表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
六章 コンクルザディアの大改革
131/166

120:自動車研究と魔力プラグ

「クリシュナ様ようどうだい、できそうかい?」


「う~ん、クレイさんはこれの役割解りますか?」

「点火プラグだね、でも構造まではちょっと…ノウミさんなら解るかも?」


私達は今ドワーフさん達の工房に招かれてスクラップを見せられている、そのスクラップというのはクレイさんが拉致された時に川に落とされた自動車のスクラップがバラバラにされたもの


もう車としては使えないけどドワーフさん達が研究用に引き上げていたのだ


その研究中で解らない部品に関してはこうしてちょくちょく呼ばれ、私は魔法や魔法陣で代替えできるか、クレイさんは元自動車パーツ屋の経験を活かして部品そのものの名称や役割をドワーフさんたちに教えている


「エンジンとやらにくっついていたからエンジンに関係するってのは解るんだがこいつは一体何に使われるものなんだ?」


ぱかっと開けられたエンジンを指さしながらクレイさんが説明してくれる


「点火プラグ、簡単に言うとピストンを回すためには燃焼室に燃料のガソリンを入れて燃やすんだ、燃料単体では燃えないからこのプラグが発火して燃料に着火させてその爆発でピストンを回すというか動かすって感じ…で解る?」


「爆発で押すのか?じゃあどうやって戻ってくるんだ?」

「これはほら隣にもピストンが有るだろ、こいつが押されると今度は隣がその力で、まあカムシャフトとコンロッドは今度説明するけど、押されると隣が戻って来るこれの繰り返しで回り続けるって理由」


うん私には解らない、ドワーフさんにはそれで通じたみたい、まあ私は仕組みは解らなくてもこのプラグを魔力の着火剤に変換できればいいということなのだから気にしなくてもいいか


クレイさん達によると車のガソリンと呼ばれる燃料は作れないらしい、地下に埋まっていて例え地下から取り出せてもガソリンに作り変えられないだろうという事だった



ガソリンが作れないなら他の燃料で動く車を作りたい、それがドワーフさん達の目標


同じ性能は出せなくても原理さえ抑えていれば電子制御と呼ばれているものは再現できなくても車の原型は作れるんじゃないかなとクレイさんからドワーフには伝えている


そもそも昔の車には電子制御というものは殆ど無かったはずで時代の進化とともに車も進化していったんだと教えてくれた


車作りは彼らの趣味だけど馬車作りに役立つかもしれなくて、特に足回り?という部分は役に立つはずだとクレイさんは言う


乗用車に使われているのはコイルサスペンションと言って違うらしい


トラックは板バネという物がサスペンションに使われていて馬車と全く同じという訳ではないけど似ているらしく研究材料に使われている、他には車軸とショックアブソーバー?という物も研究しているそうだ


「これだ、これを馬車で再現したいんじゃ」

そう言って左右のタイヤから伸びる軸の真ん中を指差すドワーフさん膨らんでいるけど何がどうなっているのかさっぱり


「左右を独立式にしたいってことですか?」

「そうそれ!軸が一本で繋がっているとどうしても左右での傾き、例えば右が高くて左が低いと馬車を平行に保てんし低い側に荷重が寄って負荷がかかるんじゃ」


「馬車なら動力は馬ですからもっと簡単に考えてもいいかと」


「なるほど車なら真ん中まで軸を伸ばして動力を得んといかんが馬車なら車輪は回るだけじゃ別に一本に拘る必要など無かったんじゃ!いかんのう同じ物を作ろうとするあまり複雑に考えすぎとった」


「そうです、工場や工房で使える資材を使えば直ぐに試作品は作れるでしょう、耐久性なんかはその後からでも良いんじゃないですかね」


「そうじゃな、よし!お前らちゃっちゃと取り掛かるぞ!」

私には何も解らなかったけどあっという間に試作品づくりに取り掛かるドワーフさん達、凄い…



「相変わらず日本の技術は凄いし、ドワーフさん達も凄いし…なんか自信なくしちゃうなぁ」


帰り道、つい口から愚痴が出てしまう


「どうしたの?シュナも充分凄いじゃない」

自分では自分のことはよく判らない、クレイさんは私のどんな所を凄いと思ってくれてるのだろう、私の考えている事を察したのかクレイさんが口を開いた


「コンクルザディアでナンバーワンの魔法使いで魔法陣作りの天才で、美人で俺の奥さんで可愛くて」


「途中から『凄い』が関係なくなってますよ」

思わず笑いながらツッコんでしまう

「でも、俺を助けてくれたのは本当に凄かった惚れ直す位」


「惚れ直す?でもあの時は私振られてましたよね?」


「いや最初から好きだったよ、あの時はOK出そうと思ってたんだけどシュナ、ベロンベロンに酔ってたし…なんかちゃんとしらふの時に自分から言おうと思っただけで」


なんだ最初からお互いに好きだったんだ…やだ思い出したら恥ずかしくなってきた


「結局もう一度シュナから告白されちゃって自分からは言えなかったんだけどね」

クレイさんもちょっと恥ずかしそうにしてる、私達もう夫婦なのになんで今更恥ずかしがってるんだ!


ちょっと昔の私達と今の私達、同じ様で違う私達


「シュナなら出来るよ、なんたって諦めの悪い俺のお嫁さんだからね」

「なぁっ!」


ぽかぽかとクレイさんを叩いてしまったけどクレイさんはにこにこと笑うだけで抵抗しない…もうっ!私ばっかり恥ずかしいなんてずるい!


でも…魔力プラグ、絶対作ってみせるんだから!諦めの悪いお嫁さんですからね


あ…これ遺伝した方が良いのかしらそれとも…

ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので


『ページの下にある☆マークでの評価』


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ