェな…まあどっちも学校では依怙贔屓はしないと思うけど…しないよな?特にパパ…
出席を名前の五十音順か生年月日順かで揉めかけたが生年月日順だと種族毎の寿命が違いすぎるのとそもそも親も子供も正確な生年月日を知らない者が多くて五十音順に落ち着いた
席に着くと今度は教科書などの用品を配られ早速ワクワクとした面持ちで教科書を見る子供達、エピール族のフェデンの息子たちも事前に勉強、特に読み書きをしてきたそうでひらがなとカタカナには慣れているようで安心した
唯一の人間の生徒であるリサちゃんも居るが、あの子はずっと仔たぬきたちの面倒も見てきたし問題ないだろう
学校は特別な事情がある子供以外は通い、王都からの送迎バスでの通学、保育園は馬車通園
暇すぎて寮の主と化しているデンさんのお仕事、もう結構な歳だと言うのに車に乗りたくてたまらないらしいのでちょうどいい、ただ今年はそれで良いとして来年からはエピリズの村の住民も通学する予定だからそこをどうするかも考えなきゃいけない
日本の様に治安が良くて歩いて登校出来る土地じゃない、犯罪者どころか魔物が出る世界だから通学は大変なのだ
寮での昼食は同じ敷地内のシンバ駐屯地の食堂で食べる、この昼食制度が有ることで学校への進学を許可した親も結構多い、食事とはそれだけで結構な出費になるのだなと改めて実感した
寮に入るフェデンの息子二人だがセキュリティは万全、なぜなら駐屯地の兵士と同じ寮だからな
彼らは貴族ということも有って召使(男)が付いてくる朝食や夕食は専属の料理人が作ることになっている、まあこれくらいの特別待遇は他所の国から遠く離れた地に幼い身でやってくるのだ有ってもいいだろう
「ではクレイ殿、息子たちをよろしく頼みましたぞ」
「出来る限りの事はサポートします」
「任せてくださいと言わない辺りそなたらしいな」
苦笑しながら息子たちの頭を撫でるおっさん、一年間で出来るだけ問題点の洗い出しはして子供達がのびのびと学べる場所にしていきたいなて、こうして延びに延びたシンバ学園が開校したのだった
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