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攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
六章 コンクルザディアの大改革
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118:選挙以前の問題でした

まさかの候補者が二十人から八人までに絞られた時点で選挙のやり直し


選挙活動自体に不正はなかった、不正はなかったんだけど


荒唐無稽なマニュフェスト(選挙公約)


改善したい、良くしたい、までは大抵のことは何を言ってもエピリズの村の人間が判断すればいいことだが


「我々は奴隷ではない、この地で生まれ変わったのだ不当な扱いをするあの者達に裁きを!」


「この地に貴族制度を!我らでこの国を支えるのだ!」


国家体制の変革!とか、サンダン王国への宣戦布告だろ!みたいな公約を上げている候補者が多すぎる、何ていうの市長選、知事選で国政とか外交をマニュフェストに上げられても困るっていうのかな


彼らとしてはそんなつもりはないのだろうが人口四万で国なのだ、規模的にも文化の土壌も根本から違う、それをこちらが理解していなかった


選挙を急ぎすぎたかもしれないが結局後に伸ばしたとしても同じ問題が起きていたのだ、早めに気づけたといい方向で捉えておくのと不正意外の部分でも選挙に関して王都側エピリズ側、互いに時間を掛けて基本認識を統一してからの再選挙、選挙は延期することになった



・基本として議員の権限はエピリズの村内に限られること


・村内で処理できない事を王都に陳情する権限を持てること


・議員・村長としての任期は日本に習って四年、ただし村長は健康状態等により解散する権利を有する


・村民のによる議員・村長リコールは村の成人の三分の二で成立


マニュフェスト(選挙公約)は事前に選挙管理委員会に申請、許可を受けたもののみ公約に使用可能


マニュフェスト(選挙公約)の進捗は一年に一度公布を義務とする


・政策に関しては王都に陳情、許可が出たものに限り実行出来るものとする


・村長・議員の政策について王都職員は監査・中止権限を持つ


権限について制約が強く感じるかもしれないが、それこそ最初の魔力封じの腕輪の話に回帰する、段階を経て権限を徐々に譲渡していく


大要はこんなもん、ここからは候補者ないし村民からの疑問を吟味して詰めていく、口頭では回答せずに文章で公布、また口頭でのみの返答は公式の回答ではないとする、口頭での言った言わないは避けたいからな


これに異議を唱えたのが例の暴力沙汰を起こした貴族だったが無視した、それこそ変えたければ選挙で当選して変えてゆけばいいのだ



それとこれはコンクルザディア王国とサンダン王国間のやり取りになるが、村長、議員はサンダン王国貴族と同等の権力を持つ者として承認してもらう、もう一つは更に面倒くさいが外交特権についての話し合い、こちらの権限も向こうの権限も決めなくてはいけない


せっかく村長や議員が頑張ってもサンダン王国の外交特権で踏みにじられてしまっては意味がないからだ、これは国対国のパワーバランスで決まるとも言える、友好関係を結んだとしてもそこは譲ってはいけない一線だ


軍部の権限に関しても逮捕権、拘束権限などを付与、自警団を警察組織としての格上げも検討段階だがどちらにせよ自警団の数では暴動などには対処できないのが理由


「クレイさんたちって失敗を恐れないというか失敗前提に色んなことしますけどそれって日本でもそうだったんですか?」

シュナからの疑問


「いんやむしろ失敗を凄い恐れてたね、何か一つで損失額はアホみたい長くになるし納期からの延期とか一日数百万単位で増えていったから…毎日ビクビクしてたよ」


「なんか意外、なんでそんなに今と向こうで違うんです?」

シュナって結構そういう所気にするんだよね、可愛いからいいんだけどさ


「理由かぁ、きっと失敗しないようにすると何も決められないからじゃないかな」

「何も決められない…ですか」


「そう、日本ではありとあらゆる事に法律法令があって何を失敗しちゃいけないのかがもう最初から有ってそれを守る…守れない事もあったけど」


「駄目じゃないですか!」


「うん、駄目なんだけど労働基準法っていうんだけどね、大なり小なり守れてない企業は皆、口には出さないけどずるしたり抜け道使ったりあの手この手で回避してたりね」


なんか言ってて凄い後ろめたくなってくるなこれ


「でもこっちにはまだ法自体ないでしょ、だから自分達で作っていかないといけないわけで出来れば日本よりも良いものにしたいじゃない」


「もちろんそうですよ」

何が言いたいんだろうって顔だな


「だから失敗を恐れずに自分たちがやりたかったルール作りをしてるの、でもこれをやっていると逆にだからあんな法律が有ったんだとか理由が判ってきたりもする」


「愚者は経験に学び賢者は歴史に学ぶ…だったかな?僕らは愚者だって所から認めて失敗しながらでもよりよりそれこそ日本より良い社会を築きたいと思ってるって感じかな」


「判ったような判らないよな…」


「そりゃあそうさ、やってる僕らもよく判ってないんだから」


「クレイさんでもですか?」

「もちろん、ただ今の僕らは仕事にしろ国としても割と余裕があるから、失敗できる余裕がある内に失敗して経験を積みたいとは思ってるよ、それが出来るのは大体はこの丘の力のおかげでも有るけどね」


正直、戦や命のやり取りを除けばかなりゆるい社会だと思ってるけど、これからはそうも行かない事も出てくるだろうし未来の人たちからは馬鹿なことをなんて嘲笑されるかもしれないけど気にしない、国…というよりも嫁とこれから生まれてくる我が子に良い未来を迎えてもらいたいだけだ


俺が歴史の教科書を読んでいる時に馬鹿なことをと笑った人たちもこんな気持だったのかもな、そう思うともう笑えなくなっている自分に気づいたのだった

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