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攻めんといて!俺達は異世界にコンクリートで専守防衛国家を作りたい  作者: くろすおーばー
五章 コンクリート鎖国と外交ドクトリン
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98:社会実験と落とし所

「オーライオーライオーライライライライ~」


セミトレーラーに15t大型トラックが捕虜収容所のメインストリート…道も整備されちょっとした街の様になってしまいメインストリートと言うしかない場所へと入ってきた


積んで来たのはコンクリート製の組み立て式住居


流石に本格的な冬はテントでは過ごせないだろうという配慮と今後の商品としての簡易ハウスの検証を兼ねて収容所に納品されたのだった


仮設住宅には換気用の穴と薪ストーブの煙突を外に出せる穴もついていて今まで外で使っていた薪ストーブをそのまま設置出来る


建物とセットでコンクリートのフライパンと小さめのコンクリート鍋、スライムのコーティングがしてあるから簡単には熱で割れないし取っ手も熱くならない優れ物、あと食器類


こっちのセットは国からお金を出してドワーフとホビットの工房で作ってもらっているタダ働きはさせない、うちの売りは確かな品質とホワイト企業


食料については相変わらず最低限の配給以外は自給自足あとは購入してもらう、いくら今年からハウス栽培を広げたといっても一気に五百人増えれば足りるわけがない、チハ公にも慣れてきたことだし逃げるかとも思ったけど今度は魔力封じの腕輪で魔力が使えないため逃げられない


フェデンのおっさんは捕虜の中から元部下達を集めて他国の伝に連絡を取る算段をしている、動くときはこちらにも連絡を入れてもらう手筈だ


捕虜をこのまま腐らせておいてもメリットがないので社会実験として

狩猟品の買い取りとハウス作物の販売もちろんやり取りはコンクルザディア紙幣貨幣で行う、他国とのやり取りの予行演習とでも言うべきか


それとコンクルザディア王都での仕事と駐屯地での馬の世話係、そろそろコータローさんだけでは手が回らなくなっていたから丁度よい


捕虜施設内での自警団、自警団では有るがコンクルザディアから許可されて逮捕権も行使できるれっきとした組織、彼らにも当然給金は支払われる


いつサンダン王国が折れるか解らないので継続的な仕事に付いてもらうわけには行かないが人足か狩猟か好きな方で仕事をしてもらう、何度も言うがただ飯食わせる余裕はねぇ


自警団を作ったのは治安維持だけが理由じゃない、捕虜たちの中で独立派と反対派が発生して揉め始めた


国に尽くしたのに一向に助けに来ない国に腹を立てて独立を望む者達と、それに反対するのは貴族達、数で言えば圧倒的に独立派が多いわけだが、ここで貴族が殺されでもしたらサンダン王国はその非をこっちにぶつけて来るだろう、ぶつけてきた所で門前払いだけどなそれはそれで遺恨が残る


トラブルは無いに越したことはない


次に使者が来た時には実情を報告しておくか、うちとしては独立してもらっても痛くも痒くもないし、四万人とはいえいきなり国家と取引よりは交易相手としては規模としてもちょうどいい



もう貴族にはお帰り願って残りたい人達だけで街を作って貰った方が良いんじゃないか?フェデンのおっさん達に聞いてみよう


「いやいやいや、今帰らされても困る!背後関係を洗うのなら私はここに居た方が他国の要人と接触しやすいのだ…」


う~ん上手く行かない…どうしたものか



「それならば、我が国の裏に関する情報は私が帰って担当するというのはどうでしょう?」


ベルザードからのまさかの申し出、確かに助かるが…


「貴様では禄に動けまい、身分は貴族の息子でしかないのだから」

「そこはクレイ殿のお力をお借りしたい、国王様(工場長)にも許可を取らねばならぬでしょうし」


どういう事だ?


「まずはお話だけでも聞きましょう」



======

「では、ベルザードさんくれぐれも無理はしないでくださいよ」

「解りました、ですが私としても我が国に巣食う闇は払わねばなりません」


決意に満ちたベルザードの顔を見てしまえばもうそれ以上言う事はできない


「この品を持ち帰れば私も一目を置かれ中枢に近づくことが出来るでしょう、恩に着ますクレイ殿」


ベルザードに持たせたのは使われること無く埋もれていた一発式のピストル、俺を救出する時に持っていたヤツだ、隠し持って帰るためにはこのサイズでないと不自然だからと言う理由でチョイスされたが、これはこれで怖い、一発式ということは構造が単純だ単純であるが故に真似しやすい、かといって正式装備の三八式歩兵銃を渡すわけにはいかない苦渋の判断だった



結局帰ったのは貴族たちと家庭を持つ者たちが大半で残ったのは五人の貴族と三百人の兵士、貴族はフェデンのおっさんの息のかかった者たち、これに伴い捕虜収容所はコンクルザディア属領と成り自治権は無し


この判断に対してサンダン王国や捕虜の貴族からは戦の取り決めを蔑ろにしたと非難されたが表面的なもので内心ではホッとしたのだろう強くでてくることはなかった


一方的に攻め込んでおいて戦の取り決めもクソも有るか!と思わんでもないがこちらとしても食料等の事を考えればこれが落とし所


こうしてコンクルザディアは人口約三百人の街を手に入れたのだった

ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!続きを書く活力になりますので


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よろしくお願いします!

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