続 主役以外、皆バカというのは好きでないという話
前回書いたので、結構賛成頂きつつも誤解もあったようなので追記。
今回は、もう少し実例を挙げることにします。
まず、誤解の大前提として、主役以外というのは「なろう小説」に限定した話ではありません。
話を作る上で簡単なのか、主役上げの為、バカを作るというのは、よくあることのようでして。
まあ、10本に1本とか、たまになら良いのですけど。
それが続くと、ちょっと食傷気味になってくるなというのが正直なところでして。
具体例を挙げていきます。
例えばTV版エヴァンゲリオンの第一回。
第三使途サキエルが現れた時、立ち向かう国連軍のお偉方がサキエルに通常兵器やN2地雷が効かなくて取り乱すのが、おバカの例でしょうか。
まあ、物語としては、情報もなく無能な国連軍に対し、主役側が格好良く対応するというところなのは解るんですが、無能な奴が出世して権限を持っている時点で、リアリティは落ちると思うんですよね。
「な、なにぃー、我々の武器が効かないなんて」と騒いでも状況は好転しませんから。
そんな風な無能が騒ぐだけというのは、どうかなと思っちゃう訳ですよ。
それと比較すると、シン・ゴジラの自衛隊は実に優秀。
最初に使った武器がダメなら、冷静に武器の口径を上げ、より強力な武器を使う為に、上層部の許可を取ろうとする。
まあ、実際は、こっちだよなと思っちゃう訳です。
主役クラスを上げる為のやられ役というのは、ほとんどの作品で存在する話ではあります。
その辺は、架空歴史物である銀河英雄伝説なんかでも、描かれますよね。
血統のみを第一として、貴族内の暗闘に特化してしまった銀河帝国の門閥貴族は無能な奴ばかり。
官僚主義と利益誘導に特化してしまった無能な自由惑星同盟政府は有能な軍人を死地に送り込んでしまう。
まあ、その中をラインハルトやヤンが活躍するから面白くあるんですけれど。
もし、ヤンかラインハルト、どっちかしかいなかったら、恐ろしく詰まらないことになると思いませんか?
よく小難しいことを言わずノンストレスでと言う話を聞くのですが、私は頭の悪い連中が邪魔をしてくるだけでストレスに感じちゃいまして。
いや、実際は、確かに、そういう人たちもいるけれど。
物語の中でまで、そんな奴の姿を見たくないし、関わりたくないなと感じちゃうんですよね。
そう言う奴を叩き潰すからストレス解消になると言われても、現実に、そういう連中がいなくなる訳でもないし。
叩き潰す前、存在し、邪魔するだけで、ストレス感じちゃうんですよ。
具体的に言うと、前回見ていたのは、ドラゴン桜の再放送だったんですけど。
学校が潰れそうな時に、何の対策も立てずに反対だけして、嫌がらせする教師たちとかね。
実際に、そういう人たち大勢いるし、物語の進行状、盛り上げの為に必要とされたんだろうけど。
でも、それはドラマを作っている人間の手抜きに感じちゃったのですよ。
人生の時間は限られているのだから、詰まらない話は見たくない。
勧善懲悪もたまには良いけど、その為に不愉快な物を見せられて、それを倒すまで長時間、我慢させられるのは嫌なんですよね。
逆の例を挙げてみましょうか。
私がイメージする知識チート物の元祖(それより前があったら教えて)、まおゆう魔王勇者なんかは、最初は知識チートで無双するけれど、その知識の流出で苦しめられるようになる。
無職転生なんかは、主人公は強いけど、最強には程遠く、上には上がいて、主人公上げの為のバカなキャラは、なかなか思い浮かばない。
転生したらスライムだった件なんかでは、リムルが魔王になる為のやられ役は存在していて、リムルは最強ではあるけれど、物語がインフレを起こしているから、更に強い相手が出てきそうな緊迫感がある。
本好きの下剋上なんかは、そもそも強さが目的の話ですらないんだけど、身分に拘る貴族なんかも、その世界の常識に囚われているだけで、決して愚かではないんですよね。
そういう物語の方が、書くのは大変だろうと思う。
だけど、どうせなら、そんな物語を読んだり、書いたりしたいなと思うのですよ。
それなら、こんな物語あるよとかお勧めあれば、教えて下さい。