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私の優秀な助手

作者: 柚木 潤

 私には優秀な助手がいる。

 

 私はその優秀な助手と一緒に暮らしている。


 彼は私のそばで私の動きをしっかりと見ており、私が次に何を求めているかを探っているのだ。 

 そして私が欲しいものを伝えると、素早く持参し待機するのである。

 新聞や雑誌など、たまに間違える事はあるが、そこは愛嬌でもあるのだ。

 決して邪魔をする事がなく、私の気持ちをよくわかっているのだ。


 食事においても私が「先にいいぞ!」と言うまでは、決して食べない謙虚な性格なのだ。


 夜も私がベッドに入るまでは絶対に先に寝る事が無く、私を第一に考えていてくれるのだ。


 それは家の中だけでなく、外出する時も同じでとても優秀であるのだ。

 外出時必要なものは玄関に全て準備し、私の手を煩わせない。

 そこには自分が必要な物もしっかりと準備されているのだ。

 外に出ると、周りを警戒し危険がないかを探っているようなボディーガードと言えるかもしれない。


 しかし徐々にいつも訪れるある場所に近づくと、彼の気分が高まるようだ。

 今まで私のそばを絶対に離れなかった彼だが、本能を抑える事が出来なくなったのだ。


 ついに、優秀な助手だった彼が暴走したのだ!


 私が彼の大好きなボールを投げると、一目散に走ったのだ。

 あっという間にボールを回収すると、私の元に持参するのだ。

 そして何度も投げるように懇願するのだ。

 私は今までの労を労って、ボールを何回も投げてあげるのだ。

 私にとってもいい運動になるので、彼の楽しみを満喫させる事はお互いに良い事であるのだ。


 そう、彼は私の優秀な助手兼ボディーガードでもある、愛犬「ランド」である。


 ここは彼の大好きな広い公園。

 私が大きな声で「ランド!」と名前を呼ぶと、一目散に私のそばに来て待機するのだ。


 一生懸命にしっぽを振りながら走ってくる彼は、本当に愛すべき家族でもある。

 そして、いつまでも私を癒すべき存在でいて欲しいと思うのだ。

 


 

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