ヒカル。魔王と勇者に出会う
本日は3タイトル同日更新いたしました!
文章力たったの5の自分にしてあは、がん、ば…り ま… し t あぁ
「フン…」
バサリバサリと大きな翼を翻して天井の大穴からひとりの人物が謁見の間へ降り立った。
俺達はそのまるで極寒の吹雪の中に裸で放り込まれたような…そんな凄まじいプレッシャーに圧し潰されて身動きがとれない。
「国王陛下…いえ、お父様。余に黙ってこのように楽し気な催し物を開くとは…あまりにも酷いではありませんか。敵地を予定よりも数日早く沈め、足早に戻った可愛い娘にこの仕打ちとは、あんまりでは? して、この者らは…」
その怪物がギョロリと俺達を睨む。
「…ここにおるのは女神の神託にあった異世界からの転生者達だ。皆の者、我が娘にして我が国の七星騎士団の長である第三王女、ルフルだ。」
そう王様が言うと、嘲笑を浮かべた王女がわざとらしくスカートを摘まむような仕草をする。
「ただいまご紹介頂いた、余はルフル・ファーフィールドだ。何、単なるつまらぬ将軍でしかない。名も忘れてもらってかまわぬよ。 …しかし転生者とは面白い!」
ニヤリと笑うこの国の御姫様? しかし、容姿はまさしく髪を短く切り揃え、病的に透き通った白い肌を持つ美少女そのもの。しかしその額からはねじれたヤギの角が生え、重厚なドレスアーマーを難なく着こなしている。さらにスカートの裾からは牛のような筋骨隆々の脚が飛び出している。そして極めつけは大きな背の鷲の翼だ。広げれば悠に10メートルはありそうだし、その全長も軽く2メートルを超えていそうだ。まさに異形の戦士。それが刃渡りが2、3メートルはありそうな超巨大な大鎌を片手で担いでいる。
「フフ…そう怯えずと良い良い…どれ、少し覗かせて貰うとするか」
そう言うと彼女の両目が奇妙な光を放った。
「…ぐぅ!?」
まるで金縛りなったかのように体全体が締め付けられるばかりか、徐々に体が折れ曲がっていく!
「ぐぎぎ…!?」
皆、声にならない悲鳴を上げる。
「ルフル!止さぬかっ!?」
王様が叫ぶと俺達は解放される。思わずその場に崩れ落ちる。
「ククク…余は挨拶がてら、彼らに我が国への反意があるか軽く撫でた程度ですよ?」
「愚か者めが!常人相手にお前の"魔眼"を使うとは…!」
ルフルはヤレヤレと言った顔で肩をすくめて見せる。
「なに、この場に面白そうな男がいるのです。所詮、女でしかない余が興味を持つのは自然の摂理というもの。……しかし、期待外れでした。せめてレベルが100を越えねば余と手を繋ぐことすら叶わぬでしょう。ああ、マトモに余とやりあえそうな男といえば…お父様? あの道化めはどこへ? 相も変わらず逃げ足だけは余を超える奴だ。フフフ…!」
そういやあの真っ黒ピエロいつの間にかいやがらねえな? どこいった?
「しかし、珍しい男のエルフか…しかしどうにも軽薄だな。それに弱すぎる。幼いワイズに小さな巨人も…やはり我が王族の血に取り込むにはやはり弱い。極めつけはレベル1の単なるヒューマンだと? ハハハ!赤子の間違いではないのか? まあ、見世物小屋の商品としては及第点だな…クククッ」
…コイツ!? まさか俺達の動きを止めるだけじゃあなくステータスまで? とんだ魔王だぜ!
ドレミ達女性陣も一瞥したが歯牙にもかけない様子ですぐ興味を失ったようだ。
しかし、その魔王は俺に再び興味を持ったのかジロジロと観察している。
「不自然な存在の男だ…それにそのスキル。………試してみるか!」
パキィーン!
は? 試す? そう思った瞬間、俺の目の前でピンク色の光が飛び散る。
「ほお! 加減したとはいえ、余の愛鎌、"白銀"を弾くとは!…面白い!」
「ルフル!? 今すぐ攻撃を止めよっ!」
なんとあの牛姫。俺に向かってあの馬鹿デカイ鎌を投げつけやがったらしい。
どうやら女神が俺に授けてくれたスキルがそれをはじき返してくれたようだが?
「ふむ。ならば連続して攻撃を受けた場合は…どうなるのか? 久しぶりに男に少しばかりの興味が湧いた。使えるのなら我が騎士団の楯代わりに持たせるのも有りだな…」
ルフルが冷酷な笑みを浮かべて鎌を傾ける。
「よくもパパをっ!!」
ドレミが叫んだと思ったら、俺を庇うように背後からソラが瞬時に前へと飛び出した!
そしてルフルに肉薄する。
その表情は俺が初めてみる娘がブチギレした貌だった。
「……ぶっころ…!!」
「ほう!小娘の割には良い顔つきだな? …それにしてもあの脆弱な男を父と慕うオーガの双子か。面白い組み合わせだな」
「「うっさい!くたばれ!」」
時間差でドレミとソラの正拳突きがルフルに叩き込まれる。
が、それは難なくルフルの片手に掴み取られる。
「戯れにしては余も愉快であったぞ? そうだな、その方らは見込みがあれば余の騎士団で少しばかり鍛えてやろう…だが、その前に躾が必要だな…」
パキィーン!
はあ!? 信じられないことに同じくアイツの手元からピンク色の光が砕け散った。
じゃあなにか、アイツも俺と同じく【オートパリィ】のスキルが使えるってのか!?
っていうかドレミ! ソラ!?
「少しばかり頭を冷やすが良いぞ?」
無防備状態となって動きが取れなくなって喘ぐドレミとソラにそっと拳を伸ばすルフル。
「危ないっ!? 俺の娘に何しやがる!?」
俺は無我夢中になって飛び出したが…間に合わねえ!クソったれぇ~~~~!!
「その必要はないわね」
その一声で全ての者の時間がやっと動き出したかのようだった。
俺の後ろに立っていたのはイケメン過ぎる俺の嫁だった。
「ファ…!?」
「男か? まだ他に転生者がおったのか…!」
ルフルも信じられないような表情をした刹那、全力で鎌を投擲した。
その余波で床が抉れ、周囲のタケシ達が吹き飛ぶ。
俺は死を覚悟したが俺の前に立ちはだかったファがそれを素手で受け止めると、勢いを殺さずそのまま投げ返したのだ。
ズガン!
鎌はルフルの横顔を掠めて後ろの壁に深く突き刺さった。
…すげえ。 うちの嫁、いったい何者なの?
あとその近くの壇上にいた王様がグッタリしている。あ、気絶してる?
ルフルは極度の興奮からか震えた手で自身の頬を撫でると口を開く。
「み、見事だ…!? 余を相手にここまでできる者がおったとは!あの忌々しい女神共にも今だけは感謝しようぞ! …その方、名はなんと申す」
「知りたいの? 知りたきゃ見せてあげるわよ!」
ファは思い切り自身の胸を叩いた。
ピィポン
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名 前 ◆ ファウ
クラス ◆ ハイペリオン【勇者】
レベル ◆ 120
ヘルス ◆ 20
フィジカル ◆ 20
エレメント ◆ 20
サイコ ◆ 20
※スキル※ ◆ 【絶対吸収】
あなたは、光の女神ミラの加護を受けています。
炎の女神ヘスの加護を受けています。
水の女神ビムの加護を受けています。
天の女神ニケの加護を受けています。
地の女神ポトの加護を受けています。
闇の女神アズの加護を受けています。
所属:なし
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俺の嫁さん、勇者でした。
次回。衝撃の展開が!?
君はその結末に耐えられるか!?(嘘乙)