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攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
五章 コンクリート鎖国と外交ドクトリン
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103:フェデンの覚悟

雪解けとともに早速サンダン王国からの使者がやって来た


帰国させたベルザードの動きに期待したのだが芳しくないようで使者の態度は依然として強硬


『戦の非はそちらに有り、拠って不当に拘留している我が国の民と土地を返せ』


というもの


キレてもいいっすか?ベルザードからも情勢は聞いているはずなのだが…なぜここまで強気に出れるのかが解らない


フェデンのおっさんに聞いてもまともじゃないとバッサリ、上層部が乗っ取られたか操られているのか、国内の様子を心配してる有り様だ


こちらからは


『そちらに非が有り捕虜に掛かった今までの費用を払え』


で送り返す正直言って埒が明かない、そしてやっと待ちに待ったベルザードからの密偵が送られてきて聞かされた内情は…酷いものだった


「情けない…ただの時間稼ぎ…何の解決にもなっておらんではないか!」

おかんむり&嘆いているフェデンのおっさん、詰まる所、収穫の済む秋までは戦が出来ないと高を括って引き伸ばしをしているだけ、これではおっさんが嘆くのも仕方がない


言っておくがうちはもうハーバー・ボッシュ法を確立させているし輪作で夏前にも収穫が有って彼らの思惑はハズレている、やろうと思えば夏前に戦を仕掛けることも出来るのだ


もっともそんな事は彼らの常識にはないのだろうが


「にしても解せないですね、フェデンさんが言うように長引かせるだけで何の解決にもなってない、一夏で兵力を回復なんて出来ないんですから、でも…これは引っかかりますね…」


「ああ、私が野営地で戦った気味の悪い女と同じ輩ではないだろうかと思う、その極めつけがこれだ」


ベルザードの密書には中枢に見覚えのない貴族、しかも女が居るというものでサンダン王国はわかり易いほどの男性社会、政治の表舞台に女性が居ることは珍しい…というか前例がないと言っても良いそうだ


そしてフェデンのおっさんが極めつけと言ったのは、帰国させた指揮官のドルド将軍が敗戦の責を取らされて帰国後直ぐに処刑されたと書かれていたことだった、ベルザードも危うく処刑されかけたが一発式のピストルを持ち帰ったことで難を逃れたという事で持たせて置いて良かったと胸をなでおろしたが


もうめちゃくちゃである、軍の立て直しもクソも有ったもんじゃないまともな理性が有ればこんな事はしないだろう


「クレイ殿、国王との席を設けてもらえないだろうか…」


「構いませんが、どの様な要件で?」


「言えぬ、国王陛下と話せば直に内容は降りてこよう、頼む」

彼の顔は真剣そのもの、決意を秘めた顔を見れば大事になりそうな予感は有るが通さないというわけにも行かなそうだ…


「解りました、早急に席を設けます詳細は国王陛下(工場長)からお話しいただけるんですね?」


大層な感じになってしまったけど国王(工場長)決裁書に判子押すくらいで後は珈琲すすってるだけで暇してると思うよ、向こう(日本)に居たときはそりゃあもう忙しい日々だったけどこっち来てから凄いマイルドになってるから


翌日には国王との謁見は実現、謁見の間(応接室)には二人きりでの謁見…この謁見の間ちゃんと作り直したほうが良い気がしてきた、何ていうのフェデンのおっさんはもうこういうものだって知ってるけど他の国からの使者とかに絶対舐められる…後で意見書出しとこ


渋い顔をして謁見の間から出てくる国王

「クレイくん、それからツァーミ君ノウミ君に念話でこっちに来てくれるように伝えてもらえるかい」


「何の話だったんです?」

「まあ、ノウミ君が来てから話そう、何度も説明するのは面倒だ…」

相当面倒くさい話のようだ、国王は時間潰しなのだろうか珈琲豆を挽きに部屋に戻っていった


程なくして一時間もかからなかっただろうノウミさんが事務所にやって来た


「工場長…国王陛下なんのお話ですか?」

「まあ入ってくれ」

謁見の間(笑)に入ると土下座しているフェデンのおっさんが居てぎょっとする


「どうしたんです?」

俺もノウミさんも困惑、国王も渋い顔


「フェデンさん顔を上げて下さい、それじゃあ話もろくにできない」

国王の促しも


「しかしお願いする立場、これが御国にとって良くない話なのはご尤も頭を上げて話せる義理もない」


相当参っているのだろう、しかし話を聞かねばこっちも判断も何も出来ない」


「ここは義理や面子は後にして話を聞かせて下さいよ、こっちももうそれなりに親しくなったつもりです無下に扱うつもりはないです、それに大切なことなんでしょう?あなたにとってもサンダン王国にとっても、さ、頭を上げて下さい」


やっと頭を上げたかと思えば泣いているじゃないか…


「このままでは我が母国は得体のしれぬ者共にすり潰されてしまう、属国でも構わないどうか、どうかサンダン王国を救ってください」


再び頭を床に擦り付けるフェデンのおっさん



「一つ良いですか?」

俺としても助けてはやりたい、がこちらも全面衝突しかも護るのではなく相手の国に押し入るとすれば今迄の様には行かない、閉じこもっている相手に総力戦を仕掛けるには武器も人数も全く足りないのだ


「なんでも言ってくれ、私の持っている情報ならばすべて使ってくれ!」

悲痛な叫びの様に言葉を発するフェデンに


「誰を殺せばこの状況を終わらせられるか教えて下さい」

ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので


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