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攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
六章 コンクルザディアの大改革
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122:馬車を贈ろう

寝坊しました、申し訳ないm(_ _)m

王宮建設予定地の二の丸に在った養鶏場などの三の丸への移動が終わって更地になり基礎工事の準備は整ったしかし工事は始まらない


地盤の強度や岩盤までの深さ、上に建つ物の重量計算それによって使う杭径や杭の材質まで変わってくる、やることはまだまだ有るのだ



サンダン王国の国王様もだいぶ回復されて今では公務に復帰されたらしい、回復祝に何かをということでコンクルザディア製の馬車を寄贈してはどうかという話になった


別に必ずその馬車を使ってくれっていう物でもないし、国の面子が有るのなら自国の物を使ってくれて構わない、出来ればうちの王宮が出来て招待した時くらいは使ってくれればいいかなって程度


しかし贈るからには中途半端なものは贈れない


まだまだ猶予は有るというのにドワーフ達も他国の王に贈るものと聞いて気合が入っていて既に試作が二台、一台は依頼通りの王族用、もう一台は荷馬車用が出来上がっている


王族は四頭から六頭立ての馬車に乗るらしくそれに合わせての作りになっているという事だったが


それ馬車に必要か?というオーバーテクノロジー


サスペンションキットはなんとダブルウィッシュボーン、ショックアブソーバーの開発には油の代わりにシュナ開発の硬度の違う2種類の固まらないセメントを採用


むき出しのサスとショックF1マシンかよ


タイヤにも固まらないコンクリートからの応用で作られた弾力の有る通称こんにゃくモルタル採用でグリップ力も強化、接地面と動力である馬の上背も考慮されているためタイヤとホイールはかなり大きいがダブルウィッシュボーン採用で車高は低く横転しにくく乗り込みやすい


車高が低いというのは荷馬車にも活かされる点になるだろう、積み込みが楽になるからな


次からの試作は王族用一本に絞られ、ドワーフ達は足回りに更に力を入れるのだと息巻いている、具体的には車を参考にしてしまった為、ショックとサスがまだまだ硬くもっと柔らかくした方が馬車の乗り心地が良くなるだろうということだった


人が乗る上の箱物に関しても木製ではなく魔法陣軽量セメントと鉄筋の組み合わせで弓矢ごときでは刺さりもしない防弾防矢仕様


命を狙われることも有る王族という立場的に防弾仕様、おまけに耐火性能まで有るのは贈り物として最適なんじゃないだろうか


無骨になりすぎているデザインはサンダン王国の建築士達がかなり悪乗りしてあれやこれやと意匠にこだわりホビット達が装飾をサンダン王国仕様で制作中だ


シュナも言っていたけどすげぇなと思う



自動車、自分が作ったわけでもないのに自慢しているみたいになってしまうが日本製はトップクラスの車だと思っている


昔パーツ屋で働いていたからと言って作れる物だとは到底思えない、うちらの機械を使ってはいるけど製品としての質は及ばないとはいえ部品を理解して作っている


いきなり目の前に見たこともない工業製品を見せられて作れと言われても無理言うなと返すだろう



車関係の本なら既に渡してあるがそれでも


「クレイこれはどういう意味じゃ」

「この言葉の意味は?」

「これは何のための部品じゃ?」


全部が全部英単語という事でもないだろうし、辞典だって色んな国の辞典があるわけでもないこっちが勉強させられている気分になる


試作三台目、実質これが完成品になる予定の馬車の試運転に我も我もとサンダン王国建築士共が乗り込もうとしている、王族用だって言ってんだろうが!


完成した馬車はそのまま馬で搬送とはならずうちの低床トレーラーにベールを掛けて載せて搬送、試運転はしているが出来るだけ王族が最初に乗った感を出すための配慮だ


すっかり回復されたサンダン王国の国王陛下の待つ宮廷の前に到着したトレーラーからベールを掛けたまま降ろされる馬車


書類のやり取りだけで国交樹立の催しが今まで無かったこともあって大々的な扱いとなり国民の前でのお披露目となった、うちの国王様も一応御料車のセダンで登場、もちろん作業着ではなくホビット謹製のタキシードで現れた


もっと王様っぽい荘厳な衣装をという案もあったけど、『それってどんな?』そもそも我が国にはそんな歴史も独自性もない


それよりはタキシードの方が異世界から来た感があるのではということでタキシードに落ち着いたのだ


辿々しかったかもしれないが事前に打ち合わせて有ったエピール語での汗だくでのスピーチとサンダン王国国王陛下との握手、後にベールを除幕して国王陛下に進呈する馬車のお披露目


きらびやかな装飾とサンダン王国の紋章の入った馬車に歓声が上がり馬がセットされた馬車に乗り込む国王様


馬車は動き出しゴツゴツとした石畳の上をスムーズに移動する姿に


「おおぉ!」とどよめきの声が上がった


予定ではロータリーを一周するはずだったのだが、何故か二周…三周


なんでも中ではあまりの揺れのなさに国王陛下から馭者に


「もう一周頼む」

コールが起きていたそうな、ご満悦で降りてきた国王陛下がうちの国王さまに固い握手とスピーチを送り大歓声の中、催しは終わったのだった



その後数日間用もないのに贈られた馬車で国内をうろつく国王陛下の姿を見たとか見ないとか

ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので


『ページの下にある☆マークでの評価』


よろしくお願いします!

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