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攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
一章  コンクリートの町とエルフ
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11:彼らの世界(エルフ太極拳を習う)

遊具の開発で素材の新たな使い道が出来た


スライムの被膜だ、これまでも散弾銃のシェルと呼ばれる殻に使われていたが、硬いコンクリートにコーティングすることで怪我を減らす効果がある、それにスライムの被膜はコンクリートに比べて魔力を通しやすく滑る効果の魔法陣を簡単に貼ることも出来た


思わぬ方向に研究が進んだのは滑り止めの効果のあるコンクリート、魔法陣の書き間違えで起きたことなのだがくっつくコンクリートが出来上がった、具体的な使用法については検討中だが色々な使い方ができそうだと品管主任さんは喜んでいる


「息抜きと私達の世界を理解する助けになるかも」

とクレイさんが持ってきたのはブルーレイプレイヤーという物と映画のソフトだという、最初はわかりやすいものをということで10本ほど持ってきてもらった


クレイさんは映画鑑賞が趣味、覚えた


フォークリフトの講習会の時は突然画面が変わるので驚き理解が出来なかったものだが、その御蔭か今は場面が切り替わったのだと感覚的に解る


仔たぬき達を寝かしつけ、眠る前に皆で集まり観賞会が始まる


仔たぬき達は眠っている時は動物形態、気が抜けると戻ってしまうようだ


映画の冒頭に丸い球体が映し出されるそれはクレイさん達が言うにはクレイさん達の住んでいた地球という星を現していると後日教えてもらった


地の果てには何が有るのだろうと思ったことは有るが果はなく繋がっていると知って驚いた、ただこの世界も同じかどうかは解らない確かめる方法がないからと


今日の映画は警察という正義の味方が悪者と闘う映画、正義の味方にも色々なルール、法律が有って悪者はそれを悪用して悪事を働く、


「あの小さいのも銃ですかね…やっぱり銃ですね」

「小さくても威力は変わらなくないですか?」

「なんですかあの銃!あんなにたくさん撃てるとか反則です」

「散弾銃!散弾銃ですよ、でもなんか撃ち方が違うそれに二発以上撃ってますよ!」


物騒な会話が盛り上がっている


フィクションという嘘だと教えてもらっていてもハラハラドキドキ、特に主人公の黒人警官が口八丁手八丁悪いことギリギリの線で犯人たちを追い詰めていく姿は手に汗にぎり白人警官との友情には感動した


「ノウミさんに色々と聞かないといけませんね、それにあの小さい銃はぜひ欲しい」

うんうんと頷き合うメーベ達戦闘が得意組


彼らの世界ではこういった物を娯楽といいエンターテイメントだったり略してエンタメと言うらしいが娯楽の種類がすごい発展している


映画のお陰で、人族にも色々と種類がある事もわかった、白人に黒人、クレイさん達日本人は黄色人種ということ、黄色人種でも言葉が違う人々がいて事務所となりの寮に住んでいる運送部門でドライバーではなく積み込み担当のフォークリフト乗りのワンさんは違う国から働きに来た人


工場にも様々な国の人がいると解った


そのワンさん、私達が映画鑑賞をしている事を知って自分の国の映画のDVDを貸してくれた


どの作品も主人公は同じ人だが役柄が違う、警官だったり武道の修行をしている人だったりだ拳銃もでてくるが体一つで悪漢達を倒していくその姿にメーベ達戦闘組が惚れた、映画の終わりにNGシーンと言って失敗シーンが流れるのだが人形とかではなく本人がやっていると知って更に戦闘組が惚れ直してしまっている、出来れば怪我がないように訓練してほしいのだけれど…心配だ


気がつくと朝駐車場でワンさんに習って太極拳というものをし始めていた、まあ怪我をしそうではないので放って置く


別の日、今度は恋愛映画というジャンルのようで最も反応したのは工場の事務所で働いているツァーミだった、表には出さないが私も…


ツァーミはユカリさんとの付き合いのうちに興味が湧き今は工場の青年に淡い恋心が…ということらしい、メーベは興味がないらしく太極拳を始めてしまった戦闘組でも興味があるものとないもので半々といった感じ


そんなメーベも死んでしまった主人公が恋人を守るために奔走する映画では泣いていた、メーベは現実的な恋愛物よりもこういった物が好きなようだ


「私も死んでしまっても姫様を守りますから」

と縁起でもないので止めなさいとつい本気で怒ってしまった


なんともいえず感想に困った映画は白黒の映画、白黒の映画は例外を除き古い時代の映画だということで


新しい未知なる爆弾で生まれた怪獣という存在が人類を襲うというものだった、最終的に怪獣は死に平和が訪れる物語

怪獣は鳴くだけで喋らないが人間側の物語とは別になんと言えば良いのか哀愁とでも言うのかその存在に悲しみを感じたのだ

生まれたくて生まれたわけでもなく、彼がそうなりたくてなった生き物ではないと思うとやりきれないしんみりとしていると


「あのでかい銃の化け物のような兵器が有れば…」

「あんな化け物に立ち向かう勇気」


それぞれの感性の違い、みんな違うものなのだと学べてよかったと思うことにした


全員にとって苦痛だったのは戦争映画というジャンル、普段は武器がどうこうといっているメーベですら言葉は少ない…が彼らの歴史を知るうえでは避けて通れないと思う物が多かった


難しいと感じたのは大抵の戦争映画は戦争が始まってしまっていて何故起きたのかという理由がわからない物が多かった、きっと彼らは前提として始まった切っ掛けや理由を知っているから飛ばしているのかもしれないと思った


しかし、戦争を回避しようと奔走する映画も有った、映画ではそれぞれの思惑が説明されているが現実では相手が何を思っているのかわからないことを考えれば回避の難しさが伝わってくる、里を奪われるという事実がある私達にとっては尚更だ


戦争に至る理由を里が奪われた理由にしてみる

積もり積もった不満だったのだろうか

私達に許せないと感じる振る舞いが有ったのだろうか

私は姉妹だと思って接してきたが彼女には違ったのだろうか

そんなことはなく彼女たちは魔法で操られていて私達を襲ったのかもしれない


都合の良い様に考えたくなるが人間の歴史を映画で見る限りそんな都合の良いものはないと現実を突き付けられているような気がしてしまう


傾向として日本の映画は戦争や戦いに対してネガティブ、他の国の映画では勝利や戦いの意味についてポジティブなものが多い気がした


銃を作った時の彼らの反応に近い


闘うことを恐れているような気がするのだ、しかし映画で見る限り始まってしまうと彼らは貪欲に勝利を求め死をも恐れないだからこその抑制なのかもしれない、フィクションだと心に留めながらも彼らの民族性というものを慎重に考えないと恐ろしいことになるのではないかそんな気持ちを持ってしまうクリシュナであった

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