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6 カール視点

ディアンヌと2人で話をしたいのに、全くその機会に恵まれない。


今日もそうだ。アルベルトが余計な事を言うから4人で出かけるとか…ただイライラする。


待ち合わせ場所に行ってみたら、アルベルトが騎士を連れてその場所にいた。皇族が出歩くとなるとそれなりの護衛は必要だが目立つ上周りも煩い。さらにイライラが増しそうになった時ディアンヌを見つけた。


多い人をかき分けて馬車の方に向かっているので思わず呼び止めた。


「カール様、お待たせしてしまいましたか?申し訳ございません」

「いや大丈夫だ」


横にブランカもいたが声もかけたくない。断ってくれと言ったのに…まさか俺と婚約とか考えているのか!忌々しい!


そのままはぐれたフリして2人になろうと、ディアンヌと動こうとするとブランカと一緒に歩いたらと言われる。


「興味ないからいいよ」


本当に興味ないのだ。何故ディアンヌはそこまで…。途端悲しくなりもう周りを無視して2人になろうとしたらアルベルトがやってきた。ずっと馬車に乗っていればいいのに!大袈裟な態度で本当に腹立たしい皇子だ。


ディアンヌの手を取り先に店に向かう。早くあの2人から離れよう!


「カール様待ってください。お2人とはぐれてしまいます」

「ディアンヌ今日は私と2人で…」


このままでと思っていたらアルベルトがまた邪魔をする。こともあろうにディアンヌの手を握った!


──触るな!!!


思わず力を込めてディアンヌを引っ張ってしまった。よろけたディアンヌの肩を掴んだが余裕のない自分を近くで見られいたたまれなくなった。


──全てが上手くいかない


テラス席に座ってからも目の前にいるアルベルトに腹が立ってしょうがない。


「アルベルト…手を握るとか今後はやめてくれ」

「えーダメかい。君のものでもないのにね」


婚約者は俺だ!アルベルトはただの友人に過ぎない。ここまで積極的にディアンヌに絡んだことはなかったはず…何か事情が変わったのだろうか。


ケーキは甘いものがさほど得意でない自分でも美味しく、人気があるのがわかる味だった。見た目もフルーツが多く綺麗で、ディアンヌが好きな物を知れて嬉しかった。なのに…


「カール様お願いです。少しでいいのでブランカ様と2人でお話しませんか?ブランカ様はとても優しくて素晴らしい方なのです。カール様もきっともっと話したくなると思いますよ」


ブランカと話をすることなど何もない。断ろうとしているのに、本人も俺に話があると?ディアンヌと別れろとでも言うつもりか!

アルベルトもディアンヌと距離が近い!

何故?何故こうなる?


ドサッと椅子に座り直した。ブランカが何を言おうと無視だ。話など聞くつもりもない。今アルベルトと2人でいるディアンヌが気になるし早く行かないと…

早く話を切り上げディアンヌと話をしなければ!

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